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料理にまつわるエトセトラ「Nong's Khao Man Gai」

久しぶりの「料理にまつわるエトセトラ」
下書きのストックが溜まっていたのだけどアップするのが滞っていた。
facebookの7年前の思い出で、ポートランドで食べたナンさんのカオマンガイの写真が出てきて、そうだアップしなきゃと思ったのでした。

7年前、ちょっとしたキッカケからセドナに行くことになり、その帰りにポートランドに寄った。三度目のポートランド。偶然TED×Portlandが翌日開催されることをfacebookで目にした。そして、まだ席に空きがあって参加できるらしい。すぐに申し込んだ。翌日、つたない英語で苦労したが、なんとか受付を通過し、会場へ入る。最初のスピーカーがナンさんだった。

僕にでもわかる英語で
1.タイからポートランドにやって来るまでの話のつかみ(ジョーク)
2.ウェイトレスをしてお金を貯めてキッチンカーを手に入れた!
3.キッチンカーが曰くつきだったり人間関係のトラブルに巻き込まれた
4.でもカオマンガイがヒットして路面店のレストランをオープンする
まさに教科書通りの王道スピーチだな〜と思いながらも、めちゃくちゃ感動したことを今でも思い出す。

しかし、スピーチが終わって立ち上がって拍手していたのは、数人だけだった。何かが引っかかったが、僕は立ち上がることができなかった。

次のスピーカーは、初老の白人男性だった。彼が登場した瞬間、ほぼ全員が立ち上がり拍手し始めた。始めてのスタンディングオベーションに少々興奮しながら、僕もまわりに習った。でもスピーチの内容は、全く伝わってこなかった。もちろん僕の英語力が足りなかったと言えばそれまでだが、それだけではないだろう。

その日一日、僕が会場で体験した様々なことは、この2つの出来事に象徴されると思う。マイノリティとマジョリティ。情報として知っていることと、自分が体験することによる理解の差。自分はマイノリティなのだと思い知らされた。

後日、ナンさんのフードトラックにカオマンガイを食べに行った。そのカオマンガイは、メチャクチャ美味かった。ナンさんがここまで来るのに苦労したこと、僕がここにたどり着くまでの苦労したこと、それを乗り越えた喜びが美味しく感じさせたのだろう。

日本に帰ってからカオマンガイを食べ歩いた。
タイの有名店が日本に進出したお店、タイで食べるのと同じ味だったと噂を聞いた店、
タイで修行した日本人シェフの有名店、などなど。
美味しいけど、あのときのカオマンガイを超えるお店はなかった。

自分の料理の腕が上がって、美味しいカオマンガイが作れるようになったとしても、あのときの味を超えることはできないだろう。また食べたいな。


ナンさんのTEDトーク
https://www.youtube.com/watch?v=ZlBGx9Npl6A


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