自給自足カレッジ第6講〜自然農法と慣行農法(農薬使用)では病虫害に対する考え方が全く異なる〜自給自足カレッジ111
掲題の写真は、自給自足カレッジの受講生が受講生用のFacebookグループに投稿してくれた自分の畑で育てているキャベツの写真で、虫に茎の部分を残して全て食べられてしまった様子を写したものです。
下記は、それに対するカレッジコミュニティの間でのやりとり。
これに対して、講師の村上眞平さんは、下記のようにその受講生にアドバイスをしています。
「村上です。
今日の授業でもお話ししましたが、病虫害を防ぐためには、大きく分けて、健全な土づくりと、健全な環境づくりがあります。
今回のキャベツの被害を見ると、モンシロチョウの青虫というより、ヨトウ虫のようにみうけられます。それにしても、徹底的な食害ですね。
以下、考えられる原因を挙げてみます。
このような食害は、窒素過多に現れる症状に似ています。特に、無農薬で牛糞などの動物の糞を十分に分解されてない、生に近い状態で土の中に入れた時によく出る症状です。(乾燥している糞も分解されていないので、生と考えます。)
動物性の糞が生に近い状態で土の中に入ると、分解する過程で、メタンガスなどの臭いを発生させます、そして、ヨトウ虫などはそのような臭いを嗅ぎ取り産卵をします。窒素過多の植物は見た目は緑色が濃く、成長もいいのですが、虫の害を受けやすくなります。
解決の方法としては、早急な解決法はありませんが、ゆっくりでも土を健全にすることと、環境を健全にすることです。
1)土の健全性のためにはよく分解され、山の土の匂いがするような完熟の堆肥を使ってください。
2)作物を植える畝は草マルチで常に覆うようにしてください。土を守ると同時に、天敵の棲家にもなります。
3)そして、多様な作物を植え、同じところに同じものを植えない、輪作をしてください。
授業で話したこととほとんど変わりないのですが、それまで、化学肥料と農薬を使っていた土地では、1−2年ほどの移行期間が必要になります。
キャベツなどは、環境の健全性が必要なので、無農薬では難易度の高い作物です。その点、ジャガイモや人参などの土の中にできる作物は比較的容易です。これからですと、インゲン、キュウリ、空芯菜、ツルムラサキ、などがあり、比較的容易にできます。
自然の理を応用する野菜作りを楽しんでください。農薬化学肥料なしに問題なく育てることできるように必ずなります。」
自然農法の病虫害に対する考え方は、一般的なものとは大きく異なります。
一般的な慣行農法では、
害虫や病原菌、
が原因で、それを農薬や殺菌剤で取り除くという方法を取ります。
自然農法や自然栽培では、病虫害の原因は、
土と環境
にあるとします。
では、ここで言う「土と環境」とは何かですが、
生物多様性が崩れている土や環境では、病虫害が広がる、という考え方です。
これについては、また次回もう少し掘り下げて考えてみようと思いますが、人間の病気についても同様な捉え方の相違があります。
私は、自分の健康を維持する為に、石鹸やシャンプーを全く使わず、化学調味料や添加物、薬、等は極力取らないようにしていますが、それは自分と共生している皮膚の上の常在菌や口内細菌叢や腸内細菌叢(これが植物にとっては、土や環境に当たります)をなるべく多様性を持った形で維持したいからです。
この辺りの話は、上記の天才土壌学者デビッド•モンゴメリー土三部作のうちの1冊=「土と内臓」に詳しく書かれているので、ご興味があれば読んでみてください。
自給自足カレッジの魅力は、講義や実習の内容にもありますが、受講生やスタッフ、講師からなるコミュニティの魅力に惹かれて受講する人も多いです。
是非一度、無料体験会にお越しください。
7月以降でも、第一第三週の週末(土曜日曜)に開催されています。
次回以降では、
7月・・・ 1日(土)・2日(日)・15日(土)・16日(日)
8月・・・ 5日(土)・6日(日)・19日(土)・20日(日)
今まで経験した事のない新たな経験や発見があるものと思います。
下記は、自給自足カレッジの紹介ビデオです。
見ていると気持ちが何となく穏やかになる気がします。
YouTube動画(3分)
https://www.youtube.com/watch?v=N66HzZV7Td0
体験会等について詳しくは、下記のホームページをご覧ください。
https://self-sufficient-life.jp
自給自足カレッジ
小柴正浩
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