見出し画像

自給自足カレッジ44

第二次世界大戦中、爆薬の需要が高まったため、多くの化学工場が軍需生産に転換されました。戦争が終わり、軍需生産が減少すると、これらの工場は新たな市場を求め、化学肥料の生産に転換しました。このことが、化学肥料生産の急速な発展につながったとされています。
1960年代以降、世界中で化学肥料の使用量が急速に増加したのが、グラフを見ると分かると思います。FAO(国連食糧農業機関)の統計によると、1961年には世界全体で約1,700万トンの化学肥料が使用されていましたが、2018年には約1億6,900万トンにまで増加しました。ただし、近年は各国で環境問題が注目されるようになり、化学肥料の使用量は頭打ち傾向にあります。
日本においても、農業生産の増加を目的に化学肥料の使用が戦後広まりました。1961年には、日本での化学肥料の使用量は約133万トンでしたが、最盛期には1985年には約3,400万トンにまで増加しました。しかし、近年は減少傾向にあり、2018年には約1,700万トンにまで減少しています。
日本で化学肥料の使用が減っている理由の一つに、肥料が原因となる環境汚染の問題があります。化学肥料は、土壌に流出して水質汚染を引き起こすことがあるほか、使用量が多いと土壌の養分バランスを崩し、地力低下や生産性低下の原因となることがあります。
また、化学肥料の使用が減っている背景には、環境保護意識の高まりや、消費者の健康志向の高まりなどがあります。これらの要因により、農産物の安全性や品質に対する要求が高まり、化学肥料の代わりに、有機肥料や生物農薬を使用する減農薬栽培や有機農業の取り組みが広まっています。

では、有機肥料を使っていれば安全な野菜だと言えるのかという問題ですが、動物性有機肥料を多用していると土壌が窒素過多になり、一昨日「自給自足カレッジ42」で取り上げた発癌性物質を誘発する「硝酸性窒素」の野菜への蓄積の問題が同様に起こります。
また、有機栽培を行った田畑を無肥料無農薬の自然栽培ができるような自然な状況に戻すには、化学肥料に汚染された田畑よりもより時間と労力がかかると言います。
この辺りの事情を、「自然栽培全国普及会」の会員用冊子「自然栽培を始めるにあたっての技術的指針」から、以下引用してみます。

「有機肥料は遅効性といわれます。 土が肥料を掴
んで、ゆっくりと肥効が発揮されるのが有機肥料
のメリットです。 逆にこれから自然栽培を始める
ときには、この遅効性であることがデメリットと
なります。 有機質肥料を施してしまった圃場は土
が肥毒を掴み込んで分散してしまい、 「肥毒」 とし
て働いてしまう状況を浄化するのに長い年月を必
要としてしまうのです。
むしろ化学肥料だけを使っている場合の圃場の
方が、しこりのようになっていて、 土とは分離し
やすく、 有機農法よりも、 はやく浄化をしてしま
うこともあります。
現在は有機質肥料を使うことが多く、 実際、 穴
を掘ってみて温度・硬度を調べても冷たい・固い
ところがない場合も多々あると思います。
だからといって「ここには肥毒はない」 と判断
するのではなく、 まずは疑ってみる必要がありま
す。 なぜなら、 肥毒が本当になければ虫や病気が
出ることはないのです。 そして収量は格段にあがって結果が出ているはずです。 あなたの圃場が、 そうなっていなければその圃場にはかならず肥毒はある、 そう想定し土を本来の姿に戻し、 本来の力が発揮されるように取り組んでいきます。 自然の一部である人の役割として、 手をかけていきます。
そして肥毒の除去には、 圃場によってさまざまですが時間がかかることを想定して取り組む必要があります。」

1960年以後飛躍的に増えた農薬と化学肥料、それに続いた動物性有機肥料の使用の増加等々、地球規模での田畑の土壌の荒廃=富栄養化(肥毒)問題は、今後どのように我々の生活に影響してくるのでしょうか❓

自給自足カレッジでは、無肥料無農薬栽培=自然栽培によって、自らの健康にも良く、自然環境も保全出来る形での、お米や野菜の作り方を教えています。是非一度、VISON農園に来てみてください。
4月からは本格的に自給自足が学べる講座が、毎月第一第三週の週末(土曜日曜)に開催され、無料見学会も行います。
次回は、4/1か2、15か16の土曜日或いは日曜日になります。
今まで経験した事のない新たな経験や発見があるものと思います。

自給自足カレッジのプロモーションビデオがYouTube上に公開されましたので、下記のURLから是非見てみてください。

https://youtu.be/IQPWF9KBu00

詳しくは、下記のホームページをご覧ください。

https://self-sufficient-life.jp

下記の公式Facebookでも、色々なイベント情報等もアップされていますので、フォローして頂ければ幸いです。

https://www.facebook.com/profile.php?id=100089552298107

自給自足カレッジ
小柴正浩





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?