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今週のTop Tier VCニュース!#6(2022/3/6週)

Battery Venturesのブラジルでの初めての投資、General Catalyst・Creation Fundのシリアルアントレプレナーへの投資などをピックアップしています。
昨年、Softbankがラテンアメリカでの投資拡大のため新たに$3B(約3290億円)の大型ファンドを組成し、1号との合計で$8B(約8770億円)を投資予定との発表がありましたが、ラテンアメリカ市場での資金調達も活発です

今週の投資先ハイライト

ブラジルの福利厚生サービスのFlashがSeries Cで$100M超を調達

主な投資家

  • Battery Ventures

  • Tiger Global

  • Global Founders Capital

概要

Flashは、米国に拠点を置くグローバルファンドであるBattery Ventures(ブラジルでは初めての投資)とWhale Rock (NubankとLoftに投資済みのヘッジファンド)の2社がリードするSeries Cで$100M超を調達した。今回の資金調達は、Tiger GlobalがリードしたSeries Bから僅か10ヶ月で行われました。

2019年に創業したFlashは、Mastercardと連動したアプリケーションを提供しており、リモートワークやハイブリッドワークを選択した企業にとって理想的な福利厚生サービスの選択肢となるものです。同社の「FlashHub」を通じて、人事担当者と従業員は福利厚生の管理や新たな福利厚生サービス提供が可能になります。同社は、ヘルスケアプラン、ジム、食事、移動、文化支援、そして最近ではホームオフィス支援など、様々な福利厚生の統一管理と最適化制御を提供しています。

同社によると、これはブラジルのHRTech企業の資金調達ラウンドとしては、昨年6月のSoftBank GroupがリードしたGympassのSeries Eの$220M(評価額が$2.2B)に次いで2番目に大きく、2022年1月のSoftBank Latin AmericaがリードしたGupyへのBRL500M(当時のドル為替レートで$93M)を上回る規模とのになったとのことです。


Livingoの元経営陣が率いる地方医療に特化したHomewardが$20Mを調達して始動

主な投資家

  • General Catalyst

概要

Homeward Healthは、General Catalystから$20Mの出資を受け、事業の立ち上げを発表しました。同社は2019年7月のIPO後の2020年10月にTeladoc$18.5Bで買収したデジタルヘルスプラットフォーム『Livongo』の主要幹部が率います。(*General CatalystはLivongoの初期投資家)

「使いやすいテクノロジー、根拠に基づいたケア提供、在宅および地域サービス、そしてケアモデルと適切なインセンティブを組み合わせることで、どこに住んでいようと誰もが受けるにふさわしい高品質のケアを提供する新しいアプローチを最初に提供できると信じています」と、Livongoの元President & Chief Medical Officerで、Homewardの新CEOであるJennifer Schneider博士はプレスリリースで述べています。

今回の$20MはGeneral Catalystが新たに設立した総額$800Mの『Ceation Fund』から拠出されたものです。Creation Fundは、会社設立への投資とGeneral Catalystのコアな関心分野での起業家のビジネス構築を支援することに重点を置いています。

General Catalystの『ハッチ戦略』は、Livongoが今日のような企業に成長するために一役買っていたり、旅行予約サイトのKayak(Booking.comが買収)やヘルスケアのCommure(Series Dで$3.5Bの評価額)といった企業の初期の成功の原動力にもなっています。


SafeBaseが企業向けSecurity Trust Centers開発のためSeries Aで$18Mを調達

主な投資家

  • New Enterprise Associates (NEA)

  • Y Combinator

  • Comcast Ventures

概要

SafeBaseは、NEAがリードし、Y CombinatorおよびComcast Venturesが参加したSeries Aで$18Mを調達したと発表しました。
セキュリティ評価プロセスを合理化することで、B2B SaaS企業が企業との取引を迅速に完了できるよう支援するSmart Trust Centerを標榜するSafeBaseは、LinkedIn、Jamf、サイバーセキュリティ企業のSnykなど、すでに100社以上のクライアントを有しており、今回の資金調達は成長の促進や人材確保に活用される予定です。

SafeBaseは、創業者のAl Yang(CEO)とAdar Arnon(CTO)がハーバード大学で出会い、パンデミックのさなかにY Combinatorのアクセラレータプログラムに入学して2020年に設立されました。Adar(CTO)はハーバード大学卒業後、イスラエル国防軍8200部隊に所属していたため、米国とイスラエルの両方に強力なエンジニアリングチームを擁しています。


インドのソーシャルコマースプラットフォームのCityMallがSeries Cで$75Mの資金調達

主な投資家

  • Norwest Venture Partners

  • Accel

  • General Catalyst

概要

CityMallは、Norwest Venture Partnersがリードし、既存投資家のGeneral Catalyst、Accelなどが参加したSeries Cで$75Mを調達した(Fintrackrの推計によると評価額は約$320M)
これは2021年3月のSeries Aでの$11M、 2021年6月のSeries Bでの$22.5Mに続く同社にとって1年間で3回目のラウンドとなり、資金調達総額は$113.48Mに達した。

CityMallはインドの第2、第3級都市にあるコミュニティー再販業者ネットワークを通じて、ライフスタイルや食料品などのカテゴリーの商品を取り扱っています。ハリヤナ州内の8つの小規模都市で、約2万人の再販業者、20万人の消費者を抱えている。

CityMallのライバルであるDealShareはTiger Globalがリードした直近のSeries Eで$45Mを調達し、Meeshoに続くソーシャルコマース分野での2番目のユニコーンです。


投資環境

2021年に最もアクティブだった投資家ランキング

  • PitchBookが「2021 Annual Global League Table」を発行

  • 昨年はプライベートエクイティ(PE)とベンチャーキャピタル(VC)が軒並み記録を更新し投資のペースは驚異的だった。世界で最も活発なPEは昨年249件のディールを成立させ、最も活発なVCは364件に達した

2022年に米国ベンチャーキャピタル業界が直面する変化への備え

  • PitchBookが「2022 Q1 VC Quantitative Perspectives」を発行。タイトルは「Bracing for Change : 変化への備え」

  • 過去2年間の猛烈な勢いとは裏腹に、2022年はベンチャーキャピタル業界にとって逆風となる可能性がある時期を迎えました

  • 株式市場の低迷、インフレ、地政学的な混乱など、すべてが不確実性を高める要因となって中、PitchBookの最新レポート「Quantitative Perspective: 定量的な展望」では、米国のベンチャー業界がこうした難局をどのように乗り切ることができるかを深く掘り下げています。

  • 2021年は歴史上で最もExit Valueが高かった反面、上場時と比較した2021年12月末時点での株価/評価額の低迷も顕著です


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