足は大切な感覚器

前回認知症予備軍の段階であれば歩行練習によって進行を食い止められる改善の可能性があることをお話させていただきました。

また歩行速度が低下してきている高齢者の多くに足裏のメカノレセプターという感覚を拾い集め姿勢などを制御する機関が機能しにくくなっていることも紹介させていただきました。

高齢になればなるほど感覚は衰えていくののですが今回は年齢による感覚差についてお話しさせていただきたいと思います。

足は手や顔回に次いで3番目に感覚が鋭敏

こちらの図をご覧ください

※ 要は「足首から下」~足についての本当の知識~ (じっぴコンパクト新書)からお借りしました。

人間のどの部分が鋭敏なのか?二点識別覚という方法で感覚を測定した結果が神経学の専門書に紹介されています。感覚の良さそうな指先や手、顔といった部分に次いで足は3番目に入っています。足裏の脂肪層の厚さや足の無骨さを考えるとそれほどが鋭敏であるように思えないのですが。高齢者は足からダメになっていくとと言われていますがこの様な根拠があるわけですね。

感覚は足から衰える

こちらの図もご覧ください

※ 要は「足首から下」~足についての本当の知識~ (じっぴコンパクト新書)からお借りしました。

18〜20歳と65歳以上の感覚の衰えを比較し図にしたものですが足に関してはダントツの感覚衰え率で他のどの部分よりも鈍っている事がわかります。高齢者の場合筋力テストなどを行なった際に筋力もそこそこあり問題なしと判定されているにも関わらず。転倒する例が多くみられるそうでこの様なことから考えても筋力以前に足から感覚を拾い集める機能が低下することによって姿勢の制御などが低下する事がよくわかります。

ペダルの踏み間違え

自動車の運転はアクセルとブレーキといった2種類のペダルが足によってコントロールされています。最近高齢者の暴走事故で『ブレーキを踏んだが効かなかった』と言うコメントに対して 警察の捜査では『ブレーキを踏んだ形跡がなく』車両にも異常は見られなかったといった 報道がよく見られます。体は感覚を感じ取れることによって動作が生まれます。もちろん足も同様です。しかし高齢者自身が気付かないまま衰えてしまう足の感覚は認知症との相関性が高く 高齢者事故の調査で認知症が発覚した例が多くみられます。足は日常から常に何千回と使っているのですが感覚の衰えを自覚しにくい部分であることも確かです。

ピボッティングで予防


足の感覚が鈍りやすい高齢者にオススメなのがこのピボッティングです。高齢者の方は椅子に座ったり、手摺を使いながらおこなってもかまいません。特に日常的に歩行練習を取り入れている方は練習前にこの運動を行うことをお勧めします。足裏足指の付け根にある姿勢や歩行の制御を行なっているメカノレセプターを活性化して感覚の衰えを予防する事が出来きます。最初から無理をせず1分程度から始めて頂き、そのどその場で足踏みを行い再度ピボッティングという感じで繰り返し行なうことも有効です。 足の衰えは気付かないうちの進行しています。普段からこの様に意識を高め老化対策を行うことをお勧めいたします。

参考文献はこちらです。




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