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【生協編】まさ君のコープ挑戦記 Vol.1~「生協」って何?~

みなさんこんにちは。私は以前、生協職員としてある街の共同購入地区担当者として働いていました。街で見かける「生協のトラックのお兄さん」あれです。商品を届けては主婦の皆さんの井戸端会議に参加して、生協のお知らせをしながら一日が終わる。そんな仕事です。皆さんの中には「生協って何?」「スーパーマーケットで売っている商品と何が違うの?」という疑問もあると思います。そんな疑問にもお答えしながら、私の生協で体験した”感動”と”希望”と”胸キュン”の奮闘記を綴っていきたいと思います。アマゾンやネットスーパーが普通になった今こそ、日本には地域を守り助け合う仲間の輪である生協の存在意義も一緒にお伝えしていきたいです。

第一回目は、「生協」って何?というお話をしたいと思います

私の生協担当者の仕事を紹介します。まず、支所に出勤したら、まず朝礼があります。当日の商品の欠品や注意事項など聞いて、配送リストを確認します。トラックへの商品積み込みは”積み込みさん”と呼ばれるパートタイマーさんがいらっしゃるので、商品を積み込む事は無く、トラックの中を確認し、ドライアイスなどを準備してトラックに乗り込み1番目の組合員さんのお宅へ向かいます。当時はまだ共同購入をしている方が多く、トラックで配達場所に行くと、通常4名くらい、多ければ10名くらいの班の方が来ていて、決まった広場にその班の商品を降ろすと皆さん自分の注文書を見て商品を取って帰るという仕組みです。

共同で商品を購入するので、配達料は無料!というシステムで、引っ越してきた方の情報が入ったら、担当者の私がお声かけに行きます。組合員さんのお声がけがあると、大抵、近所付き合いの一環として入会して頂けました。でも今、この風景は”昔のコト”となりつつあります。世界には類を見ない日本独自で発展した生協の共同購入という仕組みは、日本人の人と人の繋がりを創る身近な装置として稼働していましたが、有職主婦が増え、近所付き合いも希薄になった今、共同購入は個別宅配という、人の関わりが無い、ただの生協のオリジナル商品をお届けするシステムになってしまっています。

生協は商品を購入するだけではなく、クラブ活動のような物もあり、勉強会のような子育て教室やエアロビクスみたいなサークルもありました。それらは支所にある広い部屋を使って行うのですが、僕達地区担当者は、自分のお客さんでもあるお母さんと一緒にきた子供たちの子守をしたりしていました。「マサクンは子供に好かれとるねー、いいお父さんになるよ」当時23歳の私には「そんな遠い未来の事なんて」と実感がありませんでしたが、20年近く経った今、3人の子供の父親となり、長男は来年大学受験を控える年となりました。

生協という組織は、入会する時に出資金というお金を払って入会します。それは株と同じような物で、生協の運動に参加する権利を買うみたいな概念です(当時は3000円で退会する時に利子がついて返金されます)。皆から集めたお金で商品を開発し、それを買う事ができるようになったり、商品を配達するトラックを買ったり、子育て教室やエアロビの教室を開催したりします。そして皆で作った商品を皆で購入して生協運動をビジネス面でも成長させてゆく。そのビジネスの専従者として私たち職員がいるという感じです。(実際働いている側は普通の会社と何だ変わりは無いのですが)

生協は理念がある組織であり株式会社ではありません。NPOなんです。気候変動などで自然災害が多発すと現地で炊き出しなどのボランティアをおこなっていらっしゃいます。地域のネットワークが希薄になっていり今、生協と言う組織が地域を助ける役割を担っているのは、非常に心強い事です。

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