つるつるり揺れる玉かな菜種梅雨
さざなみに春筍や虹の色
田の駅をひとつ柳の率いけり
親子鉄歩みて後のすみれかな
身の区切り知るや躑躅につつまれて
春風や磨きぬく姿はさかな
転ぶ子の鳴らす鈴かな花満天星
若草や走る声のうしろ姿
雲にきく風と翼と春落葉
菜の花や翼南に音高く
銀翼の揺らす月みて八重桜
冒険を見守る丘に花筵
教室の時刻む花吹雪かな
残桜の夢や宇宙船がくるよ
華やぎを置き去りにして落花かな
雨に目覚め積る花こそ儚けれ