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【日商簿記1級】5回目の挑戦で合格するまで1

昨年11月の156回日商簿記1級試験に合格しました。大学3年生の春に簿記1級の勉強を始め、約2年間独学で勉強しましたが、3回挑戦して最高点が68点で不合格、そこからオンラインコースを受講しはじめてから、2回目の挑戦(計5回目)で85点で合格できました。合計3年半くらいかかりましたが、この体験を通じて気づいたことや他の人にも試してみてほしいことを以下で共有します。

簿記の実績

1.独学の難しさ

まずはじめに独学で簿記1級を勉強するときの難しさについて考えてみます。僕自身2年間ほど独学で勉強していましたが、特に困難だったことを2点挙げてみます。

・どの部分が重要かわからず、勉強の強弱がつけられないこと        ・わからないときに質問できる環境がないこと 

本屋に行って人気でよさそうなテキストを購入し、その本をもとに独学をしていましたが、なんとかテキストを全部一周しても、どの部分が特に重要で、どの部分が重要度が低いのか判断できませんでした。そのため、本来は捨ててもいいような論点にかなり多くの時間を割いてしまっていたので、結局一番大切な基礎がおろそかになっていました

また過去問や問題集を解いていた時に解説を見てもわからない問題があります。そのような時に独学では質問できる相手がおらず、わからないことが解決せず、モヤモヤな状態が残ったまま、テスト本番を迎えることになってしまっていました。インターネットで検索することである程度の疑問は解決するかもしれませんが、やはり自分が疑問に感じたことを直接聞ける環境があることで勉強の質がかなり上がったと実感しています。

2.オンラインコースを活用

僕はネット上で「プロフェッショナル簿記」(以下、プロ簿記)というサイトを発見し、無料で読めるブログを読んでいると、非常にまとまっており、わかりやすかったので、コースの紹介を読み、オンデマンドコースがあったので試してみることにしました。オンデマンドコース以外にもライブ授業のコースがありましたが、過去に独学である程度勉強してきた経験があるので、いつでも好きな時に過去のライブ動画をネット上で見えるオンデマンドコースにしました。

このプロ簿記は日商簿記1級合格に焦点を当てたプログラムで、先生は経験豊富で、授業も様々な工夫がなされており、楽しみながら勉強することができ、独学時代に忘れかけていた、わからないことがわかるようになる楽しさや、新しいことを学ぶ喜びを思い出させてくれました。また先生やアシスタントの方に直接質問することもできるし、掲示板のようなページがあるので、そこに質問を投稿すると他の受講生の方がヒントや意見を返してくれるので、自分の中のモヤモヤを解消することができ、本番であそこが出たらヤバイという気持ちをできる限りなくして本番に臨むことができました

さらにオリジナル問題も数多く用意されており、基礎力を鍛え直すのにピッタリでした。基礎を押さえてから、過去問に進むことで、過去問でも合格ラインを突破することができます。

3.今回合格できた3要因

1.基礎を大切にする                                           2.過去問を上手く活用する                      3.下書きを見直す(凡ミス対策)

1.基礎を大切にする

合格するために一番何が大切かと聞かれれば、僕は「基礎を押さえ、簡単な問題を絶対に取り切る力」だと思います。基礎を中心にした勉強を続けていくとわかりますが、本番の問題も基礎的な問題をほぼ落とすことなく、いくつかの応用的な問題をとれば、合格点である70点を超えることができます。日商簿記1級は相対評価であると考えられるため、通常多くの人ができなかった問題は配点されにくく、みんなができた問題には配点がしっかりくるので、合格するためにはみんなが取れるであろう問題をしっかりとり切ることが何よりも大切です。逆に言えば、合格だけを狙うなら、数%の人しか解けないような応用論点は初めから後回し、もしくは捨ててもいいと僕は考えて勉強していました。

基礎力をつけるために、具体的に何をしていたかというと、プロ簿記で用意されている基礎的な問題が集められた問題を繰り返し解いていました。ここで大切なのは、同じ問題を何度も解いていると答えや解き方自体を覚えてしまうことがありますが、「こういう理由でこの数字を使って、こうやって解く」ということを意識して解くようにするとすごくいいです。また、基礎問題を通して、自分流の解き方(下書きの書き方)を習得するといいですよ。その具体的な方法については3.下書きを見直す(凡ミス対策)の部分で説明します。

