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匿名短文開花ショタ企画 感想

 こんにちは。文を書くチャンスとみれば軽率にいろんな企画に参加する者。まさかミケ猫です。
 今回は南雲皋さんが主催する「匿名短文開花ショタ企画」というニッチな企画に参加していますので、各作品の感想なんかを書いていければと思います。1000〜2000字の短編が20作品並んでいますので、ぜひお気軽に読んでみてくださいね。
 ちなみに開花ショタというのは、恋とかそういうのがいまいちピンと来てなかった純粋な少年が、開花する瞬間の趣深さを表しているそうです。ちょっと前まで「胸キュン!」ってやってたのに、今度は「ショタァァァ」ってやることになるとは誰も思わないじゃないですか。どういうことですか皋さん。
 ということで、私も全力でショタの開花を書いてきましたので、お楽しみいただければと思います。さて、どの作品が私の書いたやつでしょうか。


企画概要

投票期間:6/8(土)12:00〜6/16(日)18:00
作品レギュレーション:『開花するショタ(※)』をテーマに書いた1,000〜2,000字(ルビ・空白・改行は含まない)の短編小説
(カクヨムに掲載する都合上、R15までとします。過度な性的描写は禁止です)

※開花するショタとは※
友情と愛情の違いが分からず、"好き"の意味を完全には理解せずに使っていたショタが、性愛に目覚めて、愛情の意味を持って"好き"と自覚する瞬間を描いてください

企画概要より

感想

01:雨の日はバスが遅い

 バスの運転手のお姉さん。仕事をしている凛々しい大人のお姉さんに、ついついドキドキしちゃう少年の心の趣深さよ。まったく、幼くして何という属性に目覚めてしまったのでしょう。もっとやってください。
 雨の情景がすごく良くて、濡れて冷えた体と、ドキドキして赤面するショタのコントラストいいなと思いました。また、ちょっと思考回路がストーカーチックになってるのも生々しくて良かったです。いやぁ、企画のスタートから趣深いショタを押し出してきましたね。心がむずむずします。

02:初恋の思い出

 姉の同級生である年上お姉さんにときめいてしまう。なるほど、これはまた違った味わいがあって良いものです。公園で密会……これはけしからんやつですね。こんな可愛いショタを誑かすとは。もっとやってください。
 お姉さんの香りで開花しちゃいましたかぁ。嗅覚ってすごく印象に残るって言いますもんね。そして、のぼせてしまったり、待ち合わせしたり、ふむふむ。見事に開花させられちゃってますね。これは春香さんに狙われてると見ました。あぶない香りがしますね。

03:【少年】が死んだ日 [性描写あり]

 いけない方向に開花しちゃいましたね。でも、ショッキングだったろうなぁ。これまでの人間関係があった上で、だいぶ生々しいのを目撃したら、こうなっちゃうか。危ういですよね。こっから純愛に持ってく――って雰囲気でもなさそうですし。
 微妙な年頃の少年が、少年じゃなくなる。その場面をうまく切り取って、生々しく書いてくれたなと思います。これはいけませんねぇ。続きはあるんでしょうか。

04:立ち上がれ、護星獣王

 立った……これが、これが護星獣王! めちゃくちゃ笑ってしまいました。なんてもの読ませてくれるんですか。スーパー戦隊の巨大メカと、ショウタくんのリビドーが直結してるとか。獣の王が立ち上がっちゃってるじゃないですか。
 今回のMVPはシズカ姉ちゃんですね。昔から知り合いのオペレーターをしてる綺麗なお姉さんにあんなこと言われたら、そりゃ護星獣王も立ち上がりますよね。ショウタのリビドーに銀河が大歓声です。

05:嘘つき姉ちゃんの結婚

 お姉ちゃんのこと大好きなんですね。いやぁ、これは可愛いショタでした。なるほどなぁ……本当はお姉ちゃんを取られちゃうのすごく嫌なのに、おめでとうって嘘つくしかない。切ないですよね。
 お姉ちゃん大好きなショタって成分はなかなか趣深いと思います。お姉ちゃんの方の内心はどうなんだろうな。この後どんな出来事があるんだろうなと考えていくと、健全なものからけしからんものまで妄想が広がって良き良きです。ほろ苦い思い出になる感じかなぁ。

