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心地よい違和感を求めて

新ギャラリースペースの移転再開プロジェクト、と称して、この度初めてのクラウドファンディングに挑戦しています。

【2021年2月/表参道】ギャラリー「tentplant」を再開したい!【1月11日締切!】

期間は自分なりに絞り込んで、年末年始を挟んだ3週間ほどの設定にしてスタートしたところ、ほぼ同じタイミングで全国的に寒波が押し寄せてきて、それにもよるのかコロナ感染者が激増しています。

年末には東京都内の感染者が1000人を超え、新年を迎えた今、2000人を超え、2度目の緊急事態宣言が発令される事態になりました。

心機一転、これから新スペースでギャラリー運営を再開しよう!と意気込んでる立場から言うと、厳しい状況であるには違いないんですが、もしかすると、この宣言下で外出が自粛要請されるということは、おうち時間が増えて、「Netflixの間にクラファンでもやってみるか。」みたいな気持ちになり、記事に触れるきっかけが実は増えるんじゃないか、などと前向きな気持ちになってもいます。

というのもスペースの再開時期は少し先で、2月後半から3月という予定にしているので、春に近づくに連れて感染者も減ってくれることを願いつつ、しばらく冬眠していた熊が冬眠から目覚めるかのように、人々が活動し始めてくれるといいな、と期待したりもしています。

おかげさまで、クラウドファンディングはまだ目標額には達成できていないものの、リターンにしているスペース利用割引券は好調で、3月は概ね予約が埋まりそうな状況です。時期的にも、コレクションシーズンなので、ここでの発表時期を逃すわけにもずらすわけにもいかないと考えてるブランドさんも多いように感じます。

ファッションブランドのデザイナーであり経営者でもある方々の活動を見ていると、当たり前なことですが、とても慎重に「時期」を見据えながら仕事をされているなぁと感じます。

1年をSSとAWという大きくふたつの時期に切り分けて、それらの空気を読み取りながら、時代や世間の流れを読み取りながら、自身の制作活動に向き合い、かつそれを販売するところまで手掛けます。そしてまたそれらの納品と次のコレクションに向けてまた制作と向き合う。そんなサイクルのようです。

一方、建築やインテリアの空間設計がどう完成していくかと言うと、もちろん時期も、空気も、時代も読み取りながら制作に向き合うわけですが、その期間、いわば時間軸のようなものが特に建築は大きく異なります。

それは制作する期間もそうだし、それが消費されていく期間と言っても良いかもしれません。
これはどちらが良いとか悪いとかいう話ではなく、クリエイティブに向き合う考え方や経験として、時間軸に対して両方の側面から思考できることがあるということが大切なんじゃないかな、と思うわけです。

新しいスペースができたらやってみたいことのひとつとして、ブランドと建築家のコラボ企画というものがあります。店舗内装のデザインということではなく、もっと瞬間的で実験的なコラボレーションかもしれません。

あまりお互いが自身のフィールドで実践したことがないようなクリエイティブを、ケーススタディとしてやってみたい。そんなことを考えて最近はブランドの方々と意見交換をしたりしています。そのコラボ期間は短くてよくて、いわゆるポップアップとインスタレーションの合わせ技みたいなイメージをしています。

通常、ギャラリーでのレンタル期間は3日から1週間程度に集中しています。そんなポップアップの連続を見ていると、そこで行われる展示によって空間の世界観がガラリと変わり、瞬く間にそのブランド色に染まって感心してしまうことがあります。パッと咲いたかと思うと、期間終了と同時に消え去り、今度はまた次の展示で別の新しい花がパッと咲く。その変わっていく様子がシーズンごとに見られるのがスペースを運営していて楽しい面でもあるのかもしれません。

ギャラリースペースそのものの内装デザインは私が手掛けていますが、各々の展示会の設営は基本的にはブランドさんにお任せしています。その関わりつつも少し引いて、客観視できる部分がまた楽しい所でもあります。

新スペースでは、そんな心地よい違和感とも言うべき、自分だけではきっと成立し得ない空間体験を多くのみなさんにも味わってほしいな、と感じています。その他にも、垣根を越えた空間のケーススタディを考えてもいるので、ぜひ楽しみにお待ち頂きたいと思います。

今はまず、コロナの収束が優先ですが、新しいスペースでは、そんな新しい体験やきっかけが生まれる場所を新しい形でサポートしていきたいです。決して大きなスペースではないので、壮大な企画はできませんが、展望は壮大で、それに向けた実験室的に何かこれまでとは違うことに取り組んでみるにはちょうど良いサイズだと思います。

そんな場所作りに、ご参画・ご賛同頂ける方は是非ともご支援頂けると嬉しいです。こんな事をやってみたらどうか、という意見も歓迎です。多くの思考と体験が詰まった空間づくりを目指したいです。

皆様からのご連絡を楽しみにお待ちしております。よろしくお願い致します。

tentplant代表 高橋将章

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