韓非子 外儲説左上 第三十二中

韓非子 外儲説左上 第三十二中

吉成学人(よしなりがくじん)
00:00 | 00:00
古代中国の書物『詩経』には「君自ら行わざれば、庶民は信ぜず」と云う
詩があるそうです。
この詩を現実の政治に当てはめた説話は以下のようなものがあります。

斉の桓公は紫の衣を着るのを好みました。
だから、国中の人たちが紫色の衣を着るようになりました。
そのときは、五巻の白絹を出しても一巻の紫の生地が手に入らなかったそうです。
桓公は宰相の管仲に相談しました。
「わしは紫の服を着るのが好きだが、紫の生地の値段がひどく上がっている。国中の民が紫の衣を好んで、止まらない。どうしたら、よいだろうか」。
管仲は答えます。
「殿さま、紫の服を着せないことをお望みなら、ためしに「わしは紫の匂いが嫌いだ」と云ってみてください」。
桓公は「よし」と返事をした。
そこで、側近の者が紫の衣を着ていると、桓公はそのつど「少し、下がれ。わしは紫の衣が嫌いだ」と云いました。
その日のうちに、側近の役人で紫の衣を着る者はいなくなり、その翌日には都中で紫の衣を着る者はいなくなり、三日目には国内の領地に住む人々は紫の衣を着なくなりました。

最近、熱いですね。