韓非子 説林下二 第二十三

韓非子 説林下二 第二十三

吉成学人(よしなりがくじん)
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斉の靖郭君は自分の領地に城を築こうとしますが、それを戒める人が跡を絶ちませんでした。
靖郭君は取次役に、「もう客を取り次ぐな」と云います。
しかし、ある人がお目通りを願い、「私は三言だけお話したい。三言を超えたら、釜で煮殺してください」と云った。
その客は、靖郭君に会うと、小走りに進み、「海大魚」と云い、そのまま背を向けて立ち去ろうとします。
靖郭君は「説明が聞きたい」と云いますが、客は「私は死を覚悟でざれごとを云うつもりはございません」と答えます。
そこで、靖郭君は「どうか私のために話してくれ」と云います。
客は答えます。
「殿は海中にいる大魚をご存知でしょう。
海の中にいれば捕まえることはできませんが、一旦、水の中から出ると、虫でも捕まえることができます。
さて、斉の国は殿にとっての海です。殿が国の実権を握っている限り、領地のことは問題になりません。
殿が斉を離れてしまえば、天高い城を築いたところで、役に立ちません」。
この言葉を聞いて、靖郭君は領地に城を築きませんでした。

最近、熱いですね。