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【生協OB】まさ君のコープ挑戦記 Vol.3~ロミオとジュリエットの恋物語①~

生協の担当者は、基本、自分の地区を持っています。例えば「〇〇市」のA地区は上杉さん、B地区は稲葉さん、C地区は櫻井さん・・という感じで「〇〇〇市」を単位にチームを組んで動いています。チームはチームリーダーの下、同じ売上目標(ノルマ)を持って、運営を展開する”同志”でもあります。面白い所は、自分の受け持ち地区があり、自分の創意工夫で仕事を進めていく事ができる所です。新人の私にもエリアが与えられ、私はその街の中心を流れる大川の東側、川東地区の担当となりました。

配送をしていると、違う生協トラックに出会う事がありました。生協は基本、「〇〇生協」と言って、県の名前が付く生協なのですが、他にも企業の組合から始まった生協など、色んな出自・種類の生協が存在します。生協の配達は全国一律「週に1回」しか出来ないので、複数の生協を掛け持ちして取っている組合員さんも大勢いらっしゃいます。同じコープ商品を販売する他団体生協は競合にあたります。コープ商品の販売シェアや新しい組合員さんを奪い合うライバル関係にあたるんです。たまに、同じ日・同じ時間に同じ場所の組合員さんにお届けがあった時などは、何だか”気まずい感じ”になってしまい「こんにちは・・ははは」と、お互い、そそくさと配達を終わらせて立ち去るような感じです。

私が配属されていた支所の地区にも「☆☆コープ」というライバル生協があり、むしろ「〇〇〇市」では先方の方が老舗。県では我々の方が圧倒的シェアを誇っていますが、この「〇〇〇市」では「☆☆コープ」の方が2倍以上のトラックが走っている状況でした。対して我々チームは敵陣地区という事もあり、活きの良い若手が送り込まれるという感じで、チームメンバー5人中3人が入社2年目以内のメンバー構成(若い!)、かつ全員男性でした。

3月になると「春の入会キャンペーン」が始まりました。新しい組合員さん獲得の数値ノルマが課せられ、必達指令の下、キャンペーンを進めていくのですが、引っ越してこられた小さな子供がいるご家庭《生協のメインターゲット》を発見し「よしっ!」と行ってみると、「昨日☆☆コープさんが来て入ったんよ、ごめんね~」と言われる事もたびたびで、地域を知り尽くしている老舗生協の手ごわさを実感していました。生協と言えども、売上と利益が取れなければ潰れてしまう厳しい世界です。日本では当時、潰れていく生協もちらほら出てきた時代でした。負ける訳にはいきません!

そんなある日、机が横、担当地区も隣の川西地区の横川君が「はぁ~~」と、ため息をついていました。「どした?」と聞いてみると、目をキラキラ✨させて「俺、恋したわ~~」と。僕達、若手のコープのお兄さんは、毎週同じ時間に来るし担当者NEWSを書いて配っているので、どんな人柄なのかもよく分かっているので、地域の世話焼きマダムから「彼女おるん?」「結婚してない娘さんがおるから紹介するよ!」何て事もたまにありました。あと、地域の保育園や病院にも配達する班があったりするので、若い保母さんや看護師さんと合コンしたりした事もあったり・・・良い時代でした。「もしかして、組合員さんの娘さん?それともあの時合コンした保育園の〇〇ちゃん」とミーハーな軽い気持ちで聞いてみると、、、、、、衝撃のひとこと(◎_◎;)

「☆☆コープの同じ地区の担当者。トラックですれ違う度にドキドキするんじゃ~。名前しか分からんけど、、、恋に落ちた~」

「まじーー!それはスゴイわ。ロミオとジュリエットじゃん」・・つづく




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