幻のやまびこ牛に会いに三重県津市美杉町に〜自給自足カレッジ139〜
今日は、自給自足カレッジのある三重県多気町のVISONから車で1時間強、奈良県との県境方面に西北西に向かったところにある三重県津市美杉町のやまびこ農場に行ってきました。
肉牛を育てながら、お米も野菜も、お茶までも家族経営で営まれている片野さん御一家のお話を聞くと、素晴らしい家族愛、動物愛に満ちた自給自足の生活が肌身で感じられ、素晴らしい体験となりました。
まず、やまびこ牧場を訪れてびっくりしたのは、片野さんの御自宅の素晴らしさでした。
35年程前に神奈川県の小田原から三重県津市美杉町のこの地に移住してきた後に、この可愛い小学校の分校校舎が取り壊されると聞いて、是非自分の敷地に移築したいと村の方々に呼びかけたら、100人ぐらいの方々が、その解体を手伝ってくれたそうです。
100人もの多くの住人の方の協力で解体は出来ましたが、その後農閑期に3年間かけて古材の釘抜きや材料の整理をし、更にその後の3年間で地元の大工さんに手伝ってもらいながら、トータル6年もの歳月をかけて上記の写真にある小学校(片野さんの御自宅)の移築をやり遂げたとのお話には、本当に驚きました。
信州大学の理学部を中退して、この地に自然を求めてたどり着いたらしいのですが、そのお話を聞くと、まるで明治時代の北海道開拓民のようなストーリーが次から次へと繰り広げられて、圧倒されるばかりでした。
牛舎は5棟建っていますが、全て裏山を御自分で切り開いて建てられたそうです。
片野さんは、牛を35頭育てるだけでなくて、お米も8反、お茶畑も3反、野菜も全て無農薬でご家族だけで栽培されていると言っていました。
牛舎の下には、おがくずが敷かれていて、全く匂いも何もしません。理由を片野さんに聞くと、毎日全てのおがくずを掃除して2トントラック一杯分の糞尿に塗れたおがくずを廃棄し、それを堆肥場で堆肥にして、お米や野菜、お茶畑、そして牧草の栽培用に使っているそうです。
まさしく、循環型の農業=Regenerative Farmingを実践されている形になっています。
鶏も自分で育てられていました。
牛のエサは、片野さんがご自分で育てた牧草のサイレージや輸入した高価な牧草。周りの農家から集められた稲藁。ご自分で調合する4種類の穀物飼料を、子育て用や母牛用、肥育用等、牛の状態を見ながら調合を変えて牛にあげているようです。
日本で牛の繁殖から肥育まで一貫経営している牧場は少ないと、IZURUNの中武シェフは解説されていました。
最後に、幻のやまびこ牛をご馳走になり、牛の話で、大変盛り上がりました。
何故片野さんのやまびこ牛は幻(マボロシ)なのか?
それは地元の方々中心に100人の会員が一頭丸ごと買い取っているので、市場に流通させていないからだそうです。
朝6時前に起きて、牛に餌をやって、掃除をし、田畑の仕事をやって、また夕方6時に牛の餌やりをして、母牛の下のおがくずを再度掃除。
しかし、忙しい中でも、ご家族5人がいつも揃ってこのテーブルで、自分たちで育てたもので作ったご飯を一緒に食べられるというのは、本当に幸せだと、片野さんはつくづく話されていました。
最後に、
「僕は、牛の下僕ですよ。」
との一言。
今日は、本当に素晴らしい体験を、やまびこ農場でさせて頂きました。
朝の11時から夕方4時までお付き合い頂いた片野さん御一家には心から感謝感謝です。🙏🙇♂️🙏
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