天鳳戦略⑨ トップ目での押し引き判断

かなり久しぶりの記事更新です。

プライベートでいろいろ忙しくてnoteやる暇もなかったんですが、天鳳のほうは空き時間を見つけてちょいちょいやっています。

さて今回は押し引き判断、特に点数を持ってるトップ目のときにどうするべきかについて自分の考えを書いていきましょう。

天鳳ルールでの大原則

まず前提として、天鳳ルールで意識しなければいけないのは以下3点です。

①トップを狙う(またはトップを守りきる)
②連対を外さない
③ラスを回避する

ルールが変わると「素点を稼ぐ」「祝儀効率を上げる」などが加わる場合もありますが、天鳳ルールにおいては例えば素点を稼ぐということも上記3点を達成するための手段でしかないってことですね。

そしてこの①~③は現在の状況によって優先順位が変わるもので、その判断が最終的な着順に直結することも珍しくありません。

例えばオーラス3着目で満貫あがればトップだけどラス目と1100点差の場合。

この場合はもちろん③のラス回避を最優先にする人がほとんどだと思います。

ただそのラス回避意識の比重も、以下の場合だと若干変わってくる(やや①②寄りの判断になる)こともありますよね。

・ピンフのみテンパイしたとき
・タンピンドラ1テンパイしたとき
・タンヤオドラ2の完全イーシャンテンでポンテンチーテン取れる牌が出たとき

この判断のバランスを常に考えながら打つことが大事ですし、トップクラスのプレイヤーはこの感覚が自然と身についているものと思ってます。

トップ目はどう打つべきか?

さてこの前提を踏まえた上で、今回のテーマの本題であるトップ目での押し引き判断を考えていきます。

ただ一言でトップ目と言っても微差のトップ目やダントツトップ目では全く違いますよね。

そこで自分の点数が3万点台、4万点台、5万点以上のときの自分の基準を例として挙げてみます。
※①⇒トップ取り重視、②⇒連対率重視、③⇒ラス回避重視

・3万点台
②>③>①
連対を外さないことを最優先とし、誰相手でも無理して戦うことは考えません。
特にラス目への放銃はラス落ちの危険性があるので重めにケアします。

・4万点台
①>②>③
いくら天鳳でも確実にトップを狙いたい場面。
ラス目への放銃はケアしますが、2着目に対しては(あがりが見込める手なら)ぶつけてトップを決定づけにいきます。

・5万点以上
①>②>③
4万点台のときと同じくトップ取り重視ですが、さっきと違うのは「デバサイを喰らわなければトップ濃厚」ということ。
よって2着目とは戦わず、ダマテンも最大限にケアしましょう。(2着目はリーチするメリットが小さいのでダマ比率が増えます)
ただしラス目に対しては押すケースもあります。(飛ばし抽選、放銃後の点数状況が悪くならないetc.)

押し引き判断の基準とする考え方

先ほどは持ち点ごとの判断基準を挙げましたが、大事なのはこれを丸暗記することではなく、最適な判断をするための思考方法を身につけることです。

僕の場合は以下の3点から総合的に判断するようにしています。

・押したときに想定されるマイナスが起こった結果
・降りたときに想定されるマイナスが起こった結果
・自分以外の2人の押し引き予測

それぞれについて簡単に補足していきます。

まず押したときに想定されるマイナスですが、これは単純に放銃した場合って捉えてOKです。(それ以外のマイナスについては降りたときと同じと考えて差し支えないため)

次に降りたときに想定されるマイナスですが、相手のツモあがりや自分に都合が悪い横移動などですね。

最後の項目は「点数状況的に押しが十分ありえる人がいるか」ってことです。もし降りるはずの人が押してきた場合は何かの理由があるとの情報が手に入りますね。

他の判断基準として、統計データを基にした「残り○筋、愚形含め放銃率○%くらいだから押し優位」「○翻好形だから押し優位」などがありますが、それはあくまでも様々な状況の平均値にすぎません。

フラットな状況では有用なところもありますが、それ以外(特に南場)であれば現在の状況が統計データより優先されるべきでしょう。

それでは具体的にどのように判断してるかを実戦例から考えていきます。

【例1】2着目が親の場合

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例えばこういう状況。南2局で大きなトップ目。ここはトップ取りを最優先するところですね。

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役牌は1鳴き。ラス目がここまで遠いならまだ守備は考える必要ありません。

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親の捨牌もスピード感あるけどあっさりテンパイ。

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案の定親リーが飛んできましたが、ここで危険牌を持ってきたときどうするかが今回のポイント。

