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今週のTop Tier VCニュース! #4(2022/2/20週)

今週はNEAの投資先から新たに2社のユニコーンが誕生しました
過去のnoteで記載したように、Top Tier VC投資先からのユニコーン誕生確率が高い傾向は2022年も変わらないようで要注目です!
投資環境のパートではPE全体の2021年を振り返っています

今週の投資先ハイライト

Healthcare TechのRoが$7Bの評価額で$150Mを調達

主な投資家

  • General Catalyst

  • Andreessen Horowitz(a16z)

  • New Enterprise Associates(NEA)

  • Insight Partners

概要

Roは、ShawSpring Partnersをリードに、General Catalyst, FirstMark Capital, Seven Seven Six, TQ Venturesなど既存投資家から独占的に$150Mを調達したと発表した。Roの評価額は$5Bから$7Bに引き上げられた。

Roが過去12カ月間に買収劇を繰り広げ、Workpath、Kit、Modern Fertilityを買収したことは知られている。同社は声明の中で、買収とオンライン薬局のRo Pharmacyの成長と並行して、メンタルヘルスのデジタルクリニックであるRo MindとスキンケアのデジタルクリニックであるRo Dermを立ち上げたことを発表した。

2017年に創業されたRoは、全米の遠隔医療と居宅介護、診断、検査、薬局のサービスをシームレスにつなぐ唯一の企業です。これは診断から投薬の提供、継続的なケアまで、パーソナライズされたエンドツーエンドのヘルスケア体験を後押しするRoの垂直統合プラットフォームによって実現されています。Roは現在までにプライマリーケア不足の98%を含む米国のほぼすべての郡で800万人以上のデジタルヘルスケア訪問を促進しています。


Timescaleが評価額$1Bで$100Mを調達

主な投資家

  • Tiger Global

  • Benchmark

  • New Enterprise Associates(NEA)

概要

Timescaleは、Tiger Globalが主導し既存投資家であるBenchmark, New Enterprise Associatesなどが参加するSeries Cで$1Bを超過する評価額で$110Mを調達しました。ニューヨーク拠点のTimescaleは、time-series用のリレーショナルデータベースであるTimescaleDBを開発した企業です。

現在、500社以上の有料顧客と、Akamai、Cisco WebEx、Comcast、DigitalOcean、GE、IBM、Microsoft、Pfizer、Samsung、Schneider Electric、Uber、Walmartなどの数万社の組織がコミュニティでTimescaleDBを使用しています。


パスワードなし認証の世界展開に向けBeyond Identityが$100Mを調達しユニコーンに!

主な投資家

  • New Enterprise Associates(NEA)

  • Evolution Equity Partners

概要

Beyond Identityは、ニューヨークを拠点とする多要素認証(MFA: multi-factor authentication)市場におけるプレゼンスを新たな地域に拡大し、研究開発を支援するためSeries Cで$100Mの資金調達を実施し評価額は$1.1Bとなった。
本資金調達はBeyond Identityの大幅な事業成長を受けたもので、2020年から2021年にかけて顧客数が640%増加し、年間経常収益が330%増加したと発表しています。

この資金調達により研究開発をさらに拡大し、アジア太平洋地域とラテンアメリカ地域への拡大を可能にするとのこと。

Beyond Identityは昨年、eコマース取引を完了するためにパスワードのリセットが必要な人は平均162ドルまでの買い物を諦める可能性が高いという調査結果を発表しています。


トラック保険のNirvana InsuranceがSeries Aで$25Mを調達

主な投資家

  • Lightspeed Venture Partners

  • General Catalyst

概要

Nirvana Insuranceは、Lightspeed Venture Partners が主導しGeneral Catalyst等が参加したSeries Aで$22Mの資金調達を実施し、累計調達額は$25M超となりました。

Nirvanaは、テレマティクスデータを利用して、トラック保険という頑強でアナログな世界を変革し、フリートのリスク軽減、ドライバーのパフォーマンス向上、コスト削減、そして誰にとっても保険手続きをより簡単にすることを支援する会社です。

