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エッセイ「たまにはみんなで失敗してみよう」※全文掲載

約二十年前、僕が、「第三回 wordlive!性と詩と」の企画を始める時だった。次回のテーマを考える為に、スタッフで集まった。その際に、僕はやってみたい事があった。それをいつ伝えるかを迷っていた。

 スタッフ全員の仕事が終わり、ファミレスに深夜集まった。始めに雑談し、次回のテーマを決める事から考えた。なかなかテーマが決まらなかったので、僕はずっと考えていた事を話し始めた。

僕「一度、みんなで失敗しよう」

スタッフ「…」

みんなに意図が分からなかったようで、不穏な空気が流れ始めた。そして、三人のスタッフは、僕から離れて行ってしまった。

 当時の僕は、とにかく説明嫌いで、それでけっこう失敗してきた。意図がしっかりあったが、その意図を一切話さなかった。

 その意図は、「失敗に対する免疫を創ろう」、そういう意図だった。しかし、説明をしなかった所為で、意図が伝わらなかった。

 

 まずやってみて欲しかった。自ら進んで失敗する事を。独りで失敗する訳ではないし、みんなで失敗し、失敗に対する免疫が出来たら、もっと伸び伸び生きる事が出来る。そう考えるからだ。

 スタッフの女性二人は言う。「説明さえしてくれていたら、喜んでみんなで失敗したよ。これからはちゃんと説明して」

説明の大事さを学んだ24歳の僕でした。

参考図書:拙書「たいよう十七」

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