06:魔性のショタは気が付いてしまった

 それは……恋だよ!(アルパカ先輩)
 いやぁ、気付いてしまいましたね。これはニヤニヤしちゃいます。お姉さんたちを手玉にとるレンレンが、自分の恋心に気がつく……いい展開です。
 残念ながらさつきさんは保護者くらいの感覚かなぁと思ったのですが、この後どうなるんだろなぁ。磨き上げたホストスキルは通用しなさそう(裏を知られちゃってるからね)ですし。年の差もあるし、これは勝ち筋あるのかなぁ。どうなんでしょう。

07:ぼくと、先生

 なるほど、これは健全なショタ。心と体の成長に戸惑っているリアルな少年ですね。汚した下着を母親に申告して洗ってもらうくだりの趣深さよ。
 先生への憧れは一時的なものなのかな。これから思春期になって、いろんな経験を通して少しずつ大人になり……と真っ当に育ってほしいショタでした。実に良い開花シーンでしたね。
 この続きがどうなるかは先生のキャラ次第って感じになりますかね。ただしく聖職者としての教師であれば非常に健全な物語になるとは思うのですが、まちがって性職者だったらもう大変。ニュースになっちゃいますからね。どうなるかなぁ。

08:デイジー・ブルー

 ブルーデイジーの花言葉には、秘密の愛ってものがあるらしいですね(調べました)
 なるほどね。途中までヒロインはあかりちゃんかなぁと思っていましたが……そうきたかぁ。この報われないだろう恋心って美味しいですよね。不毛なのがとても良い味わい。そして、たぶんあかりちゃんから向けられてる矢印に気づいていないのもポイント高いです。
 あえて言葉にせずとも、花を贈るってタイミングで相手も気づいたんでしょうね。ちょっぴり切ない青春の香りを感じました。良きかな……けっこうな純愛の雰囲気を感じます。非常に趣深い作品でしたね。

09:かたしろ [残酷描写あり]

 これは好きですね。読んでる間、普通に企画のこと忘れてました。そういやショタ企画でしたね。胸の奥を突き刺してくるような作品だったので、この文字数ですっかり没入してしまいました。幸せになってくれ……!
 文字数制限を取っ払って、設定なんかを色々と加筆頂いて、この続きがどうなるか読ませていただきたいなーなんて思っちゃいます。作者様にはぜひここから膨らませていただいて。単純に私が読みたいだけなんですけどね。すごく良いものを読ませていただきました。

10:拗らせ女子は夢魔の夢を見ない

 なるほど、夢魔としてショタを持ってくるのは新しい味がしますね。仕事で疲れた彼女が家に帰ってくると待っているのが……ショタ。ふむふむ、妄想度の高いシチュエーションです。疲れた社会人読者によく効くやつ。これはどんどん手のつけられないショタになっていきますよ。
 ショタおねとして、他とは違った味わいがある作品ですよね。これもまた趣深いなぁと思います。ニヤニヤしちゃいました。

11:北国の初夏 [性描写あり]

 これはまた、濃いのを読ませていただいたなと思います。語り口や語彙が独特なのが目を引きますが、そうして語られるのが、ぢえれみゐ少年の開花の様子ですからね。そこのとこのギャップに読み味の面白さがあって、楽しく読ませていただきました。なんと趣深いことか。
 その後、あふろら嬢とどうなったのか、すごい気になりますが。少年の名誉に関わるらしいのでやめておきましょうか。面白かったです。

12:6歳上の未亡人を娶った僕の馴れ初め

 初恋。いいですねぇ……タイトルで示されている通り、彼女は一度誰かと結婚しますが、最終的に娶ることになると分かってますからね。良き良きです。
 貴族舞台の作品の何が良いかというと、しがらみの多い立場になるほど恋愛結婚が難しくなるって点だと思うんですよね。本作はそれを冒頭からしっかり示してくれてたので、最後のシーンについても納得感がありました。
 これは続きを期待していいんですかね。まだこれから、二転三転するんだろうなという感覚でいます。

13:五百円の記憶

 開花しちゃったかぁ。なるほど、これはいけない方向に開花しちゃいましたね。
 なにせ五百円玉が大金に思える年頃ですからね。本作は感情の描き方が良いなと思っていて、もらった五百円で買ったアイスより、百円玉と十円玉がジャラジャラしてるのにホッとする。そういう描き方が、生々しくてよかったです。
 大人になって諭吉が飛び交うようになっても、心の中にはずっとあの五百円玉がある。こういう類の開花が来るのは想定外でしたね。面白かったです。

