【福田昌弘】2019.11.10 ツール・ド・おきなわ市民140km マスターズ
レース前
RXとしては140kmオープンクラスにも数人参加するし、バラけていたほうがいいだろうということで、ヤマケン、ヤギの3人は140kmマスターズに参加。昨年のドバイのグランフォンドも3人で参加していて、だいたいどう動くかは想像がつくのでやりやすいメンバー。
マスターズは今年から新設されたクラスということもあり、どういうレースになるのか全く予想がつかない。140kmは、3年前までゴールタイムは4時間を大幅に上回っていたのが、一昨年チームメイトとなるニッシーが優勝してから4時間切りのレベルになってきた。徐々にあがってきたレベルが、はたしてどう変わるのか…
ゼッケンは1403、3番目ということで最前列に並ばせてもらう。1401の山本選手、1402の西尾選手とパチり。ほかにもう一人、ニセコクラシックで高岡と逃げていた山本選手が参加しているらしいが、どの選手かは分からない。おそらく、ダブル山本が優勝争いに絡んでくるのだろうということは、容易に推測がつく。
自分はと言えば、昨年の4割の練習量と+4kgの体重がツラい。今年は乗れているヤマケンはスプリント力もあるし、なんとか羽地ダムを超えてアシストに回るのが現実的な目標。
自転車は昨年のVengeから変わってRoubaix、ホイールはCLX32、フォークのコラムにフューチャーショックと呼ばれる、走りながら調整可能なサスペンションが入っているのが大きな特徴です。試走で学校坂を登ってみたところ、体重は増えてるのにタイムは同じでパワーは5W減でした。Roubaixはロードレースでも十分以上に通用します。
photo: 大西さん
序盤
スタート、昨年までのように上げていく選手はいない…こともなく、年齢関わらず上げる人は上げるんだな。中でも黒いスペシャライズドのジャージを着た選手が、猛烈に引いている。あとになって知ったことだが、これが優勝した山本選手だった。
普久川ダムの上りへの入り口が近づく。コーナーが近づいたところでブレーキを遅らせ、フューチャーショックを全開に効かせて曲がるとそれだけで1秒程度は先行。息を整えながら上りへと差し掛かる。あわてて追ってきた選手に合わせて緩斜面はドラフティングに入る。ここが、自分にとって今日一番の山場。はたして登りきれるのかどうか…
この上りは勾配の変化が多いので、急な区間を頑張って、ゆるい区間でドラフティングに入るとなんとかやりすごせる。しかし、ダブル山本選手と西尾選手が少しあげたときに千切れてしまい、ドラフティングにも入れずに3人を見送る形となってしまった。
そもそも今年は峠を2,3回しか登った記憶がない。実際に登ってみると、体重増は何よりも厳しい。上りで踏むたびに、タイヤがよじれるのを感じる。
が、後半になると斜度が緩くなるので、そこまで耐え忍んで、あとはついていってクリア。
photo:Makoto.AYANO
下りに入ってGinrinの井上選手が飛ばしている。追いついて一緒に下って補給所へ。レース前までパラチノースを入れたボトルでしっかりウォーターローディングしていたのと、さほど暑くなかったこともありボトルは不要。ペースを緩まないように踏んで交差点を左に曲がって奥へ向かっていく。そこから下りも緩まない程度にペースをコントロールしたら、逃げの3人が見えるところまで追いついてしまった。タイム差15秒というところ。
集団なら余裕で追いつけるのだが、逃げているのが実力者3人ということもあり、1秒でも長く逃したほうが得策だろうと思った。そこで追走しようとした選手にも声をかけてあえてペースを落とす。逃げとは1分程度を保てればいいかと思っていたら、あっという間に開いていき、1:00,1:40.. 奥に差し掛かるときには2:10程度に広がっていたと思う。
それを見た集団が少しペースを上げる。そのせいで奥でも千切れそうになったが、なんとか登りきった。
海岸線、去年は自分が引いていた区間だけど、今年はRXは3人しかいないし動けない。積極的にペースを上げる選手もいないために若干スローペースで再びダムの上りへと向かっていった。なるしまの佐藤くんがペースを上げたがっていたけど、まだ集団が大きすぎて上手く行かないだろうと伝えた。
学校坂を登って15人程度であれば追いつけるのだが…
中盤
登り口で3分差。おそらく逃げグループのほうが登りが速いので、さらにタイム差は開くだろう。そうは言っても、ここでは自分に出来ることは無いので周りに合わせるのみ。
タイムは1本目と同じ、でもパワーは11W減。
この登りは慣れるほどに省エネでこなすことが出来る。
photo: 前田さん
ここまでにボトルを1本飲みきった。ゴールまでもう1本のボトルで十分に足りそうなので、かける用に水のボトルをもらった。
交差点を右に曲がって学校の登りへと下っていく。Vengeも下りは速かったけどRoubaixも速い。ただ特徴が違う気がする。どちらかと言うとVengeは突っ込める自転車。若干、オーバースピードで入っても曲がってくれる。それに対してRoubaixのほうが慎重な進入を要求されるが、圧倒的に立ち上がりが速い。それだからか、Vengeに乗ってる人は危ない曲がり方をしている人が多い気がする。