Nirvanaプラットフォームは、これらのテレマティクスやAIを搭載したダッシュカム、さらにDMVや運輸省といった公的な情報源から得られる何十億ものデータポイントを接続し、瞬時に見積もりを提供します。

Nirvanaは、最も安全なフリートに対して最大20%の割引を提供し、数ヶ月かかることが多い保険手続きをわずか数分に短縮しています。また、保険は使用量ベースで顧客は運転した分だけ支払えばよく、コストを削減し、車両の実際の露出と使用量に合わせて補償を調整することに重点を置いています。


研究者に特化したSNSのAcademia.eduがSeries Dで$23Mを調達

主な投資家

  • Tencent

  • Khosla Ventures

  • Spark Capital

概要

Academia.eduは、Tencentが主導し、Khosla Ventures、Spark Capital、True Venturesが参加したSeries Dで$23Mの資金調達を実施し、評価額は$203Mになりました。同社は、この資金を利用して学術雑誌の査読や出版を可能にするために事業を拡大する予定です。

Academia.eduは、CEOのRichard Price博士が率いる、学術研究論文を共有するためのプラットフォームです。物理学、化学、生物学、健康科学、生態学、地球科学、認知科学、数学、コンピュータ・サイエンスなどの分野で、教師、医師、ビジネスマン、エンジニアがアカデミアの豊富な最新・過去のコンテンツにアクセスし、推薦を受けたり引用したり、世界中の読者に自分の研究成果を発表したりすることが可能です。

Academia.eduは、1600 年代以降、3,200 万件以上の論文の索引を作成しています。毎日3万~6万件の論文を追加し、月間訪問者数は2,800万人にのぼります。Academia.eduのアルゴリズムは、1日に約2,000万件の論文を推薦し、オックスフォード大学、マサチューセッツ工科大学、カリフォルニア大学バークレー校、ニューヨーク大学など、16,000以上の大学に所属する世界の教員の42%のコンテンツにユーザーを結びつけています。


投資環境

プライベートエクイティ(PE)の2021年の資金調達総額は$1.2T(約138兆円)

  • PitchBookが「Private Fund Strategies Report 2021 Annual」を発行

  • 本レポートによると2021年のプライベートキャピタルの資金調達総額は約$1.2T(約138兆円)となり前年比でほぼ横ばい

  • $5B以上のファンドがPE資金調達を牽引し総額$456Bの資金を調達

  • VCはファンド数が1500以上となり総額$213Bを調達

  • 不動産ファンドはファンド規模が劇的に増加する中、総額$126B以上を集め、最大手5社で全調達資金の25%を占めた

  • 北米の資金調達シェアは過去最高の63%に達したが、アジアは10%に低下した

初めてのnoteでは2021年のVenture Capitalの振り返りについて記載したが、今回のレポートはVCを含むPE全体の資金調達額となります。

General Catalystが総額$4.6BのFund XIをクローズしたと発表

  • Fund XIは、①Creation:$800M, ②Ignition:$1.1B (Early stage), ③Endurance: $2.7B (Growth stage)で構成される

  • この新しいFund Familyは、昨年3月にクローズしたHealth Assurance Fundと合わせて$5.2Bの新たな資金を調達したことになり、これまでで最大の資金調達となった

  • General CalatystはPress Releaseで「VCとして達成した規模を誇りに思っていますが、それ以上に世界に与えることができるインパクトに興奮している」と述べています


Insight Partnersが12番目の旗艦ファンドで$20B超を調達したと発表

  • Insight Partnersが、27年前の創業以来最大規模となる12番目の旗艦ファンド(Insight Venture Partners XII)で$20B超を調達

  • 2020年4月に$9.5Bでクローズした11号ファンドの2倍以上の規模

  • PitchBookのデータによるとInsight Partnersは、2021年に241件のVC投資と69件のPE投資を実行し、2020年の73件のVC投資と35件のPE投資からそれぞれ増加した

  • 2022年(2月24日時点)、これまでに44件のVC投資を実行しており、この速度で年内も投資を続ければ年間取引件数は2021年の記録を上回ることになる見込み


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