令和2年司法試験再現答案 憲法

こんばんは!第1回目の投稿は、昨年受験した司法試験の再現答案です。先だって、現場での思考過程や、反省点などを書いていきます。

まずはじめに、憲法です。

【構成段階で考えたこと】
・規制①
 問題文の1頁目をざっと読んで,平成26年司法試験の問題を思い浮かべた。そして,階層的ないし複合的な目的っぽいところも踏まえて,かなり似ていると感じた。
権利は,狭義の職業選択の自由か,職業遂行の自由・営業の自由の問題かを検討。
制約論は,事業継続と参入規制の2つの制約があると分析。ここでは,規制の目的指向性の側面から分析したときに,職業遂行の自由を制約する意図なのか,狭義の職業選択の自由なのかが迷った。
判断枠組みは,薬事法判決の射程を緻密に検討することを意識しようと構成。
規制目的の階層構造・複合性をより分析してみると,高次のものとして公共交通の維持・拡充があり,もう1ステップ具体化したのが生活路線バスを運行する乗合バス事業者の保護,いわゆる既存業者の保護という積極目的であると分析。さらに,かかる積極目的が,立法事実として高齢ドライバーによる事故増加と結びつけられて,消極目的が含まれるかのような様相を呈していると分析。そのため,薬事法判決の射程がそのまま及ぶわけではないと踏んだ。他方で,立法事実として消極目的的観点が含まれるため,LRAを考慮しないのは適切でないと考え,考慮要素として位置づけることにした。
目的審査も,できる限り実質的に行うことを意識した。対立点を生じさせようか考えたが,上手く浮かばなかったため,手段審査で膨らますことにした。
手段審査では,2つの立法事実を区別しつつ,既存業者の保護という規制目的との関係を踏まえ,実質的関連性を丁寧に検討することを意識した。おそらく,高齢ドライバーによる事故増加防止は,他の手段が考えられる上,同程度の規制効果達成を望めなくはないと考え,かかる立法事実との関係で実質的関連性を否定。
・規制②
 移動の自由の問題だということは,瞬間的に分かった。自家用車という手段の限定性まで加味して検討対象を抽出するか一瞬悩むが,一応生の利益を抽出しつつ,移動の自由という文言で位置づけを明らかにした。
 権利の保障と制約論は,時間がないと思われたので,圧縮。判断枠組みと実質審査で膨らませることにした。
【反省点】
・規制①を思ったより書いてしまった。
・貸切バス事業によれば生活路線バス事業者からの受託で,「高速路線バス事業」を継続できるという事実関係であるところ,文言上正確に伝わっていないような形で書いたような記憶あり。
・規制②の実質審査は,不十分だったのではないかと思われる。若干時間配分をミスった。


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