韓非子 外儲説左上 第三十三中

韓非子 外儲説左上 第三十三中

吉成学人(よしなりがくじん)
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韓非子の説話ではかなりの割合で、孔子や儒者が出てきます。
思想的には対立していたと云われがちですが、案外影響を受けていたのかもしれません。孔子以後の儒者についてはあまり有名ではありませんが、どう云うことを述べていたのかを知る貴重な資料ともなっています。

斉の宣王は儒者の匡倩にたずねます。
「儒者はすごろくをするのか」。
「いいえ」。
王は「なぜだ」とたずねます。
匡倩は答えます。
「すごろくではフクロウの駒を尊びますが、勝って上がるときはフクロウの駒を殺します。尊んでいたものを殺すわけですから、儒者は道義を反することだと考え、すごろくをしません」。
宣王は再びたずねます。
「儒者は射ぐるみ(糸をつけた矢で鳥をからませて捕らえること)をするか」。
「いいえ。射ぐるみは下から上のものを害することです。下の者が主君を害することで、儒者は道義に反すると考え、射ぐるみは行ないません」。
王は三度たずねます。
「儒者は大琴をひくか」。
「いいえ。大琴は細い糸で高い音を出し、太い糸で低い音を出します。大小の順番を変え、貴賤を入れかえます。儒者はそれを道義に反することだと考え、大琴はひきません」。
宣王は「なるほど」と答えます。

孔子によれば「民衆を下級役人にへつらわせるよりも、上級のものにへつらわせるほうがましだ」と云うそうです。

最近、熱いですね。