スキルアップの山はジグザグ登るもの
「5月病」という言葉、最近あまり聞かなくなりましたね。
入社や異動は4月、という慣習が薄れてきた証拠でしょうか。
この記事では、「5月病」に代表されるような、
「スキルが身についてない気がするけど、自分はこの仕事に向いてないんだろうか?」
「成長してない気がするけど、自分はこのままでいいんだろうか?」
といった疑問を持ちがちな方へ向けて、
スキルってイメージどおりには上がらないものなんだよ、
という話をしたいと思います。
なぜか人は、スキルは努力に応じてリニア(直線的)に上がっていくと思いがち(グレーの点線のように)。
だけど、実際にはそんなことはあり得なくて、グリーンの線のように上がっていくものです。
ここでの注意点は、横軸は経過時間ではなく、累積経験量だということ。
つまり、ぼんやり過ごして、時間だけが経過しても右には進みません。
時間は短くとも、良質な経験を積んでいけばどんどん右に進みます。
パイロットの試験を受けるには総飛行時間が問われたり、医師になるには一定期間の臨床研修が必要だったりするのは、この累積経験量が一定値に満たなければ、スキルが不十分だと認識しているからです。
仕事のスキルや勉強についても、だいたい同じです。
青い三角は、イメージと実態のギャップです。
「なんで私まだこんなに役立たずなの?イメージでは、もっとできるようになってるはずなのに…」と、めちゃめちゃ凹む時期になります。
新しい仕事をはじめた直後や、同じ仕事でも転職直後や新しい職場環境だったりすると、この時期を経験することになります。
けど大丈夫。
単に、累積経験量が足りてないだけで、ちゃんとグリーンの線を辿ってるはずですから。
だから、「その時」が来たら、グッと上に伸びます。
例えば、英語が上達しない人は大抵この青い時期にインプットをやめちゃうからです。英語初級者にとって、グリーンの線が上向くのは、思ってるよりずっと先なんですよ。
ダイエットや筋トレなんかもそうかもしれません。
一定の累積量に達すると、効果が出はじめる。それまでは変化がないので、挫折しがち。
さて、そうこうしていると、ふと自分のスキルが上がったことに気づくタイミングが訪れます。
オレンジ三角の無敵感タイムです。
「掴んだわ、私、完全に掴んだ」
と、気分は最強だし、実際できるようになってるので、ガンガン行けます。
仕事がおもしろくなってくる感覚を味わえます。
ところがですね、オレンジの無敵タイムもやがて終わります。
グレーの点線とのギャップが小さくなるにつれ、
「なんか最近、仕事が惰性になってる気がする...」とか
「自分の成長が止まってる気がする...」と感じるようになるんですね。
そしてまた、青い凹む時期がやってきます。
基本、この繰り返し。
さらに、ある程度のスキルレベルに達すると、次の上向きポイントまでに求められる経験量が増えてきます。
これがなかなかツラい。
だいぶ長い間、青色三角の時期を過ごさないといけないですから。
ある程度のことができるようになってしまった中堅社員が感じる焦りや悩みは、コレですね。
そのときに、新しい分野、新しい仕事にチャレンジすると、左下から再スタートになるので、割りと早くグリーンの線が上向く感覚を得られるでしょう。
でも、このジグザグは、ずっと繰り返されるもの。
だから青い時期に入ったと認識したら、焦らず腐らず、淡々と経験を積み重ねるのが大事なんです。
そこで止まっちゃダメなんです。
良い経験を積むことに集中し、しばらくは無風に見えても、緑の線はジワジワと右に進んでいると信じて進むのです。
スキルアップや成長というのは、こういう仕組みだと理解しておくと、
「あ、いまは青色三角の時期なんだな」
と、自分の状況を冷静に捉えることができるので、ぜひ覚えておいてください。
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