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【俳句鑑賞&料理】行く春や鳥啼き魚の目は泪 芭蕉
30数年生きてきて、生まれて初めて自分の作る料理がおいしいと思う。いや、その以前に、生まれて初めて自分の食べるごはんを自分の手でDIYしている。そのきっかけは写真の「金目鯛の煮つけ」
なんせ、料理する時間があるくらいなら、ビジネス書を読んだり企画書を作成している方が楽しかったオンナである。この変わりように一番驚いているのは何を隠そう、この私。
1月吉日、ふと、スーパーで金目鯛と目があった。コワイ。でもおいしそう…。魚なんて料理するのは面倒くさいことこの上ないけど、時間も余裕があるし、やってみようかな。
クックパッドという強力な見方を引き連れていざ料理!!でもね・・・。金目鯛の、目がコワイ私。ごめん、ごめん…。ごめん。おいしそうだから…。ごめんね・・・。
せめてものお許しを、と買ったときの輝きを失ったうるんだ目を紫蘇の葉っぱで隠してから写真take!
これが。食べてもおいしい金目。味付けも申し分なし。美味美味、と心躍りながら、思い浮かんだ俳句がなぜだか芭蕉の名句。
魚の目に泪。芭蕉の魚は素晴らしい春が過ぎ去ることを悲しんでいたのだけど、私の魚(金目鯛)は、料理素人の女に食される無念さで泣いていたのかもしれない。よりによって、素人女でしかも本格的に料理するのが初めて!と。
その後、料理素人女は、金目の煮つけがおいしくできたことにカコつけて、次々と料理を作り出す始末。まるで今までの遅れを取り戻すかのように。そう、私にとっての料理のきっかけは、金目鯛の泪なのだ。
退席を示し合わせて早き春 masajyo
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