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「おためしナガノ2023」参加してみて

「おためしナガノ2023」に採択され長野で過ごした6ヶ月が終了したので、参加した感想や期中の反省点など残しておこうと思います。

本補助金事業の発展や、2024年度以降の参加検討者の方の参考にでもなればと思います。

おためしナガノ公式サイト

簡単なプロフィールと参加エリア

Webサイト・グラフィックデザイン・動画制作等、デザイン全般を軸に企業の販促周りの制作を手掛けています、komete の代表の石田といいます。

「おためしナガノ2023」で、伊那谷エリアを拠点に活動していました。

長野といえば、長野市や松本市、白馬・軽井沢など北信エリアが馴染みが多いですが、伊那谷は南信州と呼ばれ長野でも南側、山梨県甲府から山を挟んだ左側です。

登山が趣味の方には「木曽駒ヶ岳のところ」で通じやすいですが、土地勘がない方にはけっこう広域の地図じゃないと伝わりづらい場所という感覚です。

秋頃の木曽駒ヶ岳
千畳敷カールからの景色も美しすぎる

きっかけと応募〜採択まで

この補助金事業の存在を知ったのは4月頃、公私の都合でふわっと移住を検討している中でタイミングよく出会いました。

「補助があるから移住しよう」というよりは「移住を考えるなかで条件が合致している補助金事業と出会った」というニュアンスです。

選考について

2023年度は採択に至るまでに書類審査・面談審査がありました(毎年同じような選考フローだと思います)
書類選考は自身の経歴・事業内容・期中にやりたいこと、あとは事業の実績等を所定のフォーマットにまとめて提出します。

事業内容の棚卸し

kometeは前述した通り、デザイン制作などクリエイティブ事業が主なので、制作実績をポートフォリオにしました。
奇をてらう必要はなく、実直にこれまでにやってきたことをまとめるでいいと思います。プラスアルファで「やりたいこと」をしっかりと言語化しておくことが大切かなと思いました。

募集から選考まで期間も短いので、検討しているようなら先んじて自身の事業の可視・言語化などの棚下ろしはしておくほうがバタバタしません。

ここが嬉しいよ 「おためしナガノ」

1.補助金でおためし移住ができちゃう

(当たり前だけど、当たり前じゃない)

補助事業の趣旨そのものなので、当たり前と言うとそれまでですが、実際に県外からの移動費や事業活動で利用するコワーキング代など諸経費は必ず出ていくわけで、それを資金への影響を抑えながら(ノーリスクで補助金カバーしながら)動けるのは素直に有り難ぇです。

どの程度の予算が必要か、事前に試算しておく

現在の活動拠点と長野県内の往復がどの頻度で発生するのか。
もし住居を移して活動するなら、その費用も含め予算が足りるか事前に試算しておくのがよいと思います。

予算の内訳

自分の場合、月に2〜3回程度は都内との往復が発生していたので、高速バス代(2万円弱 / 月)が交通費としてほぼ必須でした。

最終的には予算に対し交通費が50%、引越費用が30%、コワーキングスペース代が20%ほど、それを予算内で消化し期間を終了しました。

交通費・・・50%(都内 ⇔ 長野の往復)
引越費・・・30%(期中に実際に移住したのでその引越代)
作業費・・・20%(コワーキングスペース代)

2.サポート体制が厚い

金銭面のサポートに並んで魅力的なのは、事業にプラスになる繋がりが生まれやすい環境を積極的に用意してもらえる点です。

運営スタッフの皆様や長野県庁の方々など、関係各所からのサポートが心強く、地元事業者との斡旋、事業に活用できる融資制度の紹介、活動環境に対しての相談窓口などなど...

「なにかあったらいつでも言ってください」
と何度も声をかけていただきました。

期中は数回程度ほかの事業者さんとの交流会も開催されたり、活動にあたっての不明点などアドバイスをもらえる仕組みがある上でスタートできるので安心して事業に専念できると思います。

反省点

資金面・サポート面での支援がおためしナガノの大きな2つの軸でありメリット。あとはそれを活用する事業者次第というところですが、もう少しやりようがあった点も残しておきます。

1|「住む」なら、住居探しは早めに。

一番苦労したのは「住む場所」でした。
おためしナガノ2023は内定が6月下旬、活動開始(補助金対象になるの)は8月からでした。

地域ごとに指定コワーキングがあるので「仕事する場所がない!」という事態にはならないですが、住居についてはおためしナガノから斡旋があるわけではないので、不動産屋と各市町村がやっている移住制度も含め自身でキャッチアップする必要があります。

都内→都内での引っ越し経験しかなかったので、物件の数など見立てが甘すぎて、実際に住む場所を決めきるまで、情報収集や意識がいってしまい事業への影響が少なからずありました。

