20代前半の頃は 専門学校の掃除と ラーメン屋さんでアルバイトをしていました。 1980年代の ラーメン屋さんや飲食店では グルタミン酸ソーダ(うま味調味料)という 化学薬品を当たり前のように使っていました。 もちろん今でも使っている お店はいっぱいあると思いますが、、。 飲食店なのに 製薬会社の人が 納品に来ていたので 妙な気持ちもしていましたが、 特に何の疑いもなく 言われた通りに 全てのラーメンに投入していました。 もちろん自分のまかない分にも入れていた
4年に1回 世界各国で開催される I.W.C / ヘアメイクの世界大会 が2004年に日本で開催され、 300人以上の 海外からのヘアメイク関係者が 来日しました。 招待客のおもてなしのための 和太鼓や雅楽、花生けライブなどの演出、 "JAPANight" というテーマで6ヶ所の パーティ会場のデザイン、アート作品のキュレーションなどを任されました。 私にとって こんなに大きなイベントは初めてのことで 相当な時間をかけて準備に臨み、 今までに
「映画館は非日常なので面白いものを作ってください。」 オーナーからの要望はいつもこれだけです。 いやはや。 非日常を楽しんでもらうとは? とにかく考えるしかありません。 2005年完成直後の 新しい映画館 "CINEMA・2"。 鉄とガラスの巨大なアトリウム。 どうしたら非日常を 楽しめる空間になるのかを 考えていたところ、 どういう訳か イーグルスの "ホテルカリフォルニア" が 頭の中に聴こえてきました。 こういう近未来的で無機的な空間に
日本には家具はいらないのかも… 3.11の後、日本人のこれからのライフスタイルを提案した2013年の個展 "KAGULESS" の第二段。 サザエさん家の居間のように ふすまと障子に囲まれ、 座卓ひとつで家族が 団欒していた頃の日本人は もしかしたら地震のことまで 想定していたのかもしれません。 収納には押入れをうまく使い、 いざという時は 縁側から庭に逃げれば 少なくとも家に 潰されることは無いような気がします。 畳と座卓の暮らしは 一日に何度も
日本には家具はいらないのかも… 大きな本棚や ガラスの食器棚に囲まれて ソファでくつろぐ欧米のような暮らし方をする日本人が多くなり、 私自身もそういう家具を作ってきました。 ところが、去年の東日本大震災( 3.11) を機に、 大きな家具がどれだけ危険なものになってしまうのか 痛いほど思い知らされました。 1993年に "オーガニック” というキーワードを提唱し これまで天然木を使った 大きな作品なども作ってきましたが 今回は "KAGULESS" とい
都市部では いつもどこかで 新しいビルを建てているので、 大型重機や 機械の爆音や 鉄骨を叩く金属音などの 騒音が響いています。 ところが大工さんが 昔ながらのやり方(在来工法)で 木の家を建てている時の 音は どういう訳だか それほどうるさくは感じません。 電動工具の音は別として 金槌を使って ゆったりとしたリズムで 釘を打っている音などが 近所から聞こえていると、 私は反対に のんびりとした気持ちになり 心地良くさえ感じます。 建築の世界で
日本には杉やヒノキなど いい香りのする木が いろいろありますが、 そういった国産の 天然木で作られた 住宅や、 家具は とても少なくなりました。 作る手間がかからない という理由で 合板や集成材が 多く使われるようになり、 もはや木なのか プラスチックなのか わからないような材質の 輸入家具が 安く大量に売られるようになったからだと思います。 以前子供たちとワークショップをした時、 杉とヒノキの香りを 嗅いでもらったら、 多くの子供が ヒノキの
里山の自然に 囲まれた古民家で 野菜を作りながら のんびり暮らすことは 有機的な生活だと思います。 一方、 鉄とコンクリートで作られた 無機質なビルや タワーマンションで 仕事や生活をしている人たちも 大勢います。 人の体は有機体なので 無機質のシャツよりも 木綿のシャツのほうが 気持ちがいいように、 都市での生活は 道路や建物も無機質で 自然も少ないので、 せめて生活空間には 木の香りのする 有機的な家具やオブジェが ひとつでもあると 気持ちが安らぐ
家具や空間をデザインをする時、 "そこにいる人がいかに素敵に見えるか" ということを、考えます。 服と同じようにインテリアも その人に似合ったものがある と、思っています。 私のデザインは 家具や空間だけではなく、 最終的には "そこに人がいる風景" が重なって はじめて完成します。 あくまでも人が主役であり、 インテリアだけが素敵なデザインには したくありません。 以前納めた作品の様子を見るために 原宿のラルフローレンに行った時のことです。 お店の一角
イライラした時、私は熱〜いお茶をゆっくりと2杯か3杯呑みます。 熱々の湯呑み茶碗に口を付け、 自然に "フーーッ、フーーッ" と、息を吐き、 "ズズズズーーッ" と呑み、 最後に "ハ〜〜〜ッ" と息を吐きます。 息を吐いて息を吸うことを 自然に繰り返していて、 無意識に深呼吸と同じようなことをしていることに 気が付きました。 お茶を呑むと気持ちが落ち着くのは 深呼吸の効果もあるからだと思っています。 焼き立てのパンや、 鰻屋さんの香りでも 私は思わず