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J-POPの今を紐解く:現代のJ-POPの魅力と特徴



皆さん、おはようございます。作曲家で大学教員の小松正史です。今日は、最近のJ-POPの特徴についてお話ししたいと思います。

この話をするにあたってのきっかけですが、NHKの「あさイチ」という番組で「家事がはかどる、やる気スイッチをオンにする曲の特徴」、特にJ-POPでどんな曲がヤル気が出るのかのコメントを小松が行いました(2024年5月29日)。普段はあまりJ-POPを聴かない私ですが、この機会に100曲から150曲くらい集中的に聴いてみました。すると、似たような曲や共通点がいくつか見えてきたので、それをシェアしたいと思います。

まず、音楽を分析するには基本的な3つの要素、リズム、メロディ、ハーモニーを理解することが重要です。

音楽の基本要素

  1. リズム
    リズムは時間の中で音がどのように規則的に配置されているかを指します。例えば、1小節の中に4つの四分音符があれば「タン・タン・タン・タン」となります。また、1小節の中に8分音符があれば「タン・タン・タンタン・タン・タン・タン・タン」というように、時間的な構造が変化します。

  2. メロディ
    メロディは歌詞とともに音の高さが時間変遷の中で変化する部分です。音の連なりが水平的に進行するのがメロディです。

  3. ハーモニー
    ハーモニーは和音のことで、2つ以上の音が同時に鳴るとハーモニーが生まれます。メジャーコードは明るめの和音、マイナーコードは暗めの和音です。

メロディの詳細な分析

メロディを分析する際には、主に2つの要素を考慮します。

  1. 時間構造
    メロディがどのようなリズムを持っているかを見ます。例えば、シンコペーションというリズムが早くなるパターンがあります。前のめりになってリズムが変化する特徴があります。

  2. 音程の変化
    音の高さの変化を見ます。音が狭く移動するのか、中くらいの距離なのか、広く飛ぶのか、音程の幅を分析します。例えば、ドからミへの移動は広がりが少ないですが、ドから高いドへの移動は1オクターブの飛躍となります。

最近のJ-POPの特徴

最近のJ-POPにはいくつかの特徴があります。

  1. ハーモニー
    最近のJ-POPでは短調(マイナーコード)が多く使われています。暗めの和音から始まる曲が多く、その後転調して明るくなることもありますが、基本的には暗めの和音が特徴的です。

  2. メロディ
    メロディではペンタトニック(5音階)やブルーノート(ジャズ特有の音階)など、独特な音の組み合わせが使われています。また、Aメロ、Bメロ、サビという曲の構造もよく見られますが、最近はAメロからいきなり盛り上がる曲が増えています。昔の曲は徐々に盛り上がってサビに達する構成が多かったのに対し、最近の曲は最初から盛り上がっているのが特徴です。

具体的な例とさらなる分析

例えば、最近のJ-POPではペンタトニック(5音階)やブルーノート(ジャズ特有の音階)が使われることが多いです。ペンタトニックは、特にアジアの音楽に多く見られるスケールで、シンプルながらもキャッチーなメロディを作り出します。一方で、ブルーノートはジャズの影響を受けたスケールで、独特の深みと味わい(色彩感)を持っています。

また、曲の構造についても興味深い特徴があります。伝統的には、Aメロ、Bメロ、サビという順序で曲が進行し、徐々に盛り上がる構成が一般的でした。しかし、最近のJ-POPでは、いきなりAメロから盛り上がる曲が増えてきています。これはリスナーの注意を引きつけるための工夫であり、現代のリスニングスタイルに適応した結果と言えるでしょう。

例えば、Aメロでいきなりキャッチーなメロディと強いビートが登場し、リスナーを一気に引き込みます。その後、Bメロで少し抑えた展開を見せ、最後にサビで再び大きく盛り上がるというパターンです。このように、最近のJ-POPはリスナーを飽きさせない工夫が随所に見られます。

まとめ

今日は、最近のJ-POPの特徴についてお話ししましたが、これらの特徴を理解することで、より深く音楽を楽しむことができると思います。特にハーモニーの使い方やメロディの構造については、これからも注目していきたい分野です。

次回は、具体的な楽曲を取り上げてさらに詳しく分析してみたいと思います。皆さんも、ぜひ最近のJ-POPを聴いてみて、その特徴を感じ取ってみてください。それでは、今日も良い音楽の一日をお過ごしください。

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