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障害の受容

先日、無事に退院しました。
まだリハビリは続きますが、関係各位、励ましの言葉を頂きました皆様へ、御礼申し上げます。

以前、結婚を控えたプロの女性バレリーナが、交通事故に遭い、障害を負った話のエピソードを聞いた事がある。
その障害を負った女性は、再び、バレエの世界へ一歩踏み出すまでに 1 年かかったという。生活や周りの目が一変する状況を受け入れ、再び自分らしさを取り戻すまでの道のりは、決して容易ではない事が想像された。

Cohn(1961)は、「障害の受容」を段階的に、第1に「ショック」、第2に「回復への期待」、第3に「悲哀」、第4に「防衛」、第5に「適応」と分類している。

障害を乗り越えるプロセスで、「自分が生きるために」といった何かしらのモチベーションが大切だろう。

私の弟は小学校 1 年生の時に「ペルテス病」という足の病気を患った。ペルテス病とは、小児において股関節が破壊される病気で、原因は股関節に近い大腿骨上部の成長板への血液供給不足とされている。症状は股関節痛や歩行困難とされ、私の弟も、「歩く」という行為が不可能となり、車椅子の使用や装具を着け、入院してのリハビリ生活を余儀なくされた。病気以前は、幼稚園での運動会での短距離走で 1 位を取ったりするなど足が速く、活発に遊ぶ様子を見ていたため、不憫でならなかった。
そして約 1 年後、親元を離れた入院生活やリハビリの末、晴れて退院となった。弟が、以前のように歩けるようになって家に帰ってきた時はとても嬉しかった。彼がどのようなプロセスで、障害の受容を辿ったかは定かではなかったが、側から見ていて、家族の支えや励ましなどがきっと原動力になったと推測される。

私自身、障害を負った経験はなかった。

そう、つい最近までは。

受傷前は、将来、何らかの事情で周りの助けが必要となった時に、強がらず、周囲へサポートをお願いする事で、障害の受容を少しでも軽減できればと考えていた。

実際に、私自身が骨折を経験して助けが必要な立場となった。

決して強がってはいない。

「あぁ、この時がきたんだな」と受け入れるしかなかった。

ショックというよりも、それだけ体が無理をしていたんだな、と認める気持ちが大きかった。

大きな動揺が無かったのは、家族や、友人、知人、応援してくださる方々、行く先々での気遣い、入院中に感じた人の優しさを感じた存在が大きい。

今回、サポートされる側を経験して、どうサポートされると安心なのか、気持ちが和らぐのか、客観的に学ぶ事ができた。
人間として、福祉人としての視野、寄り添いに活用する所存である。

自分らしさという点では、音楽の存在が大きい。
入院中はギターは弾けなかったが、作詞作曲を進めていた。
また、2/19へのライブ出演が決まっていたため、退院する目標となった。

まだリハビリ中の状態だが、主治医や主催者の許可を得たため、日曜日のライブへ出演する予定だ。

嬉しい事に、予約をもらったり、配信で見るよと言ってくださるファンの方がいる。

私の音楽を楽しんでもらえる存在に感謝して、めいっぱいのステージをお届けしたい。

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2/19(日) 池袋Living bar FI5VE:
神木まりな ワンマンライブ「歌って喋って笑いまSHOW‼︎Vol.4」

ゲスト:近藤美奈実(89's CANTARE)/ふじのまさあき 

17:30op.18:00st.

※19:20〜出演します。

無料ライブ配信(第一、二部)
https://youtu.be/ZLqvWGNYNRI

応援チケット
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01enug93g2v21.html

《参考文献》
Cohn, N., 1961, Understanding the process of adjustment to disability, Journal of Rehabilitation,
27 pp.16-18

MSD マニュアル家庭版「レッグ・カルベ・ペルテス病−23. 小児の健康上の問題」
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/23-小児の健康上の問題/小児における骨の病気/レッグ-カルベ-ペルテス病(2023、2月 17日閲覧)

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