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極めるということ

行政法規

行政書士の主たる業務は、行政法の内、個別法といわれるものです。
例えば、建設業の許可申請とか、宅建業の免許申請とか、一般旅客運送事業の許可とか。
これは全部、建設業法、宅建業法、道路運送法といった、行政法規といわれるものです。

大学の法学部に入ると、基礎科目として憲法、民法、刑法、商法、会社法などを勉強します。
加えて多くの学校では、行政法も基礎科目として勉強します。
行政法は、行政組織法と行政救済法という分類で勉強をすることが多いですが、その実態は、「行政手続法」「行政不服審査法」「行政訴訟法」という、行政法の中でも一般法といわれるものを中心に勉強します。

日本には、今現在、約2000もの法律が存在しています。
そして、そのうちのほとんどが行政法規です。
行政法ではない法律というのは、憲法や民法、会社法のような法律で、法律の中でもごくわずかの部分なのです。

専門特化して極めるということ

行政書士が手掛けるのは、繰り返しになりますが、この行政法規の個別法。
ということは、あらゆる法律が行政書士の業務になる可能性があるんですね。
もちろん、他の士業法でやっちゃダメよってなっているものはできませんけど。
登記とか税務申告とか社会保険年金労務関係とか。

当然、数百数千とある手続きを全て網羅していくなんて不可能なので、行政書士の多くは自然と専門特化していきます。
この専門特化っていうのが、かなり難しくって、じゃぁどこまで極めていけばいいの?っていう話になるんですね。

例えば、僕が専門にしている旅行業の手続。
法律上は、いわゆる「旅行業法」という行政法規です。
じゃあ、この旅行業法とそれに紐づく政令や規則を学んでいればいいのかというと、実務はそうじゃないんですね。

旅行業法というのは、旅行会社を取り締まるための法律。
旅行会社が行っている業務って、例えばバス会社を手配したり、飛行機を手配したり、そういったことなのです。
法律違反を犯しているバス会社や飛行機、航空運送を手配すると旅行業法違反になります。
ということは、自分たち(旅行業者)が手配しようとしている事業者が本当に違反を犯していないか、確認しないといけない。
たとえば、貸切バスの運賃は適切なのか?
航空運送事業者として適切な登録手続きを行っているのか?
貸切バスの話でいえば道路運送法が絡んできますし、航空運送の話でいえば航空法という法律が絡んできます。
いずれも、行政法規です。

それだけじゃないですね。
ウェブサイト上で旅行商品の取引を行うのであれば、特定商取引法なんて言う法律の知識も必要そうです。
そもそも、旅行商品は旅行者=個人消費者との取引になるので、消費者保護法なんて言う分野の法律も知っておかないとだめですね。
ウェブサイトやパンフレット、場合によってはテレビ等を使用して広告宣伝をするので、景品表示法という法律も絡んでくるでしょう。
それに、大量の個人情報を取り扱うので個人情報保護関連の法律も押さえておかなければなりません。

当然、行政書士として仕事をどこまでやっていくのか、クライアントに対してどこまで深くアドバイスをしていくのかによっても変わってくるとは思いますが、専門家として特化していく、特定分野を極めていくというのは、実はすそ野を広くしていくということなんですよね。
時間は有限で、能力は限られているので、すべての法律をきれいに読みこなすのは難しいかもしれません。
ただ、その場ではすぐに答えられなくても、「アタリ」をつけて調査できる能力は必要だと思うんですよね。

観光系行政書士として、専門特化している私ですが、それでも日々新しく学ばなければいけないことが発生します。
時間は有限で、実務をこなしながら営業しながら知識のブラッシュアップをしていくのは、本当に苦しい作業。
でも、本気でやる人間だけが見えてくる世界があると、私は信じています。

本気で、やっています。
文章にまとまりがないのは、相変わらずだなぁ。笑

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