2023年の振り返り - 今年やったことTOP5

今年は新しい取り組みをいろいろやりました。


1 韓国のインディー開発者さんたちと会えた

私は初めての有志翻訳が『Hotel Sowls』でしたが、開発チームStudio SOTTのお二人京都のBitSummitに遊びに来てくれて、お会いできました。実はお二人が日本語で話せるということにびっくり。このとき、出展者として参加していた『Before The Night』の作者さんにもお会いできました。他にもお会いできた開発者さんが4人ほど。

8月は私のほうから韓国プサンでのBIC Festivalに行きまして、遊びに行くだけでもよかったんですけど、どうせなら取材してIndie Freaksに記事を書こうと思って、20タイトルも紹介できました。

SNSで交流のあった開発者さんたちとお会いできて嬉しかったです。実はこのときにいろんな方と顔合わせしたおかげもあって、次の仕事につながっていますが、運が良かっただけであって、再現性はあまりなさそうです。(通常は、韓国のインディーゲームは公的な支援事業に応募してローカライズの支援を受けることが多いので、展示会でブースをまわって営業しても、すでに翻訳会社への依頼が決まっていることが多いようです)

2 Indie Freaksのライターとして記事を書いた

ありがたいことに、ライターとして記事を書く機会をいただけました。自分の得意分野を活かそうと思い、韓国のインディーゲームの記事を書くことが多いです。韓国のソロ開発者や学生チームが日本語をサポートしたゲームをパブリッシャーなしでリリースしてることもけっこうありまして、そのまま日本にまったく情報が出ないのはもったいから私が記事にしようかな、と。

Indie Freaksに参加する前から、私個人でやっていたプレスリリース配信サポートは続けています。営業、翻訳、LQA、日本向けPR、ライターまで兼任してる人はかなりレア。ゲーム業界に通じていないと難しいかも。私の場合、若いときに大手ゲーム会社で一通りの業務を見た経験が役に立っています。

3 韓日ゲーム翻訳者さんたちのサポート

とある開発者さんのご厚意で翻訳者さんのお名前がクレジットに記載されているのを私が見つけて、翻訳者さんに知らせたのがきっかけだったんですが、ちょうどその方が新しい取引先の翻訳会社さんから仕事を受け始めていて、「履歴書に担当タイトルを書いてもよい」という条件で契約なさっていました(その翻訳会社がクレジット記載のために動いてくれるわけではないようです)

で、発見として大きかったのは、開発者さんのご厚意でクレジット記載された場合は、その翻訳会社に言えば、(ネット上で)翻訳実績を公言する許可も出るということがわかりました。これは韓日ゲーム翻訳では画期的なことで、翻訳者さんにとって貴重な情報。

さらに、私が知り合いの開発者さんに「翻訳者さんの名前を翻訳会社に問い合わせていただけませんか」とお願いしたら(その時点ではどなたが翻訳したかわかっていなかったが、実際は知り合いの方だった)、クレジット記載が実現したというのが一件ありました。こんなにうまくいくことはあまりないかもしれませんが、今後も知り合いの開発者さんにできるだけ頼んで回ろうとは思っています。

フリーランス韓日翻訳者さんたちの中で、韓国のインディーゲーム展示会に足を運んで名刺を配るという活動が今年から始まっています。展示会に行く翻訳者さんに、私がゲームをピックアップしてリストを共有したり(パブリッシャーが決まってなくて、日本語翻訳の需要がありそうなタイトル)、交流のある開発者さんに事前に連絡して「知り合いの翻訳者さんが行きます」と知らせたりと、そういったサポートはお役に立ったようです。(逆に言うと、実はかなりの実績があるフリーランス翻訳者さんが飛び込みでブースに行っても、守秘義務契約のせいで実績を言えないので、無名の翻訳者に見られてしまいかねません。飛び込み営業は難しい印象。この状況をなんとかしたい)

4 TGSで名刺交換会を主催(?)した

東京ゲームショウ2023で、ゲーム翻訳者が集まる名刺交換会をやりました。成り行きで私が主催させていただきましたが、元々同じ時間帯に名刺交換会が行われる予定だったのがキャンセルになったので、そのまま同じ時間帯を使わせていただいたという経緯です。

来年も私が主催するかどうかは何も決めてませんが、私以外の方に引き継げるといいかなと思います。今回の経験からわかったコツみたいなことを共有したうえで、いろんな方、次の世代の方、駆け出しの翻訳者さんたちが集まる会など、自由に複数の交流会が企画されるほうが望ましいんじゃないでしょうか。

途中から気づいたことですが、次にうまくバトンを渡すことができれば、今年私が主催した意味があったかなと思います。

5 翻訳の作業環境を揃えた

毎日8時間翻訳するのはかなり体に負担が大きいみたいですね。私がもう若くないこともありますが……。

なので、よく翻訳者さんたちの間で言われていることを参考に、椅子と足置き台ウルトラワイドモニター、肩こり解消にいいと言われる左右分割型キーボードとリストレスト、デスク下に置けるパネルヒーターを買い揃えました。だいぶ楽になったような。

いざというときにノートPCを持って出張先で翻訳を続けられるように、ゲーミングノートパソコンを購入して、それで作業するように切り替えました。

けっこうお金を使ったので、元をとるために翻訳で稼がなければなりませんね。来年がんばります。今までは兼業のままでもいいかなと思ってました。

フリーランスで医学部受験指導の塾講師を続けつつ、インディーゲームを支援する「インディー先生」も面白いと思ったんですが……どっちも中途半端になるのは申し訳ないし、毎日1800~2000ワード翻訳できるような、プロのスピードと品質が出せるのかどうか、挑戦してみたいというのが大きな理由です。それが来年の目標のひとつです。

さて、いろいろ良いことばかり書きましたし、自分のやったことを美談として触れ回っていることになりますが、まあウソではないし、自分のやっていることを徹底的に疑っているつもりです。極端に言うと、もし私が猫かぶってるだけで最悪な人格だったとしても、いくつか人の役に立つことをができたようだし、あとは相手の方がそれをうまく活かしてくれるでしょう。

今年は本当に収穫が大きかった。先述の通り、プロのスピードと品質を出せるようになりたいと思うきっかけをいただけたことが人生の転機と言ってもいいかもしれません。

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