年始のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。

皆さま良い年末年始をお過ごしになりましたでしょうか。

私は家族とゆっくりトレッキングをしたり、普段できない料理を楽しんだりして過ごしました。

本日でMeta社に入社して2年を迎えました。昨年の年始のご挨拶でもご紹介しましたが、当社には入社した日と記念日として、社員を盛大に祝うカルチャーがあります。

この入社記念日をこれまでFaceversary(Facebook + Anniversary)と呼んでいましたが、社名変更に伴って、こちらもMetaversary(Meta + Anniversary)と言うようになりました。

1年目のMetaversaryはオンラインでしたが、今年はオフィスでお祝いしていただきました。

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さて、昨年は、引き続き新型コロナウイルス感染症が社会と経済に大きな影響を及ぼした1年でした。一方で、当社も、Facebook社からMetaへとコーポレートブランドを変更し、メタバース構築の実現に注力するという、創業以来の大転換を図った年であり、私にとっても大きな変化のあった年として記憶することになると思います。入社2年目を迎えた今、改めて昨年を振り返りながら、年始の所感を紹介したいと思います。

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メタバースの実現に向けて

メタバースとは、物理的距離が離れていても、人々がともに創造し、探求することのできる仮想空間であり、友人や家族との何気ない時間、仕事、遊び、学び、買い物、創作活動などを楽しむことができる空間です。現在、FacebookやInstagramなどオンライン上で実現されているさまざまなソーシャル体験を掛け合わせたようなもので、時には3次元に拡張されたり、物理的な世界に投影されたり、仮想空間と現実をシームレスにつなぎ合わせ、あるものから別のものへと簡単に移動できるようにするもの、という説明ですとイメージできますでしょうか?

メタバースはモバイルインターネットの後継でもあると考えています。過去10年の間に、インターネットの世界は、デスクトップを中心とした世界からモバイルインターネットへと移行しました。Facebookも元々はPCのブラウザーベースでサービスの提供が始まりましたが、現在の利用は、スマホのアプリがほぼすべてといっても過言ではありません。そして、同じような変化として、次の10年で、モバイルインターネットからメタバースへ移行していくと捉えているのです。

また、「インターネット」が特定の企業や団体に属するものでないように、メタバースも当社のみで構築するものではありません。メタバースもオープンなものであり、様々な企業やクリエイター、開発者等が様々な形で協力しあいながら、実現していくことになるのだと思います。また、利用者にとって安全・安心な空間であることは大前提となるので、健全性や安全性、プライバシーなどを考慮し、政府やアカデミアの方々とも協力しあいながら、メタバースにおける問題や機会について、十分な検討を重ねていく必要もあると認識しています。

社名を変更し、メタバースへ注力するという方向性は示しましたが、メタバースの構築に向けた取り組みはごく初期の段階です。メタバースの構想が実現するには、少なくとも今後5年から10年はかかると考えています。ですが、少しづつその世界を体験できる機会は増えてくるでしょう。例えば、当社では、Quest 2を装着し、社内の会議でバーチャル会議用のタイトル「Horizon Workrooms」を使うことが増えてきましたが、オンライン会議ツールとは異なり、バーチャルで同じ空間を共有する臨場感を体感できます。すべての会議を「Horizon Workrooms」に置き換えることはまだできませんが、こういったメタバース体験は今後様々な場面で増えてくると思います。当社としては、皆さんがメタバースを体験する主な方法は、しばらくの間は既存の2次元のアプリが中心になると考えており、当社としても、当面は、2次元の画面上のアプリから、より没入感のあるメタバースのバーチャル体験へと橋渡しする仕組みを構築することに注力していく予定です。

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コミュニティの重要性を再認識

社会へ目を転じると、昨年は引き続き、新型コロナウイルス感染症が日々の生活に影響を与えた1年でした。その中で、お互いが助けあったり、コミュニケーションを図ることの重要性が再確認できたと思いますし、Metaとして貢献できるエリアが非常に多いと認識しています。

例えば、昨年東京で開催された国際的なスポーツ大会では、新型コロナウイルス感染症の影響により、ほぼすべての競技が無観客で開催されました。その間、参加しているアスリートはInstagramやFacebookの多様な機能を活用して、ファンと直接つながっていました。実際、期間中に国内外のアスリートが投稿したInstagramスト―リーズは計30万件以上にのぼり、また、期間中に日本のアスリートが獲得したフォロワー数の合計は575万に達するなど、Instagramはアスリート個人とファン、ファン同士をつなぐうえで、大きな役割を果たしたと言えるのではないかと思います。

Metaへと社名は変更しましたが、「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する」というミッションに変更はありません。今年も、様々な機能や取り組みを通じて、多様なコミュニティを支援していきたいと感がています。

