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システム開発法務のツボ・はじめます

弁護士の伊藤雅浩です。

新しい日記帳を買った気分で

私は,すでに個人的に2つのブログを書いているのですが,年々,更新頻度が減ってきました。忙しいというのも理由ですが,前も今以上に忙しかったことを思うと,それは理由になりません。書きたいことはツイッター @redipsjp で随時書いているからなのかもしれませんが,やっぱりまとまって書くことは自分にとっても有意義です。

そこで,気まぐれに「またやろう」と思ったのですが,気分を変えるために,新しい日記帳を買うかの如く,あたらしいメディアで始めることにしました。

実は,noteのアカウントは5年前から放置されていたのですが,これは家でたまたま「最初の2頁くらいしか書いてないノート」を見つけたようなもの。敢えて昔のアカウントを使うことにします。

今までのブログはそのまま使いますし,テーマごとに使い分けますので,旧ブログも引き続きよろしくお願いします。

Footprintsは,15年目になりますが,弁護士の日常や,セミナーのメモ,将棋などのほか,雑多なメモとして。

こちらは,タイトルどおり,IT・システム開発関連の裁判例の紹介用として。現在250裁判例くらいは貯めてあります。

テーマはやはりシステム開発

テーマはやっぱりシステム開発を取り上げることにしました。若くて優秀な弁護士のみなさんを見習って,もっと新しいことに挑戦しなければと思うのですが,相変わらず私の仕事の半分か,それ以上をシステム開発の契約実務と紛争対応が占めています。そして,あちこちで話をしていますが,私が弁護士を目指すきっかけとなったのも,前職でのシステム開発トラブルです。

スタートアップの仕事をしていると「まだ受託開発で消耗してるの?」みたいな話題になることもありますが,まだまだ業界全体で見れば,大小さまざまな問題があります。つい最近もこんなニュースがありました。

少し前だと,こんなニュースも。

私が現場にいた90年代後半から00年前半ですら,いずれシステムインテグレーションという業態自体がなくなるだろうと思っていたのですが,20年くらいたっても業態自体は存在していますし,技術のイノベーションが進んでも,残念ながらソフトウェア開発のトラブルは後を絶ちません。

システム開発契約や紛争に関しては,これまでも下記の本のほか,数々の論考や著書で考えを整理したりしてきましたが,どちらかというと弁護士・法務担当向けであって,もう少し現場よりの話をしたいなと思っていました。

その点,noteならば,割と気軽に,カジュアルに,あわよくば現場の方々に届くだろうと思って,テーマに選びました。もちろん,プロジェクトマネジメント指南のようなことを書くわけではないので,基本は法務マターを取り扱いますが,現場と法務を架橋できるような話を選んでいきたいと思います。

今のところ考えているテーマ

さて,前置きが延々と続きますが,今回は前置きだけです。この種の話は,ベンダの立場で書くか,ユーザの立場で書くかというのが難しいのですが,基本はベンダの視点で書くようにしたいと思います。とはいえ,半分くらいはユーザ企業からのご依頼もありますから,ユーザを丸め込む方法を書くなどというのではなく,取引の適正化,公平を目指すものですので,どちらかに一方的に肩入れするというものではありません。

この分野で,いろいろ雑誌の論考やブログを書いているため,私が代理人となった事件で,相手方から「原告代理人・伊藤はこんなこと書いている。原告の主張と矛盾している。」などと言われ,ブログの記事が証拠で出されることもあります。ところが,単に誤解していたり,都合の良い部分だけを切り取った主張だったりするので,それが実際に痛手になったことはありません。なので,将来の自分の仕事を気にせず書いていきます。

本当はある程度,記事を書き溜めてからスタートしようかと思ったのですが,一つも書いていません。以下,考えているテーマだけを思いつくままに列挙しますが,この順番で書いていくわけでもありません。もし,興味のあるテーマがあれば,コメントいただくか,ツイッター・フェイスブック等でメッセージをください。反応があったほうが続くかと思います。

書こうと思っているテーマ

・請負・準委任は「勝ち取る」ものではない
・損害賠償条項を巡るやり取り
・多段階契約で契約を細分化することについての合理性
・「検収」はWBSにあるか
・「形だけでよいので検収を」の危険性
・モンスター顧客によるパワハラは遅延の理由になるか
・提案書に役割分担を書くときは
・変更契約がない段階で追加請求できる場合とは
・課題管理だけでなく「リスク管理」を
・一発即死の危険がある「謝罪」と許される「謝罪」
・何でもかんでもプロジェクトマネジメント義務
・連絡協議会ってどこにあるの
・ユーザの指示で方針変更になった場合
・仕様変更は遅延や品質低下を正当化するか
・SESという名の偽装請負
・議事録をめぐるあれこれ

当面は有料にすることは想定していませんが,有料にしたらどうなるかは興味もあるので試してみるかもしれません。

いきなり長くなってしまいましたが,これで。




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