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【作曲論】音楽を探り当てる③〜都会のざわめきに音楽の原点を見つける

生活の中にある音に意識を向けると、思わぬ発見があります。都会の喧騒の中でも、風の音や足音などが新鮮に聞こえてきます。今日はそんな体験をもとに、音楽創作の原点となる音への気づきについてお話しします。日常の中の小さな喜びを見つめ直すきっかけになれば嬉しいです。

都会の中の自然音

こんにちは、作曲家で大学教員の小松正史です。今日は外に出て、京都の中心地にある新風館に来ています。ここはホテルと商業施設が一体となった場所で、とても良い雰囲気です。

都会の真ん中にある新風館は、周りを車の音に包まれていますが、中庭には小さな水の流れがあり、その音がとても心地よいのです。都市の音、例えば車の音が波のように聞こえるのが不思議ですよね。人工音でありながら、新風館の整った環境の中では、まるで海岸の波音のように感じられます。

救急車のサイレンが通り過ぎると、人の声や足音が混ざり合い、さらに複雑な音風景が広がります。都会の喧騒の中にも、自然に近い音が紛れ込んでいることに気づかされます。

クリエイターの目線を持つ

音楽家が音を意識する行為は、他のクリエイターにも共通しています。例えば、絵を描く人も同じように色や形を観察しています。草の動きや色合いの微妙な変化にも気づいているんですね。草の先端が枯れていて根元の方がまだ青い、といったグラデーションにも注目しているのです。

まずは自分の興味のあるジャンルに注目することが大切です。音楽を作る際も、日常の中の音に注意を向けることで、新たな可能性が広がります。良い音も悪い音も含め、様々な音を意識的・無意識的に取り入れることが、創作の原点となるのです。

無益な時間から創造を

現代人は経済的な価値を重視し、生きた感覚=感性の存在を忘れがちです。子どものように好奇心に任せてぼんやり過ごす時間があるのが理想ですね。その「無益な時間」こそ、創造の源泉なのかもしれません。

私も日常の中でちょっとした空白の時間を持つようにしています。たとえば、今のような、新風館でただ座って周りを見渡す時間。そんな時、自然と心が落ち着き、創作の地金が磨かれているのを感じます。

曲を作るときは、今から曲を作るぞ!という瞬間が始まりではありません。その前の助走期間でほぼ決まっています。長い間に取り込んだ音の蓄積が、創作の土台を作っているのです。

まずは簡単なことから始まります。日常の中にある音に意識を向けてみましょう。そこから新たな発見があり、それが創作のインスピレーションになるかもしれません。今日は、新風館からそんなお話をしました。読んでいただき、ありがとうございました。どうぞ素敵な一日をお過ごしください。

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