図書館は紙のAI(クレイジー・マップ)

サスペンスものの洋画には時々出てくる、犯罪者か、犯罪者を追いかける復讐者の部屋の壁がこんな風に、地図と写真と切り抜き記事と…それぞれが赤い糸でつながれているようなアレ。これは「Crazy Wall」と呼ぶのだそうだ。変に日本語に訳すると問題がありそうなので、そのままカタカナで「クレイジー・ウォール」と呼びたい。
ここには、日本人にはない米国人特有の情報組織化のノウハウがある。関連する人物や場所や出来事などをマッピングし、糸で関連づけていく。よく「マップピン」などと呼ばれる画鋲が売られているが、あれなどもこのクレイジーマップに使われているのであろう。

これはひとつの「紙のAI」っぽくは見えないだろうか?

これを図書館で構築してみたい。といっても図書館の壁全体をディスプレイするわけではない(まぁ、やってみてもおもしろいけど)。もちろんデジタル技術を使ってである。ひとつの検索語から抽出される書籍や記事や雑誌や動画…などをスクリーン/ディスプレイに表示し、それらの関連づけをグラフィックで行う。検索した結果パソコンの画面に図書館資料をベースとしてクレイジー・マップを表示する仕組みだ。

これにより図書館は、今の蔵書検索の枠から超えて、それぞれの本のそれぞれのページに記述されている情報・知識・物語が関連づけられている。まずは、そのための書誌情報づくりから取り組まなければならないが、「図書館は紙のAI」というテーマのクレイジーマップをつくることで、何かが見えてくるような気がしている。

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