14:朝顔とハンバーグ

 これは切ないですねぇ。初恋のお姉さんも大学生ともなれば、そりゃあ彼氏もできようもの。小学生の自分のことは年の離れた弟以上の何かとしては見られないでしょうし……自分の気持ちを理解して、開花と同時に失恋の味を知る。非常に趣深い作品だったと思います。
 恋を自覚する描写がいいですよね。無自覚に目で追っていて。遥香お姉ちゃんの表情を見ながら胸の奥が熱くなって――そして、ハンバーグとは違う、特別な「好き」を知る。萎れてしまった朝顔。なんという深い味わいでしょうか。ウマウマ。いやぁ、とても面白かったです。

15:九龍城砦の星と黒龍 [残酷描写あり]

 ほうほう、これは男同士の開花ですね。まぁ性別についてとやかくは言いませんけど、手術中に開花するってどういうことなんだいって思って。酷い怪我をした黒龍、命の危機に瀕して、麻酔が効きづらいからとタオルを噛み、必死に手術台を握る年上の危ないお兄さん――に、トゥンクするってさぁ。君の将来が心配になるよ。最高。
 これはまた、独特の味のある開花ショタを読ませていただいたなと思います。この文字数で舞台背景も自然と理解できるように入ってきますし、企画の趣旨をちょっと忘れて普通に読み入ってしまいました。面白かったです。

16:今夏のポジションチェンジ

 青春だなぁ。疎遠になりつつあるシオリ姉。中学生あたりの年齢だと、少しの年の差で先輩が魅力的に見えたりしますし、まだ小学生の弟ポジションの子が本当に子どものように見えるんだろうなぁ……というところで。
 初恋と同時に自分のポジションを自覚して、それを変えようと覚悟を固める主人公。めっちゃいい。応援したくなりますね。汗ばむような夏の空気が伝わってくるようで、すごく青春を感じました。趣深かったです。

17:終わりかけの椿

 とても面白い作品でしたね。言われるがままいい子でいようとする主人公の心の動きであったり、時代背景の中で描かれる初恋の思い出がすごく沁みました。だからこそ、このような素敵な作品をなぜ「ショタァァァ」ってする企画に寄せてしまったのか――いえ、レギュレーション的にはバッチリはまっていると思いますし、とても楽しませていただきました。何も間違ってはいないんですが、それはそれとして、初恋の昇華方法はこれで本当に良かったんですか、と思ってしまったんだよ。とても。これはもっと膨らませて普通に文芸作品として世に出しても良いんじゃなかろうかと私は思います。

18:人形志願

 もうダメですね。姉の友人の着替人形として遊ばれてしまう……こんな形で開花してしまったら、もうダメだと思います。えぇ、とても趣深い作品でしたね。タイトルもさぁ……もう志願しちゃってるじゃんね。
 キャッキャした女子高生の様子がすごく楽しそうに描かれていて良かったですよね。相手が小学生だからこその無防備さなんかもあるんだと思いますが、悪ノリに悪ノリを重ねて見事いたいけな少年を開花させてしまうというね。これはギルティ。良いものを読ませていただきました

19:シェフターリの誘惑 [残酷描写・暴力描写あり]

 官能的で背徳的。すごく良かったです。読んでいてすごくグッと来ました。打算が見え隠れしているのを理解しつつも、堕ちて、彼女のために動くと決意する。これは好きですねぇ。本当、開花ショタ企画だってついつい忘れちゃうんですよ。感情が濃くて良いです。
 世界観は現代社会とかけ離れているのですが、それが説明的になることなく物語の中で自然と提示されているんですよね。読者が知りたいタイミングで、知りたい内容を。しかもこの文字数でね。実は私もこういう感じで書きたいなぁと思って非公開短編を試作してたりするんですが、なかなか難しいなって唸ってまして。これは好きです。

20:僕の中に眠る熱。 [性描写あり]

 なるほど、これは大変趣深い作品だったと思います。ふむふむ、年齢不詳の魔塔の主に開花させられちゃうのかぁ……テオドールはもう戻れませんね。そしてきっと、彼もまた魔力を開放されて不老に近い感じになるんでしょうから、フランシーヌとはこれから長らくこの年齢の姿のままで、おねショタ――ゴホンゴホン、固い信頼関係で結ばれた師弟として一緒に生きていくんでしょうね。なるほどなぁ。
 どうしようもなく大きくなった熱を、どのような形で放ったのかはとんと想像がつきませんが、わざわざ下着まで脱いで全裸にならないと大変なことになってたんでしょうね。フランシーヌさん全部分かっててやってますよね。この読者の想像に任せる書き方が、たいへん趣深くて良かったです。ごちそうさまでした。

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