どのように「aiko」という沼に嵌まったのか
私はシンガーソングライターであるaikoが好きで、もうかれこれ20年はファンである。
シングル・アルバム・DVDは勿論全て持っているし、ファンクラブにも入っているし、ライブがあればここ数年は必ず観に行っている。自身の結婚式でも数曲程aikoの曲を使わせてもらった。それくらいは好きである。
aiko以外にも好きな歌手は何人かいたが、ここまで長期的に嵌まっているのは正直aikoだけだと思う。まぁ私が好きになった歌手の中でaikoほど長期間メジャーで活動するような人は殆どいなかったというのもあるが、今も活動してはいるけど私が追うのを辞めた人もいる。でもaikoだけは今も変わらず動向を追っている。
何故これほどまで嵌まったのか。aikoを沼で例えるならば、私はもう肩までズッポリ浸かっていて既に身動きがとれない状態である。そして今もこの底無し沼にズブズブと沈み続けている。
追い続けて20年経った今、自身のファン歴の棚卸しも兼ねてその理由を文章化してみようと思う。
「aiko」を知ったきっかけ
私がaikoを初めて知ったのはaikoがメジャーデビューして大分経ったころである。
「花火」と「カブトムシ」でaikoの知名度が上がりつつある2000年、カルピスのCMソングとして「桜の時」が使用されたが、そのCMで初めてaikoという歌手を知ったのである。
ただ、「桜の時」を聴いた時にのめり込むということは無かった。今は「桜の時」はaikoの曲の中でも自分ランキング上位に入るほど好きだが、当時は「今こんな歌手いるんだー」程度の印象であり、どちらかといえばaikoに対して無関心だった。
「aiko」という沼に嵌まる
だったらいつaikoに嵌まり始めたのかというと、存在を知ってから数ヶ月後に発売された2ndアルバム「桜の木の下」を聴いた時である。
私には歳の離れた兄がおり、当時兄がTSUTAYAで借りたCDをCD-Rにリッピングして私に貸してくれたりしていた。
渡された複数枚のCD-Rの中にリッピングされた「桜の木の下」がたまたま混ざっていて、偶然にもaikoの曲をきちんと聴く機会ができたのである。
そして、アルバムの1曲目「愛の病」のサビを聴いた瞬間、「aiko」という沼に足を踏み入れてしまったのである。
その瞬間、背筋にゾクゾクっと何かが走り脳内がジワーっと熱くなるのを感じた。この感覚は忘れられない。
なんだこの曲は?なんだこの歌手は?
直ぐにでも知りたいけど何せCD-Rにリッピングされたアルバムなので、CDはスッピンのままだし歌詞カードなんか勿論ありゃしない。
「私をゾクゾクさせる謎の歌手」が頭の中を混乱させるが、お構い無しにプレイヤーからゾクゾクする曲が流れ続ける。
そして3曲目「桜の時」のサビが流れ始めてようやく頭の中で全てが繋がった。
「aiko」という沼に沈む
沼に嵌まってからはもうすごい勢いで沈んでいった。
CDを買い、インタビュー記事が載っている雑誌を読み、ネットで情報を調べ、ラジオをやっていると知れば早速聴きはじめ、とにかくaikoについて知ろうとした。
私は曲からaikoという存在を知ったためか、自分の中で勝手に「大人しくて可愛らしい感じなんやろうなー」と思い込んでいた。
だが、ラジオを聴いて初めてaikoが関西弁で喋ること、トーク巧者であることを知り、これもまたかなりの衝撃だった。
正直、aikoが私が当初想像していたイメージ通りだったら途中で沼から抜け出せたかもしれないが、この衝撃のせいで更に深くまで沈んでいく。
「aiko」という沼は枯れない
女性は男性と比べて結婚や出産等の人生における大きなイベントにおいて環境が大きく変わったり身体的・精神的な負荷が大きい傾向があるので、女性歌手ってそういう大イベントを機に活動を辞めたり、辞めないまでも価値観が変わって創作活動に影響が出る方が多いと思っている。
例えば椎名林檎は色々な節目で活動の形を都度変えたりしながら今の地位や世界観を作っているところがあるし、大塚愛は結婚・出産で一時期活動停止して、復帰したらキャラ変えてきたし。西野カナも結婚を機に活動を停止中で、もし復帰したら恋愛曲は書かなくなっているかもしれない。
但し、aikoに関してはデビューから23年、ほぼぶれていない。
ペースは決して早くはないが毎年CDを出してライブ活動もコンスタントに行う、曲はほぼ恋愛の曲。コレを23年間ずっと続けているのだ。
まぁaikoに関してはまだ結婚していないというのもあるからそこまで変わらなかったというのがあったのかもしれないが(ファン心情としては早いところ身を固めて欲しいところだが)、恐らく結婚しても変わらず活動を続けるだろうなと思うほど、aikoはぶれないのである。
この沼は乾くこともなく現在進行形でファンを沈めている。
・・・とはいえ、続けるかどうかは当の本人次第なので、我々ファンがとやかくいっても仕方のないことなのである。
ここ最近のaikoのインタビューで、「将来、音楽を続けていけるだろうか」というコメントを目にすることがやや増えてきた。
一昔前のaikoならば「一生歌手を続ける」と意気揚々とコメントしていた所だが、それに若干陰りが見えている。
この発言は昨今CDが売れなくなってストリーミングがメインになりつつある現在において、従来通りCDを売るだけでこの業界でご飯を食べていけるのだろうか、という不安から来た発言であって、決して自身の創作意欲が無くなってきたとかそういう話ではない。
だが、今後も音楽で生きるためには多少の変化が必要であるとaiko自身が感じているのは事実なので、今後その部分でどの様に変化を見せていくのかは少し不安ではある。
これからも嵌まり続ける
今後、どのようになるのかは正直わからないけれども、恐らくこれからも私はaikoを追い続け、この沼に沈み続けるだろうと思う。
少なくとも今はまだaikoは変わらずに活動しているので、その事に感謝してaikoを応援しようではないか。そして、aikoの曲を聴こうではないか。
そうすればaikoは変わらずに歌い続けてくれるだろう、と思っている。