濡れ草にすいいと翔ける蜻蛉かな
蟋蟀や喧騒すすぐ夜の小雨
雨上がり五山送り火揃いけり
島巡る歌の枕や盆休み
雲を出て高く笑みけり盆の月
迎火に黒き竪坑櫓かな
蒲焼に遠音添えけり法師蝉
初嵐たわむ木陰に遊具かな
道知らぬ蜻蛉放つや垣の上
上り月ぽっと東に浮かびけり
薄みどり胸に止まるや秋の蝉
秋立つや夕べは木々も静まりぬ
虎杖の花や黙して曇り空
噴水の路に跳ね入る河童かな
夕立や逃れて窓に滝眺む
猛暑気を五連柵超え払いけり