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ウィリアムズ症候群~どうしても苦手なコト

多くの障害にはどうしても苦手で克服が困難である動作や状況があります。
うちの場合、幼児期に単なる発達障害と思って機能訓練を受けている過程では発達が遅い理由がわからず、後に遺伝子検査を受けて障害を知り、その特性の解像度を上げて理解することで特定の機能訓練については効果が薄いことを少しずつ知っていきました。

人の感覚はたとえ我が子であっても理解することはとても難しいことです。
それは苦手な理由や本人の感覚を言語化することには限界があるためです。
例えば指先の器用さの遅れは「分厚い手袋を2重にしてつけている感覚」を想像したり、下りのエスカレータに乗るのを怖がるのは「高さが移動することに視空間の感覚がついてゆけずに踏み外す恐怖感」であったりします。
その他にも、落雷に対する極端な恐怖感や、台風の風切り音もそれに近い恐れ、大きな声で吠える動物が苦手で今でも触れない・・など。
上にも書きましたが、視空間認識力の弱さは学習面でも、特に数学の暗算の苦手は「頭の中で量を動かすことが困難」なこと、またそれは量の変化と角度を視覚でとらえて頭の中で数値に変換することが必要なアナログ時計を見て時間を読むのが苦手なことにも関係してきます。
親ができることは、そういうことのひとつひとつに精いっぱい想像をめぐらしながら本人に必要なことをサポートするだけ。
自分と比べて焦ったり、無理強いしたりは絶対に禁物です。
今思うとあせらなくとも成長と共に少しづつ現実に順応するものなのです。
例えば現金の計算はちゃっかりとできるので買い物には困らないし、時計もデジタルなら読むことができるので時間厳守の仕事もこなしています。

繰り返しになりますが、
人は自分以外の人が感じる感触等のような言語化できないことを理解し共有することは難しいものです。
ですが、心で寄り添うことで本人の感情に近づき共感することができる。
本人が悔しいときには自然と一緒に涙が出るし、不安なときにはこちらも不安になる、それ以上に嬉しさと喜びを貰うこともたくさんある。
それは親だからこそ持てる特別な共感性なのだとも思っています。

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