『世の中は偶然に満ちている』これは赤瀬川原平の著書のタイトル。一昨日図書館で借りてきて、昨日パラパラ読んでみた。
僕は偶然が好きだ。偶然を信じてると言っても良い。偶然の影響を好んで受け入れて生きている。予想外のタイミングで発生して、突如として運命の軌道を変えてしまうもの、それが偶然だ。
僕はマイアミという名前で活動している。ちょっと変な名前だから初対面の時は、相手も僕も困ることがある。たまに、名前の由来を聞かれるけど、「由来」という程のものは特にないから、その都度、返答に困る。本家「マイアミ」はインディアンの古い地名らしいから、北海道のアイヌの地名の「札幌」とかと似てる。
かつて東京の、とある美術予備校に通っていた頃、クラスメイトのアパートの部屋に集まって、3人で酒を飲みながら「自分たちもアーティストネームが必要なんじゃないか?」と言って、冗談半分にお互いに名前を付け合っていた時の事。他の2人は「ハム」「ガム子」など、ふざけた感じの適当な名前が付けられていた。同じ様に、僕も「お前はマイアミ」と、何の脈絡もなく名付けられた。でも、それは案外良い響きだった。その「命名遊び」はあまり盛り上がらなかったんだろう。他に候補も上がらず、その場は終わった様に思う。そんなだから、僕自身とマイアミという地名とは、なんの関係も脈絡もない。友人の咄嗟の思いつき、というだけしか、説明しようがない。
『世の中は偶然に満ちている』は一昨日、京都市図書館で借りて来た本だ。「千円札裁判」の事が知りたくて赤瀬川原平の著書を調べていて、みつけた。「千円札裁判」とは直接関係ない本だったけど、面白そうだから予約して借りたのだ。序盤から、序文から面白い。極め付けに面白かったのが以下の偶然。
この偶然が凄すぎて興奮した。自分も偶然日記を付けてみようかと思った。赤瀬川さんにとってもこの偶然のインパクトは凄かったらしい。1981年の元日から「今日の偶然」という偶然日記を付け始めている。そこには短い「夢日記」も併記され始め《夢》と、【偶】という、二種類の記録が記される事になるが、なかなか「虫」のエピソードを超える偶然は起こらない。「他にも読まなきゃいけない本も沢山あるし」と思った。適当に開いたページの、一番最初に目についた偶然を読んで最後にしようと考えた。それで本の真ん中ぐらいのページをパッと開いた。一番最初に目に入ったのが1991年4月30日の偶然日記だった。そこに書かれていたのが以下の偶然だ。
僕は、本当に驚いた。