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自動車産業はどうなる?〈121/1000〉

【ラジオ体操426日目】
『ニコチンレス生活147日目』

こんばんは。
自動車産業だけは、日本が世界一の技術と製品力を持っていると信じ続けてきたコマリストです。


今日は『次なる日本を支える製品』というテーマで書いていきたいと思います。


トヨタ自動車が販売台数で、2位のフォルクスワーゲンを大きく引き離して世界1位に。


これは、昨年末のニュースです。


トヨタ自動車の売上が世界一になったのは初めてのことではなく、2020年に引き続き2年連続のこと。


このニュースは、割と大々的に国内でも報じられていたので知っている人も多いと思います。


では、世界中が国をあげて販売数を伸ばそうとしているEV車のランキングはどうか?


日本メーカーでベスト20にランクインしたのはトヨタ自動車のみ。


その順位は・・・。


今日は、日本の基幹産業ともいえる自動車産業に起きている事実と感じた危機感についてのお話です。


ものづくり大国日本と呼ばれた時代に戻る日は二度と来ないかもしれないという事実を受け入れたくない方は読まないで欲しいです。

産業の趨勢とともに

先日、自動車部品の塗装工程を主力事業としている会社のJ社長とお会いした時の話です。


J社長は、この会社の3代目で現在の年齢は50代。


幼少期から、両親や祖父母が働く姿と扱う製品を自分の目で見ながら育ってきた塗装屋のサラブレッド。


実はこの会社は扱う製品が何度か変わってきています。


創業期は『白物家電』
その後、『携帯電話』
そして、『自動車部品』


この変遷を見て気づく方もいるかもしれませんね。


過去の2つは日本製品が海外製品に淘汰された業界の製品であり、国内需要が減少した結果、別の業界の製品に移行せざるを得なかったということ。


”この製品は絶対に無くなることは無い”


誰もが名前を知る、白物家電大手メーカーの担当者は言いました。


誰もが名前を知る、携帯電話製造メーカーの担当者は言いました。


その後、国内の白物家電がどうなったか、ガラケーがどうなったか、説明するまでもありません。


これを自分の目で見て、耳で聞いてきたJ社長は言います。


今の国内自動車産業は、当時の『白物家電』『携帯電話』と全く同じ変遷を辿っている。


近い将来、間違いなく諸外国の自動車に淘汰される。


この発言、ものすごい説得力でした。


というのも、かつて世界一とも称された2つの製品を自社で扱い、その趨勢と共に生きてきた会社の社長です。


(そんなはずは無い!)


と、反論したくなりましたが、私は何の根拠も持ち合わせておらず、何よりJ社長の説得力に圧倒されて黙っていました。


これが現実のものとなれば、日本はこの先、何をもって世界と戦っていくのか。


絶望感にも近い無力感に襲われた瞬間でした。

最悪を想定して動く

J社長がこのように話したのには、もちろん理由があります。


業界関係者向けに実施された各国の先端自動車展示会へ参加したJ社長が目にしたもの。


トヨタ自動車が発表した最新の電気自動車。半導体の影響もあり、一般販売はせず、シェアリングサービスのみで市場に流されます。


参考価格は1,000万円を超えており、とても大衆車として受け入れられるものでは無かった。


これに対して、かつてガソリン車で日本に進出したけれど、すぐに撤退した韓国の現代自動車が発表した電気自動車はどうか。


デザインに関しては好みの問題があるので、何とも言えないが、圧倒的にカッコよかった。
#韓国のセンス
#日本人好み


そして、価格は500万~600万。エンジン性能や、充電時間、最大航続可能距離など、全てにおいてトヨタ自動車のものを上回っていた。


そしてすでに、EV車市場を狙って日本国内に販売店を進出させている。


もちろん世界一はテスラ。その下には欧州メーカーや中国メーカーが名を連ね、韓国の現代自動車は世界10位。


日本はトヨタ自動車が16位だけど、10位の現代自動車と比較してもこの状況。


日本はEV車市場で明らかに出遅れている。


けれど、国内に目を向ければ、EV車の購入に補助金が出され、各メーカーは低燃費車やEV車の開発に力を入れている。
#補助金は海外車にも適応される


当然、国民の意識もこの先、EV車への乗り換えに向いていく。


けれど現時点では製品の価格も性能も(デザインも)圧倒的に負けている。
#需要より早く開発が進むのか


以上を踏まえて、J社長は日本の自動車産業の衰退を確信していると話した。
#すごく考えていらっしゃる


そして、この話の最後にこんな一言を添えていた。


とはいえ、自動車産業がこの先もずっと衰退することなく頑張ってくれたら、ウチの会社としてはありがたい。


是非とも、頑張ってもらいたい。


『最悪を想定して、次のアクションを起こしておく』


これをしてきたから、今の当社が生き残っていられるんだよね。


本当に、勉強になりました。
1時間半という短い時間でしたが、J社長との話は楽しくて仕方がありませんでした。


”この車が停まってる時は会社にいるから、いつでも遊びに来てくれていいから”


別れ際にこう言ってくれたJ社長の言葉に甘えて、この先も何度か遊びに行こうと思っています。


この記事が、皆さんにも何かしらの学びを届けられていたら嬉しいです。

じゃ、またね!

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