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J-REITにおけるコロナの影響、買い入れタイミングを考える

コロナの影響で経済全体の影響が懸念されていますが、J-REITも同様に影響を受けています。正直、市場がコロナによる実経済への影響を織り込めているかは懐疑的で、今後も底値を探る展開は続くと考えます。

底値を推測することは難しい状況にありますが、J-REITの現状、および今後の買い入れ指針を考えていきたいところです。

コロナの影響を受けたJ-REITの現状

コロナの影響を受けてJ-REITの価格も急落し、東証リート指数は一時(3月中旬)1,200を割り込みました。2020/02時点では2,200以上あったことを考えると、この1ヶ月で最大45%急落したことになります。

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全体平均のNAV倍率も1を割り込む水準まで来ています。
NAV倍率は 投資口価格 / 一口あたり純資産額 で割り出されるので、不動産の評価額に対して市場で取引される価格がどれくらい乖離してるのかを確認できます。
1を割り込むということは、土地の評価額が市場で評価されている額を上回っていることを意味していて、リートが比較的割安であることを意味しています。

2020/01時点では1.24あったNAV倍率ですが、3月終わりの時点では全体平均0.8近くになっていることが計算できます。これは2011/12以来の数字でNAVの下降率で見たら、歴代1の数字になると思います。(定かではありませんが)

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日銀がETFの買い入れ額を増やすなど経済政策を打ち出すことで、何とか価格の下落を食い止めようとしていますが、今後実経済への影響が顕在化されるにつれて投資家心理が動き、取引価格が下がっていく可能性も十分にある状況です。

買い入れタイミングの考察

ただ、良い投資家は底が分からない中でも売られ過ぎていることをジャッジして買い足してくことをします。
REITにおいて、この売られ過ぎ感を判断する時にはまずNAV倍率を意識することが重要です。前述した通りここ1ヶ月のNAV倍率の下降率は歴代でも1位を記録していることから、今が長期的にみてお買い得だということは間違い無いと思います。

ただ、REITには解散リスクがあります。会社で言ったら上場廃止や倒産といったところでしょうか。解散すると、その時に設定される基準価格を元に売却する必要があるみたいです。解散以外にも他のリートに買収されるケースなども存在し、保有していた資産が減る可能性があります。

まだ私は解散したJ-REITを見た経験が無いのですが、NAV倍率でいうと0.15前後になるとその可能性もあるらしいです。(金融関係の友人が言っていました。)

底が分からない状況ではあるので、解散リスクを見極めながら長期的に買い入れていくことを推奨します。3月の中盤から5月くらいまでは仕込んでも良い時期ではないかと個人的には感じます。毎週、毎月と平均取得価格を調整していきNAV倍率が低い状況を保っていきながら、価格の上昇を待つことが大切に思います。


何を持つべきか?

個人的には自分が買いたいものを買えば良いと思いますが、各リートのポートフォリオを見ていくことが重要です。
所有する不動産ごとに、景気に左右されやすいレベルが異なります。ホテル>オフィス>ロジスティクス>住居 という順に景気に左右されやすいです。

ホテルのリートを見ていると、NAV倍率0.5を下回るものも出てきています。コロナの影響でインバウンドの需要が激減したこと、自粛要請などにより旅行需要が減ったことでホテルのリートもかなり苦しい状況にあることは間違い無いです。実態に伴った価格の下落と言ってもおかしくないです。リートとして運用している不動産が収益力を失っている状態なので、今これらのリートに資産を預けることはリスクになると私は考えます。

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一方、住居を中心にポートフォリオを構成しているリートは収益力はそこまで落ちないことが想定されます。それにもかかわらず経済悪化の影響を受け、大幅に値下げされている銘柄がいくつもあります。

そこで今回は私がもっとも信頼する積水ハウス・リートの現状を少し紹介します。

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住居の割合が5割近くあり、収益力が安定していますが、それでも大きく価格を落としました。価格が下がったことにより、配当利回りが一時7%近くになり非常に投資対象としては魅力的になっています。

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私もここ最近いくつかポジションを確保していますが、今後は6万前後の平均取得価格を意識しながら買い足していこうと思います。6万~6万5千程度で取得することができれば、配当利回り5%を維持することが見込めます。物件の収益パフォーマンスの悪化が配当金に影響することも考慮されますが、上述の通り住居系の物件の割合が高いため、限定的な影響で済むと考えます。

経済全体、REIT全体の影響を受けて価格を下げていましたが、実際の収益力はそこまで下がらないと予測される銘柄です。このギャップをついて、今のうちにポジションを取っていくのが良いのではないでしょうか。

また、短期的に見れば、4月末に配当確定するのでそこに向けても価格が戻ってくる可能性があります。(コロナの影響に左右されるところはまだまだ大きいと思いますが。)


実際に積水ハウスリートの所有物件をいくつか見ましたが、他のリートの物件と比較するとコスパがかなり良いです。(一利用者としての観点ですが。)不況が続いても積水の物件の需要は下がらないと推測するのでお勧めします。

終わりに

経済の状況は非常に厳しいですが、こういう時こそ市場の心理に振り回されず長期的なプランに基づいたポジションの確保を行っていくことが大事だと思います。

皆が安心して生活できる日々を待ちながら。


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