繰り返しますが、基礎力は本当に大切なので、僕の場合、テスト3週間前くらいにもう一度ほぼ全範囲を通して基礎問題を解き、間違ったところはテスト前日まで何度か同じ基礎問題を解いて、本番で絶対に間違えないぞという気持ちで基礎固めをしました。

2.過去問を上手く活用する 

基礎がある程度付いたら、今度は過去問を使って応用力をつけるようにしました。過去問も数をこなせばいいというわけではなく、古いものは基準が変わっており、今のテスト範囲ではないかもしれないので、僕の場合は153回~130回のものを解き、時にここ5年以内くらいのものは何度も繰り返して解きました。

過去問を解くときは、時間をきっちり計り、本番と同じように計算用紙を1枚用意して、本番に近い雰囲気で過去問を解くようにしました。また本番を想定して、この問題は取らないといけない、この問題は捨てていい、ということを毎回意識しながら解きました。ここでも大切になってくるので、同じ過去問を繰り返すからと言って、惰性で解く(答えや解き方を覚える)のではなく、「こういう理由でこの数字を使って、こうやって解く」ということを基礎問題を解くときと同じで、意識するようにしていました。

過去問を解いた後はすぐに採点し、結果をExcelシートにまとめ、時間の経過とともに点数がどう変化するか、どの回が弱いか、だいたい何分でできているかぱっとみてわかるようにまとめました。

テスト1か月前の時点ですでに過去問を3周ほど回していたので、ラスト1か月はだいたい75分で85~90点をとるという少し難しめの設定で、過去問を解きました。本番直前はだいだい75分で平均的に90点近くとれるまで仕上がっていました。

簿記過去問

3.下書きを見直す(凡ミス対策)

独学のときに最高で68点でしたが、このときの敗因は凡ミスでした。今まで凡ミスはたまたま起きてしまうもので、自分の能力とは関係ないと甘くみていましたが、それは大きな間違いだと思います。凡ミスは対策次第である程度減らすことができます。今回こそ凡ミスで落ちることは避けたいので、下書きの仕方を見直すことにしました。具体的には、自分のルールを決めて、問題ごとに自分流の解き方で下書きを書いていくということです。

自分のルールとは、例えば、使った数字は丸で囲み、「○○法で解く」と問題文にあれば、○○法の部分を四角で囲み、ぱっと見て、何がポイントか、どの数字を使ったのかわかるようにしました。
また、自分流の解き方(下書きの書き方)とは以下のようなものです。例えば、社債の利息法による償却原価の問題では、下のように簿価を縦に書くようにしていました。また、定額法による減価償却の問題では、必ず次の順で式を書くようにしました。

社債2

減価償却

このように下書きの書き方を見直すことで、本番でも自分の型にはめて解くことができるし、下書きの書き方を決めておくことで、見直しもしやすくなり、凡ミスを減らすことができます。

+α ノートづくり

上記の点に加えて、自分がやってよかったと思うのが、iPhoneのメモアプリを使い、次のように大事な点をまとめることです。僕自身紙のノートにまとめるのが嫌いで、はじめノートを作っていなかったのですが、何度も間違える箇所はまとめないと覚えられないと思い、iPhoneでノートを作ることにしました。iPhoneでノートを作るときの長所は次の3点です。

・編集がしやすい

一度入力したものを簡単に消したり、コピーして貼り付けできるので、一度書いたメモに後で情報を追加したり、修正したりするのがとても楽です。

・写真を貼れる

メモの中に写真を挿入できるので、自分の間違えた問題や紙に描いた手書きのメモの写真を撮って貼り付けることで、非常にわかりやすいノートをつくることができます。

・いつでも確認できる

電車で移動中や待ち時間にiPhoneで復習することもできますし、ふと疑問に思ったことを確認したり、新しい疑問を忘れずメモしておくこともできます。

ノートづくり

さて、テスト本番の自己解説などについては 【日商簿記1級】5回目の挑戦で合格するまで2・3に続きます。お読みいただきありがとうございました~~。ほなまたな~~


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