下ったあとにヤマケンが飛び出して、先行気味に学校の登りへ。
ここはかなりキツかったけど、前日に試走して昨年と同じタイムで登れていたので精神的な余裕があった。時間だけ見ながら、あと4分、3分、2分…と唱えつつ何とか登りきった。
これで20人、ちょっと多い。
どの登りもキツかったが、身体自体は昨年に比べて余裕がある。過去には、ここからの1時間で逃げを吸収したこともあり、前を捕まえること自体は不可能ではないのだが、なんとなくそこまでのモチベーションも無く…
とりあえず下りでもペースを落とさず、それなりにローテは回していくのだが、中には先頭付近いるのにローテを飛ばそうとして間隔をあけてしまう選手がいる。本当にコレだけは理解しがたい。引きたくなければ上がってこなければいいのに、なぜ邪魔をするのか… 一応言いましたけど。
高江から下った海岸線のこの区間こそ、前に追いつくためには重要なパートだったけど仕方ない。去年より2分以上遅かった。去年は自分が積極的に引いていたせいもあるけど。
海岸線も抜けて後半の坂へと入っていく。
慶佐次の坂、補給所のある坂、ほぼ昨年なみのスピード。ようやく集団もエンジンがかかってきた。
他の集団の人が混じるたびに「先頭グループなので…」とハズれてもらってきた。使えるような集団も無かったけど、一応140kmマスターズはフェアにレースを展開してきたと思う。
しかし逃げとのタイム差は厳しい。ヤマケンが「(逃げの2人は容認して)3位狙いでいいか?」と確認しにきた。残りを自分が死ぬ気で引いたところで縮まって1分というところだろうか?現実的な成果としてRXでは3位狙いに目標を変更した。
終盤
有銘の上りは何とかクリアした…
少しだけ下って次の登りへ。身体がキツイ。もうダメかもしれない。早くこの状態から抜け出したい…
ヤマケンに「もうダメだ。千切れる」と伝えてから千切れた…
が、その少しあとにヤマケンも集団から千切れていた。この状況はRX的にはよろしくない。
なぜ自分は千切れてしまったのか?心拍数を見ても心肺機能には余裕がある。脚をつりそうな気配もない。どこかが痛いわけでもない。
ただツラいだけ…
そこで「もうダメだと言うのは気のせいかもしれない」と自分に言い聞かせながら登ってみたら、実はまだ登れる状態であった。
レース後に、高岡やLEOMOの宮澤監督にこの話をしたら「実際に登れてるんだから気のせいだったってことだよ」と言われた。
一流と凡人の違いは、こういうところにあるのかもしれない。
ヤマケンをパスして再びに集団にジョインして下りへ。小さな登りとカヌチャの登りも無事にクリア。あとは最大の山場となる羽地ダムへ。
毎年遅れるこの登りだけど、さっき登りきれたこともあり意外と気持ちに余裕があった。集団はそれなりのペースで突っ込んでいく。全体で10分近く登るが、本当にキツイのはトンネルまでの3分ぐらい。3分我慢すれば…が出来ずに中盤で4人から遅れる。そこから20秒程度遅れた10人程度の集団で登りきった。
まあ入賞もないし、適当に帰るかとなんとなくローテを回していく。そうすると前から林選手が落ちてきた。ひょっとして逃げグループは近いのかな?なんて思いつつも前へ進む。
中里の交差点をすぎて、この林選手が飛び出す、さらにペダリストの土谷選手が続く。まだ1km以上あるし、長すぎるだろうと思ったけど飛び乗ろう…としたら、前に100kmの大きな集団がいて、2人はその横を使ってさらに前へ。ここからゴールまで選手が続いている。コレは厳しい…
残り距離はだんだんと短くなっていく。残り100m、なんと羽地で逃げたグループも見えてきた!
しかし届かなさそう。その上2人に抜かれる…林選手には届きそうだったのでハンドルを投げたが0.058秒届かずに11位でゴールした。
感想
今年は昨年の4割り程度しか練習出来なかったし、正直なところ完走出来れば十分だと考えていたので結果もレース内容も満足。
しかし、羽地ダムを超えてからも気を抜かなければ、もう少しいい結果を狙えたのではないだろうかという気はする。
結果
11位(241人出走119人完走)
http://www.tour-de-okinawa.jp/PDF/2019/05_result.pdfhttps://www.strava.com/activities/2853794316/overview
機材
自転車:S-Works Roubaix ETAP
- チェーン molten speed wax
- クランク シマノFC-R9100
- パワーメーター:パイオニア SGY-PM910Z
- サイクルコンピューター:パイオニア CGX-CA600
- ジャージ:サンボルト オーダーサイクルジャージ
- タイヤ: GP5000TL(6.5気圧)
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