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今週のTop Tier VCニュース!#9(2022/3/27週)

今週は女性創業者が率いる女性エグゼクティブ向け会員制ネットワークでユニコーンとなった"Chief"などをピックアップしています。また、General Catalystがインドでの投資を強化するという記事のとおりGCによるインドのスタートアップへの新たな2件の投資もピックアップしています。

今週の投資先ハイライト

女性創業者が率いるChiefが$1.1Bの評価額で$100Mを調達しユニコーンへ

主な投資家

  • CapitalG

  • General Catalyst

  • Accel

概要

Chiefは、Googleの親会社Alphabetの独立系Growth FundのCapitalGがリードし、既存投資家のGeneral Catalystなどが参加したSeries Bで$100Mを調達した。評価額は$1.1Bとなり女性創業者が率いるユニコーン企業となりました。

女性エグゼクティブ・リーダーをつなぎ支援することに焦点を当てた会員制ネットワークであるChiefは、Carolyn ChildersとLindsay Kaplan(上記の写真)によって2019年に創業されました。女性のためのネットワークで、メンバーはFortune 50から成功したスタートアップまで、多様な経歴、業界、組織の上級管理職とつながることができます。

過去1年間で、Vice PresidentやC-suiteの肩書きを持つChiefメンバーの数は倍増し、6万人以上の女性が入会待ちの状態です。パンデミック時には会員数が顕著に増加しました。

会員は、同業のプロフェッショナルで構成される審査済みの全米コミュニティ、エグゼクティブ・コーチ、ワークショップや対談、コミュニティグループ、会員向けミートアップ、主要都市にある会員専用クラブハウスを利用することができます。

「Chiefは、エグゼクティブが成功するために不可欠な、対面およびバーチャルでのつながり、個人的なキャリア開発を促進する世界クラスの技術プラットフォームを開発しました」と、CapitalGのゼネラルパートナーであるLaela Sturdyは述べ、同社の取締役に就任する予定です。


FinTechのOneCodeがSeries Aで$13Mを調達

主な投資家

  • General Catalyst

  • Surge (Sequoia Capital)

  • Nexus Venture Partners

概要

OneCodeは、General Catalystがリードし、既存投資家のSequoia Capitalのインド・東南アジア向けアクセラレータープログラムのSurge, Nexus Venture Partners, Waterbridge Venturesといった既存の投資家が参加したSeries Aで$13M(1億インドルピー)の資金を調達した。

2021年7月にはSurgeとNexus Venture Partnersがリードしたラウンドで$5Mの資金を調達している。

同社は、ローン、クレジットカード、預金口座などを含む商品やサービスのオンライン取引を、技術に詳しくないユーザーや企業オーナーが実行できるP2Pレコメンデーションに焦点を当てています。

2019年に設立されたOneCodeは、インドのTier 2、3、4都市における金融商品と潜在顧客との間のギャップを埋めたいと考えており、IDFC First, SBI, Bank of Barodaなどの大手銀行やNavi, Groww, Jupiterなどの次世代FinTechスタートアップをクライアントにしています。

OneCodeは設立以来、代理店数を40倍に増やし、代理店に1億インドルピー以上の利益をもたらし、プラットフォームに登録したユーザーは100万人以上にのぼるといいます。今後3年以内に、さらに100都市に拡大し、代理店網の規模を500%拡大する計画です。

Inc42のレポートによると、インド全体のFinTech市場は、2021年から2025年までのCAGRは31%で成長し、2025年には$1.3T規模となると推定されています。2021年、インドのFinTechスタートアップは280件の資金調達案件で約$8 Bを調達し、いずれも過去最高となり、平均投資チケットサイズは$33Mとなりました。


SaaS向けデータセキュリティのAntimatterがSeries Aで$12Mを調達

主な投資家

  • New Enterprise Associates (NEA)

  • General Catalyst

  • UNION Labs

概要

Antimatterは、NEAがリードし、General CatalystとUNION Labsが参加するSeries Aで$12Mを調達した。このラウンドには、Snowflake, Okta, Dropbox, VMware, Segment, Databricksの創業者たちも参加しています。

世界初のSaaSアプリケーション向け実証可能データセキュリティ企業であるAntimatterは、ステルスから脱出し、本格的なインフラ・ストラクチャー・ソリューションの開発を進めるため、世界トップクラスのエンジニアリングチームの採用を加速させる予定です。

2020年に設立されたAntimatterは、万が一アプリやサーバーが侵害されても、顧客が承認した個人のみがデータにアクセスできることを証明的に保証する暗号基盤ソリューションという大胆かつ包括的な新しいアプローチで顧客データのセキュリティ要件を解決します。同社は初めに、SaaSチームが直面する特定地域、クライアント専用サーバー、従業員アクセス制限など、クライアント企業のセキュリティ要件を満たすための支援に重点を置きます。

