韓非子 内儲説下 六微上 第三十一

韓非子 内儲説下 六微上 第三十一

吉成学人(よしなりがくじん)
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韓非子の説話はかなり酷いものが多いですが、同時に考えさせられるものがあります。
彼が指摘している「臣下の行なう隠れた悪事」の一つに、「似ている紛らわしいこと」を挙げています。

一例を挙げると、楚の国の王が寵愛した愛人に鄭袖と云う人がいました。
王が新しく愛人を手に入れると、鄭袖は愛人に云います。
「王さまは人が口を覆うの仕草が好きです。もし、王さまにお近づきになりましたら、必ず口を覆いなさい」。
新しい愛人は王に謁見すると、口を覆いました。
王がそのわけを尋ねると、鄭袖は「彼女は王さまの体臭が嫌いだと云っていました」と云いました。
その後、王と鄭袖と愛人が三人でくつろいでいたとき、愛人は何度も王の前で口を覆いました。
すると、王は腹を立て、側仕えに「こいつの鼻を削げと」と命令します。
側仕えは王の命令通りに、刀で愛人の鼻を切断します。
そうなったのは、鄭袖が事前の側仕えに、「王さまの命令には、絶対従うのですよ」と云っていたからでした。

最近、熱いですね。