では先ほど言った3点の基準を考えてみましょう。(実際は仕掛ける前にある程度は考えていましたが)

《押して放銃した場合》
打点を判断できる材料がないので満貫放銃と仮定します。その場合の点数がこちら。

自分:34400
下家:42100
対面:15800
上家:7700

2着目には落ちるけど、まだトップ狙えるし、連対もキープできそう。
次局以降は②>①>③のバランスに変更します。

《降りてツモられた場合》
厳密に言うと放銃したときより打点高くなるけどここも満貫ツモられた仮定で点数を出します。

自分:42600
下家:42100
対面:11700
上家:3600

ほぼ差はなくなったけどまだ微差でトップ目。対面が上家を飛ばして終了するパターンもあるのでトップ争いはやや有利ですね。

《自分以外の2人の押し引き》
基本的には2人とも降り。対面はラス目に落ちる放銃は避けるし、ラス目は7700以上放銃すると飛び終了するためです。(スルーされる期待込みで対面よりは押す可能性ありますが)

これらをまとめた思考がこちら。

・放銃とツモられで極端な差が出ない
・押してあがりきったらほぼトップを決定づける
・降りたら横移動も期待できず親にツモられる可能性がかなり上がる、一番マシな流局でも2着目の親が落ちない

というわけで…

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リーチなんて無視して1sツモ切り。1枚でも待ちを多くするためドラまたぎでも関係ないです。

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6mも知らんとばかりツモ切り。あがるのは俺だ!と言わんばかりのプッシュ。

「おいおいどこまで押す気だよ」って声もあるかもしれませんが、答えは「状況が変わらない限りは地の果てまで押す」です。

それではどういうときに状況が変わったと判断するかというと、主に以下の3点です。

・他家が前に出てきたとき
自分があがらなくても親が流れる可能性がでてきますよね。
基本的に子方が2人がかりで親を潰すために降りる必要はないのですが、親現物を抜き打っての差し込みが可能かは意識しておく必要があります。

・流局が近いとき
「自分があがって局消化する」のが目的なので、流局間際でテンパイ料欲しさに危険牌を押すのは辞めましょう。さすがに無謀です。

・親のアンカンが入ったとき
特に役牌や5のアンカンは危険度が高くなります。18000〜24000の大事故につながる可能性があるので降りましょう。

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ちなみに結果はほぼトップを決定づける500-1000ツモあがり。

【例2】3着目が親の場合

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先ほど親リーに押してあがりきった次局。

基本的には先ほどと同じように局消化最優先。下家へのアシストができる分先ほどよりやりやすいか。

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点棒の壁でここも1鳴き。

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そして簡単にテンパイ。

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直後に飛んでくる親リー(またか)。

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現物を打ちながらテンパイを維持してたところに引いた7m。

ではここで先ほどと同様に考えましょう。

《押して満貫放銃した場合》
自分:38000
下家:27700
対面:27200
上家:7100

《降りて満貫ツモられた場合》
自分:46000
下家:23700
対面:27200
上家:3100

《他家の押し引き》
下家はほぼベタオリしそう。上家はライバルのリーチにツモられると相当きつくなるため、手牌によっては飛び覚悟で押す場合もあり。

まとめると、
・親に放銃すると、ラス目が遠い中で3人が近くなる。下手すると連対すら逃す可能性もあり。
・ツモられても状況は全く悪くない。次局満ツモまでは耐えられる。(満ツモなら自分のトップ確定)
・上家が戦っての横移動の可能性もある。

つまり押す意味がないってことですね。

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なので、安牌1枚しかないけど現物抜きます。

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端牌の9mや中筋になった5sをツモ切ってなんとか凌いでいたが5m引いて困った。
打牌候補は5mか5p。テンパイ復活は考えずに危険度低いほうで5mを選択、通ってくれました。

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結果は親の3900オールツモあがり。

ただこの局は大きなミスをしたと思っています。

それは中を仕掛けたこと。

前局とは違って2着目と大きく離れたトップ目、しかも親は3着目。

前述の通り「親とは戦わない」「親のツモあがりは許容範囲」であるなら自分があがるために放銃リスクを負うのはマイナスかなと。

それでもミスをした中でましな選択はできたのは良かったので、こういう思考自体は役に立ってるとは思います。

今回はトップ目のときを例に挙げましたが、むしろ2着目3着目のときのほうが使えそうなので、良かったら参考にしてくださいませ。

ではでは。

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