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PolygonがネイティブトークンをMaticからPOLに変更した理由

PolygonがネイティブトークンをMATICからPOLに変更することを決定しました。

Polygonを利用しているユーザーは、このニュースに驚いたのではないでしょうか。

POLはすでにイーサリアムのメインネットにローンチされています。

https://etherscan.io/address/0x455e53CBB86018Ac2B8092FdCd39d8444aFFC3F6

イーサリアムを利用する時、多くの人がガス代を節約するためにL2のpolygonを検討すると思います。

私もその一人です。

このニュースを聞いて、現在所持しているMATICやMumbaiにも変更が生じるかもしれないと思い、色々と調査しました。

結論から言うと、

現在所持しているMATICには影響はありませんので、ご安心ください。

validatorや開発者にも影響はありません。

今回の変更の経緯について詳しく調べたので、その中の情報の一部を共有します。よろしければ、以下の記事もご覧ください。

今回、Polygonがネイティブトークンの変更を決めた理由は、

Polygon 2.0

のアップデートのためです。

Polygon 2.0は、既存のPolygonのアップデート計画です。

Polygon 2.0の最終的な目標は、

インターネットのようなメッシュネットワークのトポロジーに似た形で、イーサリアムのブロックスペースを拡張することです。

具体的には、

ゼロ知識証明テクノロジーを利用して、イーサリアムのブロックスペースをブロックチェーンの歴史上初めてインターネットのサイズにまで拡張する予定です。

ネイティブトークンをMATICからPOLに変更するのは、このPolygon 2.0の目的のための長い道のりにおける、フェーズ0に該当します。

フェーズ0は、すでにPoSチェーンやzkEVMチェーンを利用しているエンドユーザーや開発者には変更がないことが保証されています。

つまり、現状ではMATICのホルダーや開発者は何もする必要はありません。

今回導入されたPOLは、

OpenZeppelinのERC20実装上に構築されていて、MATICと同じ機能を多く持ち、署名ベースの許可承認としてEIP-2612をサポートしています。

機能としては

  • ステーキング

  • コミュニティ・オーナーシップ

  • ガバナンス

が有効になっていて、zkベースのレイヤー2チェーンのエコシステムに対応できる次世代トークンになっています。

PIP-17のドキュメントにはPOLのコードも記載されているので、Polygonを利用する開発者は必ず読んでおきましょう。

シンプルなコードなので、Solidityの実装経験があれば、問題なく読めるはずです。また、ERC20Permitの処理を利用したことがない人は、この機会に学習しておくことをおすすめします。

Polygon 2.0のビジョンの中核は、すべてのPolygonチェーンがZK L2になることです。そのための手段として、zkEVM Validiumが利用されます。

これが実現すれば、

  • 高価なイーサリアムガス、すなわち取引データを保存するためのブロックスペースを消費しないため、手数料が大幅に安くなる

  • スケーラビリティが大幅に向上する

ことが可能になります。

これにより、web3ゲーム、ソーシャルDeFi、マイクロDeFiなどの、トランザクション量が多く、低いトランザクション手数料を必要とするアプリケーションが恩恵を受けます。

現在、web3は生成AIに隠れてメディアから消えてしまっていますが、ステーブルコインの開発など、水面下ではかなり技術が進化しています。

そろそろ本格的な実用フェーズに入りそうなので、開発者はキャッチアップしていくのにとても良い時期にきていると言えるでしょう。

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