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言語の壁。と、場所の引力。

先日、きこえないママのおはなし会に参加した。ちょっとした冒険心だ。どんな世界なんだろう、と少しドキドキしながら申し込んだ。

主催者の松本まつりさんは、きこえないママ✕まちプロジェクトの代表をされていて、きこえないママがきこえる人とつながっていける場づくりをされている。
事前のやりとりで、ちょっとでも手話をおぼえていきます!と力んでいる私に、ホワイトボードもあるのであまり気負わずにいらしてくださいね。と返信をしてくれた。とても素敵な人だ。

This is the 言語の壁!

参加者は、私と主催者のまつりさん以外に3名。手話初心者もいると予想したが、聴者の方もみんなめっちゃ手話が流暢だった!ひー!!片言の手話もできない私は、必然的に、きく側にまわる。汗、汗。

あれ?なんかこの感じ前もあったな。まわりの人が何か伝えようと何か言ってるんだけど、自分の言葉が出てこない、この感じ。そうだ、初めて一人でアメリカに行った時だ。スーパー早口英語ですすむまわりの会話に、うなずくしかなかったあの感じ。

そうか、手話は言語なんだ。と、頭ではわかっていたことを体感した瞬間だった。言葉をもたない、伝えられない、理解できない苦しみ。

ふだん何気なく会話を交わしているけど、
コミュニケーションできることって、
それだけで尊いんだな。

口話やホワイトボードを駆使したり通訳してもらいながら、その後なんとなく会話ができた。が、やっぱり消化不良。もっと手話ができたらと、自分がもどかしく、もやりとしたものが残った。

偉大なる、場所の引力。

その後、ラッキーなことが起こった。私がお世話になっているこまちカフェの予約をしていて今からランチに行くよと伝えると、時間のあった2人と2歳のお子さんも一緒に行くことになった。今日初めて会った人と、流れでランチへ行く。ウキウキする展開だ。

もともと、きこえないママのプロジェクトはこまちカフェの事業の一つで、先月もこまちカフェでサイレントカフェというイベントが開催されていた。音声以外の手段でコミュニケーションをとる企画で、とても盛り上がり、最終的に誰が聞こえない人かわからなかったそうだ。

ランチでは、深い話をするわけでもなく、むしろ何の話しをしたかなんてすっかり記憶にないくらいたわいない話をしたように思う。ただ、そこに一緒にいて同じランチを食べたこと。それだけで充分だった。壁は、とけていった。

先日みた映画「ラプソディオブcolors」の出演者の星さんが、私の書いたnoteを読んで、コメントしてくれた一文を思い出した。
”その場に参加すると、誰が障害者かとか関係ないんですよね”
”そして居合わせた人と自然な関係ができる。場の引力のなせる技”

場が人をよび、そこにありのままいるとつながりが育まれていく。

新しい出会いにワクワクしている。




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