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石丸市長の不出馬表明の翌日にゆるく安芸高田の神楽を見てきた件

石丸市長ロス、してない?

5/10、石丸市長の2期目の不出馬が表明された。

若干の虚脱感の中、一つ悩んでいたことがあった。11日に大阪の茨木市 おにクルで安芸高田市の天神神楽団(美土里町)の公演があるのだ。正直不出馬表明の前は行くかどうかは決めかねていた。なんとなくいつでも見れるという慢心があったからだ。

行ける距離だよな〜〜どうするかな〜〜〜〜〜。チケットは2000円から3000円。うん、行っちゃおう。交通費の方が高ぇけどな!!!

そんな訳で一回見たいとは思っていた安芸高田市の神楽を見に行くことにした。

今までの神楽のイメージは「ちょっと難しい」

それまで神楽というと奈良や京都の儀式っぽいものを見たことはあったが、儀式だと言うことはわかるが動きだとかの細部の意味はちゃんと理解していなくて、見ててもよく分からんな…とあまりにも神に不敬なことを思っていた。そしてガッツリちゃんと見たことも深掘りしたこともなかった。

地元も神楽が活発ではない地域なので、幼い頃に見た原体験だとかもない。神社でバイトしていた時も神楽のかの字もなく、延々お札を火にくべるのを眺めていただけである。

安芸高田の神楽は旧舞と新舞があり、旧舞は儀式的な神楽で新舞は戦後GHQの目をすり抜けるために「エンタメです!!神道信仰じゃないです!!!」と伝統芸能を絶やさないために生み出されていったものだそうだ。(間違ってたらすまん)
歌舞伎も一応見たことはあるが、それとも違うのか。二度寝をして家を出る時間が危うかったが期待を胸に会場へ向かった。

いざ会場へ


電車に揺られて開演ギリギリに会場に着いた。KAT-TUN世代なので仕方がない。(ちなみに昼頃石丸市長と茨木市の福岡市長とのトークイベントがあったらしい。ぴえん🥺)

演目は神降し、戻り橋、八岐大蛇の3つ。今回はスマホでの動画、写真撮影がOKだった。司会の方の挨拶から始まり、次に茨木市長の挨拶があった。

どうやら会場になっているおにクルのグランドオープン公演だそう。裏から入ったので最初は分からなかったが、入ってみると親子連れで賑わい、各フロアを使って図書館にもなっている新しい施設だったのでなるほどと思った。

続いて石丸市長の挨拶。茨木市長が促して壇上へ現れると、拍手が明らかに茨木市長の時より大きくてウケた。ちょっと可哀想な茨木市長。

市長の挨拶はダ・ピンチさんのYouTubeにUPされていたのでそっちを見た方が早いと思うのでここでは割愛する。

続いて神楽を取りまとめている団体の代表の方が神楽の見どころを案内してくれた。開演から30分。いよいよ最初の演目の神降しが始まった。

開演


神降しは所謂儀式的な雰囲気の神楽だったが、明らかに今までチラ見してきた神楽と違うところは「めっちゃ動くな」という点だ。いやほんと動くんだよ。

元の舞台が小さいからか、移動範囲は狭いもののグルグル回ったり、振り付けも基本的には悠長な動きではなく全身を大きく使って早めの動きが多い。
物語性があまり見えなかったが、「ま、まだ回るのか…!?」と飽きずに楽しめた。
後から調べたけどこれは旧舞と言う神楽を奉納する時に一番最初に舞う演目なんだな。説明聞き漏らしてたかもしれない。

続いて「戻り橋」。こちらは公演している茨木市にも馴染みのある茨木童子が出てくる演目だ。市長や代表が言っていたように、本来は3部作で今回はとっかかりの一部目の模様。

ざっくり言えば平安時代に都を荒らし回っていた酒呑童子と舎弟の茨木童子を渡辺綱と坂田金時(金太郎の人)にやっつけられる話だ。(クソざっくりだから知ってる戻り橋と違ぁう!って言うのは無しだぞ)

こちらは神降しとは打って変わってだいぶストーリー性がある。セリフなどは若干古い言い回しもあるが、ベースの物語の知識がある人ならおそらくそんなに聞き取れなくても理解できるレベルだろう。

で、見た感想で言うと2.5次元舞台に近い!!すげえ!!!
全然飽きないぞ!面の早替えや役者がすり替わるシーン、戦闘シーンでの衣装を舞台上で変える場面などめっっちゃ演出がちゃんとしている。

音楽とストーリー性で言えば歌舞伎に近いものもあるが、歌舞伎よりもとにかくスピード感があるしBGMの笛や太鼓、鐘も8ビートがベースなのでテンポがとにかく良い。絶妙なノリで何に例えたら良いのか上手いこと思いつかないけど繰り返しが多いこともあり、裏ノリじゃないけど和製ファンクと言って良いかもしれん。乗る気になれば16ビート味あるし独特のグルーヴ感がある。(音楽理論弱いから間違ってても許して)

