ドア横。
ギリギリ飛び乗った車両を見渡すと、座れる席はなくドア横にもたれて立つことにした。
座れないなら座れないなりの過ごし方がある。
個人的にドア横は好きなスペースだったりする。なので、苦ではない。
理由はいくつかあるが、そのひとつはただ単に立っているのではなく、寄りかかれる場所だから。なんなら座るよりも好きかもしれないというのは大袈裟でもない。
たぶん共感はされないと思うが、例えば満員電車の場合で、座る以外に満員が苦にならない唯一の場所はドア横だと思っている。
あとは、電車の窓から外を見れば流れる夜の景色を見れること。
真っ暗な景色のなかに住宅の灯りがぽつぽつと見える。そのひとつひとつの灯りにもそれぞれの意味があるんだろうなと思うと、それもなんだかいい。
ただ、たまに電車の窓に映るもう一人の自分と目が合う。そんな時は、ちょっと恥ずかしく目を逸らしてしまいがちだ。
今日もドア横にもたれて、帰路につく。
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