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ガチ熊嵐 今年の熊の出没理由や日本の熊の行政上の問題点や熊の興味深い変化について調べてみた。

今年の熊の出没状況

テレビでもネットでもクマが話題騒然。各地で出没し、人身事故も多い。


熊の被害が今年はうなぎのぼり


https://news.yahoo.co.jp/articles/8895ae013b811fd3d8e14c2c342e85ad7822c2b3?page=1


今年の出没の理由

今年は北海道はドングリが不作。

東北においても令和5年度のブナの結実状況については大凶作とのこと

熊はドングリが食べられないため、里に降りてこざるを得ない。
ドングリの豊凶については香川県でおこなわれた調査でも以下のとおり。年によって大きな差がある。ドングリの種類にもよるが豊凶で5倍くらい差がある様子。

注:cは山桜なのでどんぐりではない。

これはどんぐりだけではなく様々な植物でみられる、隔年結果と呼ばれるもの。果樹栽培だと蜜柑が有名である。

不作の年は熊は里におりてくる可能性が高い

いつまで危険?

熊は凶作の年は11月頃に、豊作の年は12月頃に冬眠に入いる。だからもう少しで出没しなくなるのではないか?

狩猟生活 VOL11 2022 より

捕獲について

大騒ぎになる数頭の影で、熊は大量に捕獲されている。
2013~2022年の10年で4万頭にものぼる。

電凸騒ぎになる数頭の影で熊は数千頭駆除されている
秋田や北海道だけではなく様々な県で捕殺されている。

ソース クマ類の捕獲数(許可捕獲数)について [速報値]【都道府県(知事許可等)】【地方環境事務所等(大臣許可)】
https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort12/capture-qe.pdf

生息頭数について

北海道においてはヒグマの絶対数は増えてる

https://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/like_hokudai/article/29469 

他県のツキノワグマについては全国的な頭数の推計資料はみつけられなかったが、捕獲頭数からみて増えてると思われる。

なぜ増えているのか

原因の一つは春グマ駆除という制度が廃止になったかららしい。
 春グマ駆除とは、その名の通り春に熊を狩ること。北海道においては今の熊の猟期は10/1~1/31までだが、1990年までは冬眠明けの熊を狙う、春グマ駆除制度があった。

更に昭和41年度からは、ヒグマの生息数を積極的に減少させるため「春 グマ駆除」を開始しました。春先は草木が繁茂する夏以降に比べて見通しが良く、また、 積雪があることから足跡の追跡もしやすく、安全で捕獲効率が高いことから、この制度 による捕獲は積極的に実施されました。この春グマ駆除は、捕獲に対して奨励金を支給 するヒグマ捕獲奨励事業が終了した昭和55年度以降も継続されましたが、次第に狩猟 も含めて捕獲数が減少するとともに、地域によっては絶滅が心配される状況となりまし た。道内での世論も次第に保護を求める声が高まってきたことなどから、「春グマ駆除」 は平成元年の春に実施されたのを最後に廃止されました。

https://www.pref.hokkaido.lg.jp/fs/6/5/1/7/0/6/1/_/higumataisakunotebiki202103-02.pdf

春グマ駆除
○ ヒグマによる人身等被害の未然防止を図るため、昭和41年から有害駆除の特例的 な措置として行われた、融雪期におけるヒグマ駆除。
昭和38年に導入した捕獲奨励制度の徹底を図るために、捕獲の比較的容易な融雪 期の駆除補助制度も導入。
○ 許可基準(昭和50年度以前は不明)
※資料として制度ごとの比較表を掲載
 昭和51~62年度
  人 員 制限無し
  頭 数 1人3頭
  期 間 3/15~5/31
  区 域 対象市町村(隣接市町村含む) 又は山系別
昭和63年度、平成元年度
    20名以内
    1人1頭
    4/11~5/10
    支庁管内一円
◎ 制度導入当時に比べ人畜等の被害が減少してきていること、ヒグマの捕獲数が長期 にわたり漸減傾向にあること、また、全道5つの地区のうち一部で分布域の縮小化が 見られることから、制度の見直し及びヒグマの適切な保護管理が求められ、平成2年 3月に「春グマ駆除許可事務手続き」は廃止。

https://www.pref.hokkaido.lg.jp/fs/6/5/1/7/0/6/6/_/higumataisakunotebiki202103-07.pdf

北海道においては1990年に廃止。他県でも、春クマ駆除制度反対のホームページがあったことから存在した様子。
このような制度がなくなってからヒグマやツキノワグマが増えるようになった。

他の原因として経済性の低下もあるらしい。
熊の毛皮は使われなくなり、肉も他の美味しい肉がある。かつては熊の胆が漢方薬として非常に珍重されていて、昭和60年で一つの熊の胆が60万円ほどした。しかし現在は熊の胆の成分が完全合成され、また中国からの輸出もあるのでそこまでの価値はない。これでは猟師は危険の多いクマを狙わないだろう。

熊は肉食化してる

ヒグマ、ツキノワグマとも食性は植物食に偏った雑食である。
ただし、北海道のヒグマは元々肉食がもっと強かったのに、明治期に急速に草食化した。以外なことに北海道のヒグマはあまり鮭を食べることもしない。これは熊がエゾシカを捕食しすることは難しく、明治以前は狼が倒したエゾシカを食べていて、狼が絶滅したので肉食をやめたという説があった。
しかしここ20年ほどエゾシカをとるヒグマが増えているとのこと。
また秋田のツキノワグマによる十和利山熊襲撃事件でも前もって肉の味を覚えてないと起きない事件だと識者は述べている

熊をどうすべきか

北海道は入念なヒグマとの管理計画を立てているが、このヒグマの出没具合だと、道民から共存は無理との声があがるだろう。他県においても同様ではないだろうか。
各県はもう一度春グマ駆除制度を復活して頭数を絞り込んでもいいのではないか?例えば北海道であれば1990年当時は絶滅が危惧されたため制度が廃止になったが、現状からその頭数まで絞込んでも絶滅は起きないことは確認されたわけだ。
あと私見だが、狩猟の監督官庁が環境庁なのが問題なのではないか?
環境庁はどうしても環境保護、自然保護、つまり人よりはクマを重視する政策を選んでしまうような気がする。
山に動物が増えて、クマが肉食化していく。それにつれて今のような人に遭遇しての事故ではなく、人を狙うクマが生まれるかもしれない。そうしたら今の比ではない悲劇がおきるはずだ。



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