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TS-520レストア(1) TS-520とは

1973年発売のこの無線機は、トリオ(現KENWOOD)が当時の技術の粋を結集して放ったHFトランシーバで、基本はトランジスタで構成されていますが、ファイナルとドライブ段には真空管を使用した、今でいうハイブリッドな機種でした。

機械式のダイアル機構やダイキャストパネルなど重厚なイメージで、今見ても美しい無線機だと思います。

この当時、小~中学生として「子どもの科学」や「初歩のラジオ」を購読し、「電話級」(現4アマ資格)であった私には、このような市販の無線機はお小遣いで買えるはずもなく、質問できる先輩もおらず、製作記事から「無線機もどき」を自作しては失敗の日々で、このような高価な無線機は当然手の出ないものでした。

当時の大卒の初任給は1973年で62300円ということですから、12万円程度したこの無線機は現在(2023年)で考えると給与2か月分の40万以上ということになります。

それが最近ではヤフオクなどで「ジャンク」として数千円から手に入るようになっていることを知り、驚きでした。40年以上たってますから当然かもしれませんが。ジャンクの場合修理・調整は必須です。「調整済」(相場1万円くらい)というものもありますが、こちらでも安定動作を保つためには、無線回路の知識や技術が必要になります。

仕事の合間の余暇として、自分の勉強を兼ねてこのTS-520を使って修理→開局・運用を目指してみたいと思うようになりました。

このTS-520には前期型(100WのD型,10WのX型)と後に1.9MHzが追加された後期型(100WのS型,10WのV型)があります。

ところが、現在は新スプリアス規制によって、JARLの認定が受けられるのは後期型のみとなっています。そこで後期型のVをジャンクで手に入れ(3千円くらいだったかな)、学びつつ、修理しつつ、進む長期ロードです。

当時のカタログ表紙

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