高まるクリエイターの役割

Instagramは昨年11月、国内初となるクリエイター向けのイベント「INSTAGRAM CREATOR DAY IN JAPAN」を開催し、Instagramというコミュニティにとって非常に重要な一員であるクリエイターの皆さんが、より活動しやすい環境を提供できるように、そしてInstagramで新しいキャリアの可能性を切り拓けるよう支援することを示しました。

今後、メタバースへの取り組みが拡大するにつれ、クリエイターには今までにはなかったような大きな機会が生まれると思います。Metaはメタバースにおいても、クリエイターに経済的にも技術的にも開かれた世界の実現を目指しており、一緒にメタバースを構築していきたいと思っています。実際、Metaでは仮想空間で交流したり遊んだりすることができる「Horizon Worlds」というVRアプリを米国・カナダの18歳以上の利用者にベータ版の一般提供を開始したのですが、このアプリではクリエイターが独自に体験を作成でき、すでに多くのクリエイターが独自の体験を作成・提供しています。この動きを後押しできるよう、Metaではクリエイター向けに総額1000万米ドルの基金を設置しました。

歴史を振り返ると、文化はその時代に生きたクリエイターが生み出してきたものだといえます。プラットフォームを問わず、Metaはクリエイターの支援を強化し、新しい体験を利用者に提供していきたいと思います。

中小ビジネスのデジタル化支援

現在、新型コロナウイルス感染症は日本では少し落ち着きをみせていますが、新しい変異株の登場など、依然として予断を許さない状況です。一方で、現在進行形で進むデジタル化の流れは止まりませんし、コロナ禍を経て消費者の行動は大きく変化しており、沈静化に向かった場合でも、ビジネスは新しい消費者行動に対応するため、否応なくデジタルに対応していくことが求められます。

これまでも、様々な形で中小ビジネスを支援してきており、昨年は東京都の後援のもと、都内を拠点とする中小ビジネスと利用者の出会いを創出するイベント「INSTA MIKKE TOKYO」を開催し、多くの中小ビジネスに参加いただきました。また、このイベントを機にInstagramをビジネスで利用開始し、成果を上げている声もいただいています。

また、Instagramの地図検索機能アクションボタンを美容サロン予約に拡大するなど、機能面においても中小ビジネスを支援する取り組みを継続的に行っています。新型コロナウイルス感染症によって大きな影響を受けている中小ビジネスが、デジタルに対応したビジネスを推進できるよう、今年も注力してまいります。

ハイブリッド型のワークスタイルを推進

新型コロナウイルス感染症の影響が広がった2020年3月から日本法人のオフィスをクローズし、約1年半の間リモートワークを続けてきましたが、様々な指標を熟慮し、11月下旬からオフィスへの出社を可能とする判断を下しました。

私自身、就任直後からリモートワークを余儀なくされ、社員とのコミュニケーションはオンラインのみだったこと、また、昨年、六本木から虎ノ門へとオフィスを移転していたのですが、長期間使用できずにいたこともあり、新オフィスで社員と交流できることを心待ちにしていました。

リモートワークでも業務自体は生産性を維持しながら継続することはできていますが、一方でオフィス勤務の中でみられたちょっとした会話が生み出す価値の重要性も痛感しています。このような会話は企業のカルチャーを維持したり、社員のモチベーションを維持するためには不可欠のものだと思いますし、先ほどVR上での会話の例をご紹介しましたが、このような新しいテクノロジーよって、オンラインでできることも増えてくると思いますが、オフィスで対面で会話をすることの意義が失われることはないとも感じています。

オフィスは再開しましたが、リモートワークを希望する社員はそれを継続することも可能です。リモートワークの環境は今後もさらに進化すると思いますし、そのメリットを活かしながら、オフィス勤務ならではのメリットをかけ合わせていくハイブリッドな働き方が今後の主流になっていくと思います。様々な課題も出てくると思いますが、一つずつ対処していきながら、新しい働き方を見出していきたいと考えています。

Metaでの3年目がスタート

いよいよMetaでの3年目がスタートします。メタバースの構築という新しく、大きな方向性が明確になった今、その実現に向けてOne Team(ワンチーム)で前進していきたいと思います。そして、繰り返しになりますが、メタバースは当社のみで構築するものではなく、様々なパートナーの皆様の協力が不可欠です。より多くの方々と会話を重ねながら、共に歩んでいきたいと思います。

最後に、最も重要なこととして、皆様が当社プラットフォームを安全安心にご利用いただけることこそが大前提です。様々なお声に真摯に対応しながら、イノベーションを追求し、新しいつながり方からうまれる価値を提供していきたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いします。