ひとまずAddress にお世話になりながら活動スタート

家なき子のあいだは "Address"という多拠点生活サブスクサービスを契約し、伊那市にある拠点 "伊那A邸" にお世話に。

"伊那A邸"  の家守の斎藤さんには、その期間も地元の集いのお誘いや、情報提供などとても親身にしていただき感謝です。

伊那A邸は伊那バスターミナルの目の前にあるので、都内からのアクセスも不便なし。中央アルプスへの登山の拠点にも最高だと思います。

いくつかの物件を見てまわって入居できたのは9月。

7,8月と丸々仮住まいでの活動になったので、やはり腰を据えて活動することに比べるとパフォーマンスにも影響はあったかなと思います。

住む場所の物件情報は早めにキャッチアップしておく、または活動予定の市町村がやっている移住者用の仮住居などを調べて予約しておくと、もっとスムーズだったなと実感しています。

下記は予約の都合で利用できませんでしたが、このような市町村の施設を先回りして予約等しておくのはオススメです。

駒ヶ根市の移住者支援施設

飯島町のおためし移住施設

2|地域事業者と向き合う時間が少なかった

当初、もう少し自身のリソースに余裕がある状態で長野に滞在する予定だったのですが、内定通知があった頃より既存の案件が肥大化し、当初想定していたリソースとは違う状況で活動することになりました。

もう少し俯瞰しながら地元事業者の方との接点を創出するのが理想だったのですが、期中はそこが満足にできなかった点は反省。
いくつか生まれたプロジェクトもありますので、ここは引き続き大切にしていこうと思っています。

生活費はたいして変わらない

反省点ではないですが…

イメージなのか「物価が安くていいね」とたまに言われますが、モノは同じ値段です。ただ野菜などは都内のスーパーに比べると段違いで質がいいのは間違いないです。

なので、生活費が都内の頃と大きく変わるかというと、出ていく内訳が変われど変化はそれほどないと思います。

家賃は4LDKある一軒家でも都内1Kの半分以下なので、東京の家賃の高さに改めてびっくりですが…。その代わりに燃料費がそれなりに嵩みます。

  • 車はほぼ必須(こだわりなければ燃費いい車を)

  • 冬季はスタッドレスタイヤに交換する

  • ガソリン高すぎ(長野県は日本でも1〜2位を争う高さ)

  • プロパンガス高すぎ…(都市ガスは神)

  • 灯油ストーブないと凍える…….

今の拠点から通いでおためしナガノする人には関係ないですが、移住検討している方で車を持っていない状態でしたら、長野市・松本市内中心に住むとかでない限り絶対に必要になるので、その費用はキチンと試算しておくのがよいです。

長野で事業したいなら、おためしナガノ使わない手はない

簡単なまとめになりましたが、そんな生活費の変化は些細なもので、それ以上に得られる体験がたくさんあります。

「ちょっとでも検討してるなら絶対おためしナガノ使って移住体験すべし」

です。
もし参加を検討している方がいたら、選考にあたって以下は意識しておくとよさそうっての振り返ります。

  1. 事業ポートフォリオは事前に準備しておく

  2. 予算・資金繰りをしっかり確認する

  3. 住居の情報収集や、移住支援相談を調べる

  4. 長野を楽しむという気持ち(大事)

自分も社会人になってから上京しましたが「都会がいい」「田舎がいい」ではなく、それぞれに良し悪しがあるので、両方のいい点を最大限に満喫しながら生活できる「おためしナガノ」はとてもタイミングも性もあっていました。

都会の溢れるほどのモノや情報は便利で勉強にもなります。スピードとバイタリティに溢れたビジネスマンもたくさんいるので刺激も受けます。

逆に車で20分も走れば鹿や猿が当たり前にいて、中央アルプスにアクセスできる長野(南信州)の立地もそれは贅沢すぎるほどの豊かさです。

こんな山にすぐに登れるのは登山好きにはたまらんです。

おためしナガノするきっかけはなんでもいいと思います。

Uターンの方も多く利用されているようですし、もしも都会での仕事に窮屈さを感じてる人がいたら、それこそオススメです。

紅葉と千畳敷カールを下から望む

自然と共生する開放感を味わうと、逆にあの窮屈さも捨てたもんじゃないということにも気付けたり、間違いなく刺激を受けて事業のプラスになることは間違いないと思います。

車で少し走れば絶景、

田んぼに映るアルプス

冬は寒いけど。

ノーマルタイヤで来たらダメよ

蕎麦、美味しいよ。

「ひねもす」さんの蕎麦、大人気店です。

南信州エリアで検討されてる方がいたら、ぜひ「おためしナガノのためのおためしナガノ」しに来てください。ご連絡いただければ案内します!

twitter: https://twitter.com/masahiroishida

instagram: https://www.instagram.com/masahiro__ishida/?hl=ja


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