データセキュリティは、テクノロジーにおける最も重要な問題の1つです。悪意のある脅威や不注意な脆弱性が増加しており、データを競争力と信用の中核とみなす企業にとって大きなリスクとなっています。SaaSチームとそのクライアントにとって長年の問題であり、対応すべきコンプライアンスやスタンダードの数が増えることで誰もが疲弊し、最終的には売上の損失や遅延を伴います。

3人の共同創業者は、過去にSaaS企業を実際に創業した経験の後、多くのSaaSテクノロジーリーダーがこの課題に対するほぼ普遍的なフラストレーションを発見し、顧客データ要件という問題に着目しました。


インド発AgTechのFarMartがSeries Bで$32Mを調達

主な投資家

  • General Catalyst

  • 500 Global (旧: 500 Startups)

概要

FarMartは、General Catalystがリードし、既存の投資家であるMatrix Partners IndiaとOmidyar Network Indiaも参加したSeries Bで$32Mを調達しました。同社は、2021年10月にSeries Aで約$10Mを調達しており、総調達額は$48Mに達しています。

2015年に設立されたSaaS主導の食品供給プラットフォームは、食品事業者が農家から直接質の高い農産物を大量に調達することを可能にし、小売業者が農家から商品を調達するのを支援します。同時に、農産物小売業者のネットワークは農家に情報と市場のつながりを提供します。

FarMartは、アプリのユーザー経由で配信される生産物連携サービスをインドの600地区以上に拡大し、15品目以上にわたって現在までに7万5000トンの高品質な農産物を調達していると述べています。

「農家が正規の市場にアクセスするためには、25~30kmの距離を移動しなければなりません。農産物小売業者の近接性、社会資本、インフラを活用することで、私たちは資本効率よく非線形な方法で農家から直接調達することができるのです。過剰な仲介業者を排除することで、農家に良い価格を提供し、直接コストを削減し、流出や無駄を最大10-15%削減することができます」とFarMartの共同設立者Mehtab Singh Hansは述べています。


投資環境

●世界のユニコーン企業1,066社のマーケット・マップ

  • CB Insightが1B$以上の価値を持つ世界のユニコーン企業1,066社を、事業展開している主要市場別にマッピング

  • 2022年2月に世界のユニコーンの数が1,000を突破し、更に65社以上がリストに追加された。企業価値合計は$3.5B

  • 世界で最も価値のある未公開企業は、AI部門でTikTokやToutiaoなどのコンテンツプラットフォームを運営するByteDanceで評価額は$140B

  • FinTechは、ユニコーンの約1/5(20.8%)を占め、地図上で最も高い割合を占めるカテゴリー。次いで、インターネット・ソフトウェア&サービス(18.9%)、Eコマース&D2C(10.4%)、人工知能(7.8%)の順番

  • マーケット・マップでは734社、およそ3社に2社が2020年に入ってからユニコーンクラブに加入しています。そのうち、2021年だけでなんとリストの半数近い519社のユニコーンが誕生しています。2021年12月の前回分析以降、ユニコーン・クラブの規模は936社から1,066社へと13.9%拡大

●General Catalystがインドでの投資を強化

  • Stripe、Snap、Airbnbなどのハイテク企業を支援してきた米国のベンチャーキャピタルファンド"General Catalyst"は、最大の新興市場の一つであるインドでの存在感を高めるため、より多くのステージで出資を行い、インドへの注力を強化する予定です

  • このインド進出の先陣を切るのは、1月にGeneral Catalystに加わった元SoftBankの投資家であるDeep Nishar氏と、元SnapdealとMeta(旧Facebook)の幹部であるAnand Chandrasekaran氏です

  • 現在インドを訪問中のGeneral Catalystのマネージング・パートナーであるHemant Taneja氏は、インドの機会に興奮しており、最近3つのファンドで調達した$4.6Bの中からEarly-stageからLater-stageまでの投資を行う予定であると述べました

●Tiger Globalの動向から考える未来

  • 2021年のトップインベスターに輝いたTiger Globalは、2022年に入ってもその勢いは衰えておらず、そのディールメーキングのスピードと積極性でベンチャーキャピタルを震撼させている。

  • 2021年にTiger GLobalが支援したディールは335件で、2020年の79件から324%増加し、世界のどの投資家よりも多くなった。これは、1営業日あたり1.3件のディールに相当する

  • 約30人の投資専門家を抱え、その戦略についてあまり語らないことで知られているTiger Globalは、2022年にディールメーキングを加速させ、1営業日あたり2件のディールを行った

  • レポート本文では、CB InsightsがTiger Globalの過去5年間(2021年以降の活動を中心に)のプライベートマーケットへの投資を追跡し、同社が描くテック主導の未来像を明らかにしています

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