韓非子 外儲説上 第三十二中

韓非子 外儲説上 第三十二中

吉成学人(よしなりがくじん)
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韓非子の説話の中には、権謀術策だけではなく、一見すると利他的とも思える話も収録されています。

兵法家の呉起が魏の将軍になって、中山国を攻めたとき、兵士の中にひどいはれものの苦しむ人がいました。
そこで、呉起はひざまずいて自分で、兵士のうみを吸いました。
すると、はれものができた兵士の母親が泣きました。
理由を人が訊ねました。
「将軍さまはお前の息子を手厚くしているのに、どうして泣くのか」。
母親は答えました。
「呉起はあの子の父親のできものを吸ってくれて、その恩義のために父親は戦死しました。今あの子もまた恩義を感じて死ぬことになるでしょう。それで私は泣いているのです」。

最近、熱いですね。