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明日

「全部が明日消えても構わないくらいには幸せだ」って言える人生に未練はないから、きっとこの苦しみを感じないまま消えてしまいたいんだ

自分がそう思えないから、きっと何をしても「やり残したこと」が脳裏に浮かんで離れないんだ

強めの酒を飲んでふわふわしながらそう考えているから、きっと未練がましい僕は何も手放せない
両耳から入ってくる音楽を肴に、少しばかりの幸せを片手に生きている

最低気温は10度を切った。秋めく夜空が幅を利かせて、熱気を南に追いやっている。
家の窓から見上げれば星が瞬くこの土地は、そこそこ便利な場所であるが故に特別なんだと思う。

自分の行動を振り返って後悔する癖が治らない。
あのときこうすれば、というたらればに支配されながら、毎日仕事に追われているから余計に芽が増殖していく。

君の心がわからないから、僕が迷ってしまうんだ。
そんな僕があまりに他力本願で、本当に厭になる。

結局自己嫌悪から離れられないので、最後の一口を呷って、消えない明日を迎えに行く。


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