見出し画像

【推しの子】有馬かなを演じた潘めぐみさんに拍手喝采

【推しの子】の最終話が放映されました。
初回90分からスタートして全11話。
全話を通して私の目を引き続けたのは、間違いなく有馬かな(重曹ちゃん)であり、重曹ちゃんを演じた声優の潘めぐみさんでした。

重曹ちゃんだけでなく、潘めぐみさんのファンになるのには、それほど時間はかかりませんでした。


公式HPより

潘めぐみさんは、実は私が見てきたアニメにはあまり登場しないのです。
ジャンルが異なるのでしょうか。

おそらく初めて「この人すごい」と思ったのが『盾の勇者の成り上がり』のグラス役だったと思います。
ゾクッとするほどの低い声。グラス初登場なのに絶対強者感。演技力。
魅入られました。

(実はその前に『ゲーマーズ!』で主役の海野景太役を見ていたのですが、少年役ということもあり、当時は潘さんのことを意識していませんでした)

そこからしばらく経って、今回の有馬かな役。
有馬かなは、子役時代に役者としての全盛期を迎えます。しかし、その後は鳴かず飛ばずで不遇の時代を過ごします。それでも地道に努力を続け、なんとか芸能界で生き残ってきた高校2年の少女。
こういう苦労を乗り越えてきたキャラって、惹かれますよね。
外見は、見目麗しく、童顔で小柄な女の子です。

そんな有馬かなは、子役時代に主人公・アクアと出会い共演します。
その時、自分よりも一つ年下のアクアの演技力に圧倒されてしまったのです。その演技は、およそこどもとは思えない不気味さをまとっていました。既に子役として確固たる地位と人気を得ていた彼女に衝撃を与えたといってもいいでしょう。
それ以来、ずっと彼女の頭にアクアの演技がこびりついたまま成長していくのです。

そんなアクアに高校で再会したのです。
その際に発した「やっと会えた…」という言葉、そしてその声には、憧れと敗北感がない交ぜの感情、そして記憶に支配され続けた彼女の思いが込められていました。
私には恋する乙女の声に聞こえました。

そこからの「なんでよ!」への声のふり幅がとんでもなく大きい。
乙女から漫才師へと一瞬で変化します。

前半の「やっと会えた」は心の底から出た言葉。子供のころから憧憬にも似た感情を抱き続けてきた対象との再会にポロリと出てしまったのです。
嬉しさ、安堵などが入り混じった感情を声に乗せて。

後半の「なんでよ!」はいわゆるツッコミ。
思いっきり振り切っています。
正直言って、この数秒で心を持って行かれました。

その後の展開でも、有馬かなの感情の振れ幅と潘さんの演技がギリギリズレないで、きっちりマッチしていきます。
見ていて、聞いていて気持ち良すぎるのです。

ほとんどの声優さんは、いろんな声色を持っています。
演じる役によって声や演技を変えるという高い技能を持っています。
通常は、役に応じた声を出し、演技をするのですが、重曹ちゃんの場合はなんだか違うのです。

時々によって、感情の振幅が大きく、それに応じて声質、声色、演技を変えなければなりません。それを潘さんは演じきっているのです。
たった一人のキャラに潘さんが持っている、すべての声と技能を当てている感じです。
重曹ちゃんに命を吹き込んだのは、間違いなく潘さんだと言えるでしょう。

話は進んで、3話で10数年ぶりにアクアと有馬かなは共演します。
そして、またしてもアクアの演技に魅せられてしまいます。
そして、彼女は恋に落ちるのです。
ドラマの台本にあった「恋に落ちた表情」は、劇中の主人公に対するものでした。しかし彼女の表情は、アクアに対するものだったわけですね。

その後はアクアの気を引こうと頑張る有馬かな。
アイドルに転身し、葛藤しながらも懸命に努力する重曹ちゃん。
微妙な少女の心の動きを完全に演じきり、かわいい部分、闇の部分、その他モロモロの揺れ動く複雑かつ様々な感情を、声と演技でで表現する潘めぐみさん。
もう、ファンを通り越して一気に虜になってしまいました。

特に最終回のライブ中のモノローグは圧巻。
ライブスタート時の超マイナスの心理から、数分後のラストの笑顔へと至るジェットコースターのような心の動きを表現しきった潘さんの演技力。

最初は重曹ちゃんと声が合っていないのではないの?と思っていました。
それが、いつの間にか引きずり込まれていたのです。
潘さんだからこそ演じきれたのではないかと。
ちょっとほかの声は想像できないぐらいになってしまいました。

もう二期も決定していますから、めちゃくちゃ楽しみです。
いつまで原作に手を出さずに我慢できるものやら。

この記事が参加している募集

いただいたサポートは、おじさんの活動費としてとんでもなく有用に使われる予定です。