これは神楽を取りまとめる団体の代表の方も言っていたが、ストーリーも歌舞伎などに比べるとシンプルな勧善懲悪で構成されているので連作で見なくても分かりやすいし冗長さがないところも良かった。

ここで20分ばかりの休憩がとられた。時間にして2演目で50分ほどだったが、もうそんなに経っていたのかと思ったほどだ。会場の外では神楽の衣装の着付け体験やフォトスポットなどがあった。

メインディッシュの八岐大蛇


休憩の後、いよいよ八岐大蛇が始まった。サンフレの新しいホームでお披露目したニュースを見ていたのでデッカい蛇たちが出るのは知っていたので楽しみにしていた演目だ。

こちらもストーリーが簡略化されていたが、神楽の物語では天照大神の弟の須佐之男命がヤンチャをしまくったせいで天照大神が「マジ無理」と天の岩戸に引きこもったりと色んな騒動を起こしたせいで神々の住む高天原を追放された。追放された先の出雲で八岐大蛇の生贄にされそうになっていた櫛名田比女と出会い、櫛名田比女の両親に毒の酒を作らせ八岐大蛇を誘い出し、酔っ払った所をやっつけるという流れだ。(個人的には高天原で姉の家でうんこした話を入れて欲しかった)

安芸高田の神楽の八岐大蛇は8体の蛇(パッと見は龍っぽい見た目をしている)の長さはそれぞれなんと18mある。8体いるので舞台上には合計144mの蛇が蠢く訳だが、もつれそうで全然もつれない。しかも目に光ってるし。

縦横無尽にトグロを巻く八岐大蛇はまさに壮観だ。戦闘シーンでは口から火だって吹くぜ!!(本当に花火かなんかでバキバキに火花散ってた)
舞台からはみ出たり8体で合体技のようなものをしたりと、約20分間圧巻のパフォーマンスだった。少し大蛇たちがゴールデンレトリバーっぽい動きをするので段々八岐大蛇に愛着が湧き始め、首をとられた時は少し悲しかった。

16:30ごろ、全演目が終了した。最後はカーテンコールが巻き起こり、天神神楽団と石丸市長が現れて団長から挨拶があった。神楽団の横でずっと戻り橋でぶった斬られた茨木童子の腕を持ってご機嫌な石丸市長。サイコ味があって大変よろしい。

終演後、おいおいこれだけ見てこの値段で良いんですか?もっと金取ってくれよ!!と素直に思った。5000円くらい取ってくれ。頼む、安すぎる。

とりあえず「一度見てみよう」は大事だった

石丸市長が折に触れて「一度見てほしい」と言っていた意味が分かった。これはハマるぞ。
・儀式的な神楽でも冗長さが少ない
・ストーリーがシンプルで分かりやすい
・演出がちゃんとしている
・派手
・八岐大蛇が可愛い
・テンションあがる客席一体型のショー
ざっくりこんな感じだった。開演して凛とした笛の音が騒めく会場に鳴り響くと、叫び上がっていた子供も黙り込んで見入っていたのも印象的だ。

あと天神神楽団の奏楽(楽器隊)のレベルがめっちゃ高いと思った。京都に住んでいた頃、祇園祭の囃子の練習を街を歩いてるとよく聞こえてきていたが、やはり通年で公演やっているだけあって安定感が違う。

最初に見たのがホール会場だったのもラッキーだったかもしれない。音響や照明がちゃんとしていたため、没頭しやすい空間だった。
これは比較するために湯治村にも見に行っちゃいますね…。

ただ、これは個人的な感想だが元のストーリーが頭に入っていた方が楽しめるかと思った。
戻り橋や八岐大蛇などは歌舞伎や古事記などでもよく知られている物語だが、やはり聞き取れない部分があったりもするので少し脳内で補完が必要な場面もあった。あと「知ってる話と違う!!!」と言うのはめっちゃ野暮だと思うのでそれはそれと思って見た方がいいかもしれない。
ある意味ちゃんとエンターテイメントに昇華させているって事だ。

終演後、会場の外では

神楽を浴びた後だからか、フワフワした頭でホールの外に出て帰ろうと思ったら、ロビーにめちゃくちゃ人混みができていた。
なんだ?と思ったら

案内板がおかしい。自分の知っている看板は衣装体験の対局に安芸高田市長は置いていない。ちなみに市長の方の列が圧倒的に並んでいた。
握手や撮影を終演後もしてくれていたみたいだ。

しかし握手をしても何を話せば良いのか悩む。伝えたい事も定まっていない。何より他の方のあまりの熱気に当てられて、スゴスゴと会場を後にした。

とりあえず不出馬の次の日の石丸市長の声が聞けた事と、一回見てほしいと言っていた神楽が見れてそれが期待を大きく上回ったので大満足だ。

6月にも関西で公演があるそう。とりあえず一回見てみた方が良いとマジで思いました。

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