交流会や勉強会の主催はしません

意思表明しておいたほうがいいかと思い、ここに書いておきます。

私の今後の方針として、私が「ゲーム翻訳者の交流会を主催する」または「韓日ゲーム翻訳者のための勉強会を開く」ということはしないつもりです。

理由としては、私は韓国のインディー開発者さんたちとつながりができつつあって、(自分で言うのもなんですが)強力なコネを持ってしまっているからです。

この一年ほどで「企業の方々から」実際にお誘いがあった例は、どれもまったく不正行為ではないんですけど、お名前を出さずに3つだけ挙げますと

・(翻訳会社の方から)「韓国の翻訳会社の方が来ているので、ご興味があれば、交流会に来ていただけませんか」 ※以前からフリーランスの韓日翻訳者を探していた方らしい。私は英日翻訳者なので、行っても自分自身の仕事につながるわけではない

・(パブリッシャーの方から)「マサケイさんは韓国のゲームショウに行く予定はありますか、よろしければ現地でお会いしませんか」(私が、行く予定がありませんと言うと)「マサケイさんのような方と一緒に回りたいという業界関係者は多いと思うんですが…」と、ほめてくださった。 ※開発者を紹介してほしいというわけではなく、ただ一緒に楽しく見て回りたいという意味らしい

・(『未解決事件は~』がヒットした後に、私と面識のないパブリッシャーの方から)「マサケイさんが担当なさったタイトルのクリエイターさんをご紹介いただくことは可能でしょうか」 ※ただ連絡役になってほしいだけであって、私の紹介があれば有利になると思っているわけではないらしい

私にどういうお誘いが来ているか、分かっていただけたでしょうか。

※上記の方々は私に仕事を依頼したことのあるクライアントさんではありません。企業の方にお願いですが、すぐにじゃなくてもいいんで、将来的に私に有償の依頼をしたいというそぶりぐらいは見せてください

みなさんそれぞれ配慮しながら、「可能であれば」というご提案をしておられるわけですから、不正な何かを持ちかけているわけではないということを改めてここで強調しておきます。ただ、私がうまく対処できないんですね。

だって、考えればわかるじゃないですか。まず、協力するとしても、私は仲介料をとるわけではないので、タダ働きです。時間をかけてしまうと、それだけ赤字が膨らみます。どんどんイヤな気持ちになっていって、そのうちためこんだものが爆発して、私自身が評判を落としてしまいます。これがすごく困る。

だからといって仲介料をとったら、開発者さんたちに隠れて裏でお金とってるみたいで、悪いヤツですよね。

じゃあ、「お時間とっていただいて大変申し訳ありませんでした、せめてお礼に……」と言われて、食事をおごってもらうのはアリなんでしょうか。金額はどこまで許されると思いますか。まあ、喫茶店でお茶したときの支払いをもってもらうぐらいはどの業界でも慣例的に行われているかもしれませんが、私の考えでは、それも私が自分で払うべきだと思っています。何が正しかというより、私が世間の常識を知らないし、常識とずれているんです。

翻訳者同士だったら、「同業者だから問題ないんじゃないですか」という考えもあるのかもしれませんが、私はただ翻訳をやっているというより、もうPR業者みたいなものです。日本市場向けのPRを個人で請け負っています。現在どこの社員でもないフリーランスですが、Indie Freaksのメンバーでもあります。

PRのサポートをして、私は韓国のインディー開発者さんたちとつながりをもち、信頼関係を築いていくことが仕事です。あるいは、パブリッシャーさんがクライアントになることもあります。私を通じて、翻訳者さんに依頼がいくこともあるかもしれません。

一般に、フリーランス翻訳者さんたちが、クライアントとなる/なるかもしれない翻訳会社、パブリッシャー、PR会社などの業界関係者の方々と会うときって、個人的な場よりも、イベント会場や、交流会のパーティーみたいな開かれた場で会うほうが適切ですよね。問題が起こりにくい。

個人的な場で会うときにはどんなことに気をつけなければならないか、いろいろあると思います。私はそのへんのマナーがよくわからないので、いっそ「飲み会はどれも参加しない」ということにしています。それと似ていますが、自分で交流会の主催もしない、勉強会の主催もしないということにしたいと思います。自分が問題を起こすのがイヤなんです。

翻訳者さんたちが、面識のある同業者と顔を合わせたときだけ、(秘密保持契約に反しないように気を付けながら)そこでしか聞けない情報交換をするということがあるかもしれませんが、私はそれを聞くべきではありません。表に出ている情報だけで、私のやりたいことは十分にやっていけます。

言い方を変えると、私のことは翻訳者というより、ゲーム開発者・パブリッシャー・PR会社・翻訳会社などを含めた「業界関係者の一人」だとお考えください。「仲のいい翻訳者にしか話せないこと」を私の前で話していけません。ご注意ください。

さて、長くなってしまいましたが、一方で、広くご協力させていただきたいこともあります。日本語ネイティブ・もしくはネイティブレベルの韓日翻訳者さんで、ゲーム翻訳に興味があって、展示会に足を運んでみようという方がおられましたら、私はなるべく毎回、出展作品の調査をリストにして公開して、私がPRや翻訳をお手伝いしたことのあるチームがどこかわかるようにしておきますので、

↓ 耳寄り情報です
ご連絡いただければ、私の知り合いの開発スタジオにメールをして「こういう翻訳者さんがブースを訪問する予定です」という事前連絡をするという形で協力させていただきます。これは私と面識のある方限定というわけではなく、翻訳歴、得意ジャンル、お仕事依頼の連絡先、(あれば)言及許可ありの実績などを教えていただければ、それを開発スタジオにお伝えします。基本的に、開発者さんたちにとっては、フリーランス翻訳者の知り合いはたくさんいたほうがいいだろうと思います。

ただ、あまり期待しないでいただきたいのですが、開発者さんたちは、通常は翻訳会社に依頼しますし、開発者自身の知り合いに頼むこともありますし、フリーランスを探す場合は最も実績の豊富な方がまず候補に上がるでしょうから、広く翻訳者さんをご紹介しても、実際に翻訳依頼につながることはまずないと思います。

それでもおすすめしたいのは、インディーゲームに興味を持っていただき、実際に展示会を見て回ったり、体験版をプレイしてみたりするうちに、業界の動向やジャンルの特徴などをつかんで、お仕事に役立ちそうだからです。毎年のように展示会に行く方がもしいたら、目立つ存在になれると思います。

では、展示会のときにリストを公開する日にまた。

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