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京都発祥の藍染技法の復活〜自給自足カレッジ110

松崎陸(りく)さんは、自給自足カレッジの実習後のバーベキューにわざわざ京都から参加してくれて、一緒に飲み始めると、彼が復活させている藍染めについて語り始めました。

彼の持つその藍染技法は京都では誰もやらなくなってしまったもので、原料となるイヌ蓼から育てる事をしなければならなかったと言います。

また、藍染に関する様々な話が始まると、自給自足カレッジの受講生は私も含めて、その話に引き込まれていきました。

江戸時代の文献を読むと、大医、小医という言葉があり、飲み薬は小医で、実は大医とは着るものだった。

服薬という言葉は、ここから来ていて、着るものは体の体質や体調、シチュエーションに合わせて昔の人は着るものを選んでいたと言います。

藍染について語る松崎陸さん

徳川家康のフンドシは藍染めされていて、エジプトのミイラは藍染めされた麻布で包まれている。これは藍染めには抗菌作用があるからだとも。

また、江戸の街の火消しも、藍染めを着ていて、これは布を藍染めすると3割ほど布の強度が増し、また燃えにくくなるからだとの説明。

火縄銃の導線もゆっくり燃やす為に、藍染めにしていた。

正倉院に納められている「開眼の縷」という藍染の紐は、東大寺の大仏の開眼式で、大仏に目を入れる際に筆にこの藍紐をくくりつけてたくさんの人がその紐を手にとって大仏の目に力を込めた、という儀式の時に使われたものだそうです、それも未だに色褪せずに残っています。

開眼の縷

確認されている藍染の歴史についても、松崎さんは澱みなく滔々と話されます。

紀元前3000年頃のインダス文明の遺跡から、藍染めの染織槽跡が発見されている。

紀元前2500年〜1200年頃には、ミイラには藍染の布が巻かれており、エジプトのテーベ古墳からミイラの巻布「マムミー布」が発見されており、これが世界最古の藍染めの布とされている。

あまりに話が面白いので、その後、自給自足カレッジの受講生の有志数人で、京都大原野にある松崎陸さんの工房を訪問しました。

京都大原野にある松崎さんの工房を
自給自足カレッジ受講生と訪問

上記の写真の左側に鬱蒼と生えているのが、松崎さんが復活させた京都古来種のイヌ蓼(いぬたで)。

有志以来から大正時代までは、一般的に使われていた藍染も今では150年ほど前に出てきた合成染料に駆逐されて、世界的にもほとんど使われなくなったといいます。

松崎さんの工房を訪れた自給自足カレッジのメンバーは、本来の藍染技法について色々と教えてもらいながら、藍染体験をさせて頂きました。

松崎さんは、イヌ蓼を種を蒔くところから自ら育て、その葉を収穫し、乾燥させるというところからやっておられます。
本物(木灰を使う)と偽物(薬品処理)の藍染の違いを説明する松崎さん。今、藍染と言われているもののかなりの物は薬品処理した偽物だと言います。
乾燥させたイヌ蓼の葉
興味深く松崎さんの話を聞くカレッジ受講生
スクモから出た白藍(水中にのみ存在)は、水中では手や爪とも結びついて、空気に触れると青い色に。
スクモ(100日間発酵させた葉で腐葉土のようなもの)➕水➕木灰で、茶色の水となり、発酵が進むとスクモから藍の色素が吐き出され、それが白藍の状態で水の中に浮遊しています。その色素が綿や麻や絹といった天然繊維に水の中で強固に結び付く。空気に触れると青くなるが、青くなってしまった色素は染色に使えなくて、青くなったものから色移りする事はないので、色移りするものは偽物だという説明を松崎さんから受けての作業になりました。
綺麗な水の中で木灰を落として、繊維に結びついた藍の色素を水中の酸素に触れさせる事で青い色が出る。
イヌ蓼の葉を発酵させたスクモ
藍で染まった藍染体験者の手
本来の藍染仕組みは、スクモを廃汁(木灰+水)に入れる事で、スクモに住み着いた微生物が木灰を食べる事で発酵が進み、その発酵の過程で、スクモから色素が水中に投げ出される。この水中にある色素は不安定でそこに天然繊維(綿、麻、絹)があると水中では強固に結びつく。その後、空気に触れさせると色素が酸化して青い色が出るというのが、本来の藍染の仕組みだとの説明。
藍染と言っても今出回っているものは薬品還元して染めているので、ほとんどが偽物。本物は、色落ちや色移りは洗濯してもしないとの説明を受け、私の来ていた本藍染の作務衣について聞いてみると、あっさりと偽物だと言われてしまいました。笑

インディゴブルーとして着られているジーンズのストーリーも大変面白いお話でした。

435000円で売られているビンテージ•ジーンズ

リーバイストラウスさんが、インディアンが着ているている藍染の生地に目を付けたのは、アメリカの西部開拓時代。
藍染の服を着ているインディアンは、虫や蛇に噛まれる事が少なく、紫外線も防ぎ、生地も丈夫だった事から、このストーリーを載せて、色を似せた化学染料でジーンズを作ったのが始まりだとか。
しかし、化学染料だとそれらの効力はないそうです。

私の藍染作品と私

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本当に楽しいイベントが目白押しです。

是非一度、無料体験に参加してみてください。

7月以降でも、第一第三週の週末(土曜日曜)に開催されています。

次回以降では、

7月・・・ 1日(土)・2日(日)・15日(土)・16日(日)
8月・・・ 5日(土)・6日(日)・19日(土)・20日(日)

今まで経験した事のない新たな経験や発見があるものと思います。

下記は、自給自足カレッジの紹介ビデオです。
見ていると気持ちが何となく穏やかになる気がします。

YouTube動画(3分)

https://www.youtube.com/watch?v=N66HzZV7Td0

体験会等について詳しくは、下記のホームページをご覧ください。

https://self-sufficient-life.jp

自給自足カレッジ
小柴正浩

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